透析者の仕事と雇用保険。3視点から比較検討がポイント!

ここでは、透析者の仕事と雇用保険について取り上げます。

透析者の仕事と雇用保険

透析者の仕事と雇用保険
腎臓病(CKD)から透析することになり「仕事を辞めるかどうか悩んでいる」という人、「透析をしたら仕事を辞めなければならない」と思い込んでいる人。

透析と仕事との間には、様々な問題や誤解を抱えながら不安を感じているように思います。

 

腎臓病(CKD)の治療もステージ4、5となり末期腎不全になってくると、医師から透析導入を勧められます。

透析導入には「心の準備」というのが必要です。

この時期の身体は尿毒症の症状を起こしていて、いつでも透析ができるようにするためにシャントも作っているでしょう。

あとはいつ透析するか、始めるかどうかはデータ次第です。

 

もしあなたが会社員をしているとして、「健康診断では毎年異常値は出ていた、腎臓病(CKD)の治療で済んでいた。そのために総出で食事療法も続けてきた。もう、透析は避けられそうにはない・・・。」

感じ方、受け止め方には個人差があるにせよ、末期腎不全から透析導入の時期は、戸惑いやあきらめ、絶望感、透析への治療拒絶・回避などで混乱します。

 

精神的にも、肉体的にもバランスを崩している状況にもあるので、現実を受け容れるだけの余裕がありません、辛いのです。

受け容れるだけには時間というものがかかります。

 

透析とともに、仕事(通院、給与減、退職、人間関係・・・)や家族(配偶者、子ども、養えない)病院(治療はどこで?医療費どう支払う?)などいろいろ問題をあれこれと模索してしまうのですから。

 

口酸っぱくして言います!

透析しながら仕事をすることになったとしても決して辞めないでください。

 

あなたが「会社やチームから疎まれている」「上司・同僚など周囲が迷惑そうにしている」とか「理不尽な要求があった」といった事が無い限りは、仕事は続けてください。

本気で自営業になる!今の会社員以上に稼ぐといった自信なり、スキルでも、人脈でも無い限りは、働いていたほうが懸命です。

仕事は辞めないほうが良いです。透析をしてある程度の年月が経ってからでも考えることはできるのですから・・・。

 

それから、会社員していて透析導入するにしても、休養して休職していたり無職の状態にあっても、いずれにしても(再)就職・転職活動をすることは、非常に大変なことです。

透析しながらハローワークや転職支援会社などに顔を出し職を探す。

 

「事務職が良いですよ!」と言われ、そのために資格取得をする・・・。
事務系のビジネススキルを学ぶ・・・。

透析のための時間も必要ですよ!

 

(再)就職・転職活動のために、どれくらいの時間を、労力を要するか正直分かりません。

 

透析者の(再)就職・転職活動、仕事上の現実的な話し

ここでは、(末期腎不全の患者を含む)透析導入者、透析者を囲む「(再)就職・転職活動」や仕事事情などについて挙げていきます。

障害者雇用の促進が図られてきて、少しずつですが社会復帰への糸口を掴んでいる透析者が増えてきているのかなという、感じはします。

 

とは言え、大手企業などの「障害者枠」での採用となると、どうしても都市圏での求人に偏りがあって、地方となると正直厳しいものがあります。

「正社員」の募集はあるのかいうと、嘱託社員やパート・アルバイトといった「有期契約」の方が圧倒的に多く、派遣社員はあまり見かけません。

 

以下のようなことが、実際にあるわけです。

1.「障害があっても戦力にならない人は採用されない(いらない)」

⇒就職・転職活動において、まずここが透析者の就職・転職を思いのほか困難に陥れます。

 

「何が就職・転職活動を困難にさせ、長期化になってしまうのでしょうか?」

これは労働者である障害者とか透析者ということではなく、(もしあなたが)自ずと企業側、つまり経営者の立場になれば理解することができるはずです。

 

「働き方改革」が企業で叫ばれて久しいです。どのくらい改革が進んでいくのでしょうか、「真の意味」で進んでいるのでしょうか?

