働き方改革と仕事。透析にどのような影響を受けたのか?【備忘録】

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働き方改革と仕事。透析にどのような影響を与えているか

「働き方改革」に伴って、私ながら「透析病院を変えるか否か」を考えなければならない状況となり、その判断を迫られることになりました。

透析者一人ひとりが、生活も仕事も家族も環境が違っていて当然、すべての透析者があてはまるわけではありません。備忘録にそして<参考>にして欲しいとも考えました。

 

先に私の判断・結論ですが、「勤務時間は切り上げ。給料は減ることになるが、引き続きかかりつけの病院で透析したい」ということを、病院と会社にお伝えしました。

もしかしたら、今後あなたにもそのような状況になるかもしれませんね。

自分だけの問題ではありません。
自分や家族、会社、そして病院。病院にあっては透析できる・できないもありますし、スタッフの存在もあります。

現在そして将来的に予想されるであろう状況について、総合的に判断していかなければなりません。

参考①:「透析と仕事は両立できる!人生の一大イベントのときが難しい!
参考②:「透析者の仕事上の相談ごと。上司・同僚への説明・理解から!

目次

「働き方改革」と仕事。影響はどこまで及ぶのか?

私は透析導入して6~7年経過した30代半ばの頃に、病院側での入・退室時間の変更があったために、当初の契約していた通院日の労働時間を変更したという経緯がありました。

きちんと「雇用契約書(労働契約)」も交わしましてから、10年弱の年月が経過しました。

会社からリストラを受けたり、自ら転職を希望しない限りにおいて、「就職活動に苦労した年代(=就職氷河期世代かつ内部障害を持ちながら仕事探してきた身)なので、絶対に辞めない!」という気概で、今日までずっと働き続けてきました。

会社では残業をすることはほぼ無く、勤怠関連はすべてサーバー(パソコン)管理されることになり、導入時は困りました。融通が利かないこともあって、入力・保存するのに時間がかかり、通院時間が遅れるときもあった位です。

タイムカードやエクセル管理といった変遷はありましたが、今ではすっかり慣れています。

「働き方改革」は、私のような会社員だけではありません。

病院側から説明を受けた内容、要点は以下の通りです。

①電子カルテでの運用(客観的な方法で透析時間等を把握)
②スタッフの残業を無くす、帰宅時間も決める(働き方改革として)
③②にあわせて、透析者の入室・穿刺時間、退出時間も早める
④透析スタッフ(看護師・准看護師さん)の確保に努める

①について

平成30年度の診療報酬改定において、血液透析の診療報酬(※)について「施設の規模や効率性等を踏まえた評価、報酬体系となるよう適正化」していくとされました。

※診療報酬とは

病院等での受診(診察や治療、入院、手術など)をすれば、医療保険から医療機関へ支払われる治療費のことを言います。透析の場合は回数や時間などの兼ね合いもあり高額です。透析でも「いかに支払われる治療費を抑制していくか」という名のもとで、適正化(報酬の引き下げ)を行ってきました。

なお、診療報酬の見直しは2年ごとに改定されます。

 

厚労省で出している診療報酬改定の概要のなかに、「透析1台当たりの患者数」というデーターがあります。簡単に言えば、「透析1台で何人の人をまわしているのか?」という、効率とか回転率といった話しです。

 

データーによると、最も多いのが「2人(60弱施設)」。
次いで「2.5人」「3人」「1.5人」と続きます。

透析装置と患者数の比率にばらつきがあって、これまで病院等の施設規模にかかわらずに「同一報酬」体系としてきたので、おかしいのでは?ということで、そこにメスを入れたわけです。

これにあわせて、これまでは紙カルテに回診や看護記録を行ってきたわけですが、透析装置とパソコンといったように、デジタル機械や器材とを連携させることで、客観的な方法で透析時間などをきちんと把握できるようにしたわけです。