「少しでも長く残業してもらって、仕事をして欲しい!」これが経営者の本音です。

 

透析の治療で早退する透析者よりも、残業できて長く居られる健常者に働いてもらった方が、それは欲しい人材ですし、会社の戦力だと言えるでしょう。

 

2.「体調の不安定さ=勤務態度・姿勢、業務成績、周りにも影響する」

⇒同じ内部障害にも心疾患や肝疾患などがあります。

腎疾患である血液透析の場合、隔日に治療を行うために透析の翌日になると「体調が安定しない」「体調が芳しくない」といったことが出てしまいます。

 

透析からくる疲労感(ダルさ)や低血圧、それらから来るめまい・立ちくらみ、食欲不振など。午後になって何となくふつうの体調に戻ったような感覚を覚えることもあります。

透析だけではありません。

 

検査データの結果次第によっては合併症、インフルエンザなどによる感染症を起こしてしまったりすることもあります。予期せぬ入院や緊急手術も十分に起こりえます。

「体調の不安定さ」はどうしても付きものです。
ただ、その不安定さが勤務態度・勤務姿勢、業務成績で評価されたり、チームや周りの人にも影響を与えてしまっていることを理解しておきたいのです。

 

透析者が日々できることとは何でしょうか?


「体調は最低限、仕事に差し支えない状態に持っていくこと!」

 

健康な人とは比較しても無意味ですが、透析者ゆえに「ほぼ健康に近い状態(=ベストコンディション)に持っていくことはできます。それを維持していくことも大事です。

そのために食事療法やドライウエイト(基礎体重)の設定、血圧管理などを行っているのです。

 

このように融通の利く大手企業やチーム体制、透析に理解ある経営者や上司であれば良いのですが、必ずそうとはいきません。

日本の8割方は中小企業です。人材確保も大変ですし、せいぜい1人で様々な業務を回しているのですから、休まれたら、辞められたら困ります!

 

なので、上記1.2で見てきたように「透析治療のために早退が必要」「臨機応変な働き方をしたい・・・」と透析者がそう思っていても、雇用すること自体がなかなか難しい、というわけです。

このことは日本の今を映している「育児・介護問題」と同じような構造にも見えます。
「抜けられない仕事の中、保育園へお迎えに行きたいけれど、周りの人から言われそうで・・・。会議中で・・・」。

 

透析者と企業との間にある高くて厚い壁。

仕事の様々な問題や誤解が、ここら辺にあると言えます。

 

高くて厚い壁を、垣根を低く壊していくためには、透析者なりに仕事に対するPRや取り組み方、食事療法をはじめとした自助努力をしていることを伝えるべきです。

例えば、非透析日は、「無理をしない程度に残業する」とか「人より1.5倍、2倍の早さで、正確さで業務にあたる」とか、何かしら戦力できるようにしておく。

 

「体調は最低限、仕事に差し支えない状態に持っていくこと!」「風邪をひいてしまったら徹底的に治し、仕事に影響を与えないようにする」などです。

3.「透析者=保険組合の費用がかかる=できれば採用は控えたい!?」という本音

⇒「できれば採用は控えたい!?」は本当か。
大手や有名メーカー企業、〇〇業界全体で作った健康保険組合というものが存在します。

 

現状7割方の組合が赤字運営に陥っていて「解散予備軍」とも言われるくらいです。
赤字運営になってしまう背景には「少子高齢による医療費の増大」があり年々増えていく一方です。

当然、医療費が増大していけば財政状況が厳しくなり、組合はひっ迫状態に陥ります。
結果、被保険者の保険料(率)の引上げせざる負えなくなります。

 

このような流れは、大手やメーカーなどの企業が独自に作った健康保険組合等でも同じように起こっています。

もし(企業が独自に作った健康保険組合等のある)大手企業が透析者を雇ったとしたら(=大手企業の健康保険の被保険者になる)どうなりますか?・・・。

 

透析者は健康保険上の特定疾病の特例(高額長期疾病)の制度で、実質「1万円ないし2万円」の自己負担額で済むことになります。が・・・、

一方の健康保険組合側からすれば「透析にかかる医療費=医療費の増大」でしかないわけです。

 

(再)就職・転職活動をしている透析者のなかには、「大手企業等のほうが採用されやすい」と考えている透析者もいます。

しかし現実は、「なかなか雇用をしたがらない※・※※」ということを知っておくべきです。

 

※年60万円の納付金・・・
民間企業には「常時雇用している労働者数」の一定の割合(=法定雇用率)に相当する人数以上の障害者を雇わなければなりません。法定雇用率を満たさない場合は、一人当たり月額50,000円払わなければなりません。(法定雇用率制度)(改正障害者雇用促進法 2018年4月1日施行)

※※透析者・・・透析者は重度身体障害とされ、短時間以外(=30時間以上)の常用雇用労働者(=正社員など)の場合、1人の雇用をもって、2人の身体障害者又は知的障害者を雇用しているものとしてカウントされます。

 

このように、[透析者1人を雇った場合の人件費+年60万円納付金]と[医療費の増大]を天秤でかけたとき、保険組合はおそらく後者の医療費を減らして、ほかの被保険者のために保険者として役割を担ったほうが良いわけで、理にかなっていると言えます。

透析者を雇用しないとしても、最近では精神障害者の雇用義務化、医療費の負担の軽い(少ない)他の障害者を雇用したほうが良いと考える企業も多く、障害者雇用のなかでも駆け引きが起こっている状態です。

 

更に付け加えるなら、企業側には障害者を雇用すれば「特定求職者雇用開発助成金」など(条件等あり)の助成金が出るので欲しいと思いますし、逆に言えば障害者を雇わないことで年60万円もの納付金=ペナルティー金を払いたくないとも考えています。

なぜなら、企業には「障害者を雇っている」という良い企業としてのブランド、イメージの向上させなければならない、そのための維持、取引機会の喪失を回避しなければならないといった責務があるからです。

透析のことをどう伝えていくのか?

透析のことをどう伝えますか?
就職・転職活動、仕事上の現実的な話しをしてきました。
少々酷で、重かった内容だったかもしれません。

末期腎不全を含む透析者導入者、透析者の就職・転職活動では、「障害枠」で活動したほうが良いでしょう。

 

「一般枠」で探すのも一応有りですが、「残業はできるのか?」「体調は維持できるのか?」など健常者と同じような働き方で仕事をすることになるので、大変になることは想像つくはずです。

「障害枠」で働きたいことを伝えたうえで、通常、障害確認のため「障害者手帳」の原本確認(またはコピー添付)を行います。

 

「透析導入の時期にあること」や「透析していること」「透析の配慮」等は必ず会社へ伝えましょう(具体的な就職・転職活動の仕方は、また後述します)。

現に会社員であれば、透析の導入や透析を始めたことについて、できれば「隠していたい」「隠し通したい」という気持ちになるかもしれませんね。

 

働いていれば、雇用形態の変更、業務の配置転換、ポストの返還(降格)、給料減など、いろいろ気になって、思考交錯してしまうものです。分かります。

血液透析なら嫌でも通院しなければなりません。早退は隔日ですし、早退理由を違った理由で変えていく、早退時間も終業の90分前など何かと不自然です。

 

到底できることではありません、このようなことを続けていくことは、無理です!

腎臓病(CKD)の治療~透析を考えるように勧められ、透析を始めるに至るまでに、会社の健康診断を行ってきたはずです(雇入時および年1回以上行う健康診断。安全衛生法66条1項)。

 

健康診断の結果、腎臓疾患をはじめとした「異常の所見」というものを、会社は把握しています(健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して原則5年間保存(安全衛生法規則第51条)。

 

会社への報告・相談することは責務だと考えてください。
まずは報告・相談することからはじまります。

雇用主である企業(社長なり人事総務課の担当者、チームの上司)に、透析を導入すること、透析をすること(はじめた)ことについて、きちんと話しをしてください。

そして、透析者一人ひとりの働き方が違うように、「仕事上、どこまで配慮が必要なのか?」「透析後の体調面はどうなるのか?」「透析の治療を受ける病院の所在地・電話番号等は?」「緊急時の対応はどうすれば良いのか?」などを、正しく、丁寧に、分かりやすく説明してください。

(再)就職・転職活動の仕方とは?

(再)就職・転職活動には、「自分で行う場合」、「ハローワークなど公共のものを利用する場合」、「民間の障害者向け就職・転職支援専門の会社を利用する場合」と、大まかに3つ分けることができます。

特に、後者2つの「ハローワークなど公共のもの」と「障害者向け就職・転職支援専門の会社」を併用し、活用するのが最も効率が良いと言えます。

 

1日でも早く就職・転職活動から脱したいなら、サービスをフルに利用することをお勧めします。

ハローワークは雇用保険の基本手当(≒失業給付)等の諸手続き、(一般求人である「一般枠」と)「障害者枠」での求人を探す場合に通うことになります。

 

障害者向け就職・転職支援専門の会社には、直接来訪をしたり、Web上で登録したうえで支援サービスを受けることになります。

一般的には、どちらでも身体障害者手帳を提示して「障害者枠」で活動を行うことになります。

 