スタッフの労働面でいえば、医師・看護師さんの負担軽減策というのもあります。

いずれにしても、透析室でのデジタル化は進んできていますから、ほかの透析病院でも同じように環境を整えていかなければならないのだろうと思います。

診療報酬では、ほかにも医療材料などの問題、新規透析者を増やさない施策などもありますが、触れないでおきます。

②~④について

病院も患者ファーストとはいえ、民間企業と同じく、スタッフさんの働き方自体を変えていく必要性があります。

(「管理監督者」という立場にある人は対象外です。とは言え、年次有給休暇の時期指定権(年5日の取得)や労働時間の把握義務、産業医との連携などは対象となります。)

私は今日までずっと夜間透析をしてきました。
看護師・臨床工学技士のスタッフさんは「今日は遅番だが翌日は早番」といったシフト上の不規則性があります。

また治療中に具合悪くなった、急患が入ってきたで、残業が発生することもあるでしょう。

帰りといえば深夜ですが、私たち透析者が帰ったあとなのです。
看護師・准看護師などスタッフ不足は一向に解消される様子が見られません。やるべきこと、求められることだけが増えているのだろうと思います。

傍からでしかスタッフの姿を見ることしかできませんが、日頃から業務の3M「無理」「無駄」「ムラ」って無いでしょうか?どこかにあるはずです。まずは3Mに着眼しないといけないと思いますね。

「働き方改革」と仕事。収入の確保が先決課題だ。

私は地方に住んでいますが、転職や再就職にしても厳しい年齢になりました。それだけ、年齢を重ねたのです。

就業時間を何とか確保したいと思いました。

ほかの転院するのにしても、透析でさえも重労働のように感じてきます。
体力の問題というものです。

会社近くの病院があって、「今すぐ」にでもベッドが空いていれば良いですが、そんな都合の良い話しはありません。付近住民や地元の透析者、先に転院希望していた透析者といったように優先順位があります。

夜間透析なら、最終電車まで公共交通機関が動いていれば良いのですが、天気次第で止まってしまったら・・・。駅から自宅へも少々遠い・・・。

現状、このような感じで自宅⇔会社⇔病院を往復するような透析をしている方もいるでしょう。

(車が必須で恐縮ですが、「(電車通勤で)翌日会社に行けますか?」と言われたら、自信はありません。

 

透析のために、また給料が減ることで「どこの病院がよいのか」「どのように現状キープ、収入を減らさずできるか」いろいろ模索してきました。

あれこれ考えるたびに、落ち込んでしまいました。

「年齢も重ね、体力も落ちていく」この先も。こればかしはどうしようも無いのですよね。

 

「働き方改革」の影響で、今のかかりつけ病院で引き続き通院したいほかは、「就業時間も給料も減ることになるが、致し方ない。透析を確実にするためにも入室・穿刺時間に合わせるようにしたい」ということにしました。

今後の課題は「どこで収入を確保していくのか?」を考えなければなりません。

土日でもバイト・パートをしてでも稼ぐのか、いろいろな手段・方法があると思います。

会社には、上述してきた病院の諸事情というのを伝え、さらなる時間短縮で勤務できるように、お願いしました。

まとめにかえて

「電子カルテ」の運用がはじまって数か月・・・。看護師さんの姿をみていました。

日々の看護や医薬の知識の勉強に、院内研修。それに加えて今回「透析版」の電子カルテの運用にあたり勉強と実践。

頭が下がります。

私のように仕事柄パソコンを使っていれば「ふつう」なことなのですが、更に覚えることがあって、大変苦労していました。紙から電子カルテですからね。

予定日とされる「電子カルテ」の運用日こそずれ込みましたが、特にトラブルもなく運用さているようで、安心しました。電子カルテの運用で、業務効率化こそ図られるのかなと思います。

あとは、「東日本大震災」を経験していますし、「令和元年台風19号」の影響もありました。

短絡的に言うと「電子カルテが使えなくなったときどうするのか?」

新たな問題や課題が出てきたということです。

このような緊急事態になったときの対応など、病院としての態勢についてマニュアルを策定していく、私たち透析者にも共有していく必要があります。

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