透析は腎臓障害にあたるので「内部障害」で求人を探していく事になりますが、ハローワークや就職・転職支援専門の会社で出ている求人票でも、求人会社の採用実績、就業上の配慮などはもちろん、「腎ぞう」「内部障害」の部分も、見て、気にかけて欲しいところです。

なぜなら「内部障害」や「透析の配慮あり」とはあるものの、実際には透析者の雇用実績が無かったり、実は「現にまた今後とも採用する予定は無い」という企業があったりするからです。

 

ですから、「透析の配慮あり」とあっても、採用実績があるのか否か、できればどれくらい働いていたのか、どんな配慮をしているのか(いたのか)などまで、踏み込んで確認することをお勧めします。

ハローワーク職員、就職・転職支援専門の会社のコンサルタントもこれら情報は共有しているはずです。

 

職員や障害者専門のコンサルタントなどが(再)就職・転職にあたっての進め方等についてアドバイスや支援していただけます。

このようにサービスは2つほど組み合わせて、上手に活用してきましょう。

 

「求人は?」「業種・職種は?」のほうはどうでしょうか?

透析者の通院+治療時間の確保、体調の不安定さ、心身負担の考慮などからみて、「人事・総務」「経理」「営業事務」などいった事務系やコンタクトセンター等での「オペレーター」、「Web制作」といったように、内勤の割合が多くなっています(もちろん肉体労働をされている透析者もいますが・・・)。

 

「雇用形態は?」というと、「正社員」で探して、なれたら「ラッキー」「良かった」と考えましょう(「正社員」を見つけるのは稀、探すのもなれるのも大変です)。

やはり、透析者の「体調の不安定さ=勤務態度・姿勢、業務成績、周りにも影響する」ことが企業(経営者)にしてみれば心配なのです。

 

休まれること、辞められることが!

仕事をして欲しいのです。

 

そのため、当初は期限付きの「嘱託社員やパート・アルバイト」からはじまり、体調が安定して勤務態度や業務成績等も良いと評価されれば、給料が上がるなり、正社員になっていくのが一般的です。

 

就職・転職活動のもっとも大事なこと

末期腎不全の患者を含む透析者導入者、透析者の仕事を探すには、ハローワーク、障害者向けの就職・転職支援専門の会社を併用するように、サービスは2つほど組み合わせたほうが良いと説明しました。

しかしながら、もっとも大事なことがあります。

 

【仕事探しの3視点】と名付けます。

【仕事探しの3視点】

・「自分」・・・自宅から会社・病院に通える範囲か?心身の負担は?家族の理解は?・・・

・「会社」・・・仕事内容、給与など(条件等)。どこまでが自分の条件?・・・

・「病院」・・・近くに透析できる病院等ある?仕事前後の治療時間の確保はできるか?・・・

 

この【仕事探しの三視点】から、相互に比較検討しなければならないということです。

 

一般的には、自宅⇔会社を往復するような生活なら問題無いのですが、透析は生活の一部になっています(なります)。

「自分」を起点として(中心に置き換えてみて)、会社選びや病院選びを同時に行わなければならないのです。

 

本来、一度に3つのことなど思考錯誤できませんし、面倒くさい!と言うかもしれませんね。

このことも、就職・転職活動を困難にそして長期化させ、心身を疲弊させる原因にもなっています。

 

先ずは条件にあった会社探しです。希望する会社が決まれば良いのですが、見つけられなければ、また一から会社と病院探し始めなくてはならないので、【仕事探しの三視点】をまた分解して、立て直さなければならなくなるのです。

とは言え、【仕事探しの三視点】。これらは自らしなければなりません。

あなたの生活に、命に関わっているのですから!

 

「三視点、バランス良く!」であることが、一番理想的。

 

ですが、あなた(自分)も会社も、お互いに必ず妥協点を探ったり、割り切らなければならないというところがでてきます(面接や面談とか、契約といった場面においてです)。

 

一番多いのは、会社での面接や雇用契約の場での勤務条件であり、「給与」の折り合いが多いかと思います。

(「透析枠」での雇用であると、一般枠と比較してもまず給料が抑えられます。そこに透析治療のために労働時間が減るので、給料減となります。透析者としては1円でも多く貰いたい。労働者にすればふつうなことでしょう。)

そうしなければ、希望する会社も病院も(もしかしたら賃貸アパート・マンションでさえも)ずっと決まらないでいるかもしれません。

【仕事探しの三視点の例、アドバイス】

透析者の仕事探し3視点ざっくりですが、「自分」「会社」「病院」で見ていきます。

1.透析のために勤務時間等に配慮してくれる会社→病院を探します。

⇒(電車・バスであれ、車であれ、)自分で通院・通勤できる距離の範囲内でなければなりません。

⇒透析は、精神的・心身的にも負担が大きく大変です。自宅から通える会社、病院であれば良いですが、(転勤や出向なども含めて場合によっては)賃貸アパート等を借りるなどして引っ越しが必要性も出てくるでしょう。

 

2.透析のために早退する=労働時間の減少

⇒労働時間の減少は避けられそうにありません。ある種の諦め、割り切らなければなりません。このことは透析者の給与が減ることを意味します。

⇒転職・就職活動して仕事が決まったとして(障害年金に)その給料で、自分の、家族の生活ができますか?

 

3.自分を起点として、生活の一部である(なる)透析があり仕事がある。家庭のこともある。

⇒透析しているのは、自分(あなた)です。仕事もしています。
精神的・心身的な負担でキャパオーバー(=限界を超えてしまっている状態)になりませんか?歳も重ねていくのですよ!

⇒家庭持ちもあるならなおさら。例えば、通院のための車の購入、育児・介護問題・・・。転職・就職活動のこともきちんと話しあっていますか?

 

まだまだあります。

このように、透析者の置かれている立場や環境によって、何が良いとか正しいというのは、一概に言えません。

 

三視点から「バランス良く!」と言いたいところですが、透析者⇔会社、透析者⇔病院、透析者⇔周りの人(家族や仕事上の上司・メンバーなど)と妥協したり、割り切らなければならないことは、多々あるのです。

それから、現に会社員をしている透析者であっても、転勤や出向またはリストラ等で転職といったことは、ふつうに起こり得ます。

 

このように、たとえ新天地の状況になったとしても、【仕事探しの三視点】の通り、「自分」「会社」「病院」と三視点で相互に比較検討していくことには、変わりありません。

就職・転職活動中の雇用保険

雇用保険受給資格(就職困難者として特例措置がとられる)

透析導入者や透析者が就職・転職活動していても、障害年金を受けながら雇用保険の基本手当(≒失業給付)を受けることはできます。

雇用保険において、透析者のような心身に障害のある者(障害者)は「就職困難者※」とされており、「基本手当」の受給要件や所定給付日数において優遇措置がとられています。

 

この「就職困難者」の制度は、透析者自らが申告するという形をとっています(申告主義)。

なので、自分が「就職困難者に該当すること」について、ハローワークの職員へ申告するようにしましょう。
そうすれば就職困難者として基本手当を受け取ることができます。

 

※注:基本手当の受給資格を得た時点で「就職困難者」の状態でなければなりません(逆に言うと、受給資格決定後に就職困難者の状態になった場合は除外されるということです)。

 

所定給付日数の具体例。

雇用保険の被保険者であった期間が1年以上であった場合だけで留めておきます。

「45歳未満」の人の所定給付日数は300日、「45歳以上65歳未満」では360日となります(当然年齢が高い層であれば転職が難しいからですが・・・)。

このように制度上、300日や360日のように所定給付日数は長くなっています。しかしその日数内で就職、仕事が決まれば良いのですが、それ以上伸びてしまえば、給付は終了です(受給権があれば、障害年金だけが唯一の収入源)。

なお、この所定給付日数が残っていて安定した職業への就職が決まった時は「常用就職支度手当」が支給されます。

まとめ

最後に、末期腎不全の患者や透析導入者、透析者の就職・転職活動は「長期化」が避けられず、精神的・肉体的に疲弊しがちです。なかなか仕事が決まらないので焦っていきます。

会社員している透析者は、できるだけ仕事を続けていくこと。
常に体調管理を意識しつつ、仕事ができていることに感謝しましょう。

 

(再)就職・転職活動している方のまとめ

・「自分」「会社」「病院」の三視点から、相互に比較検討。
・勤務条件等、妥協点と割り切りが必要なところは見誤らないで。

 

会社員等をしている方のまとめ

・透析は続く。まずは体調管理をしっかり行って仕事を。
・転勤や出向、リストラ等での転職があるかもしれない。こちらも「自分」「会社」「病院」の三視点から相互に比較検討を。

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