透析患者向けアプリを探した!入れたい厳選アプリ完全ガイド

2019年11月12日

透析患者向けアプリを探した!入れたい厳選アプリ完全ガイド
【PR】

更新日: 2026年7月31日

透析アプリはあるのか?

 

旅行透析(臨時透析)、そして近年多発する災害の状況を見ても、スマートフォンやタブレットの存在意義は本当に大きくなりました。

かつてはガラケーと呼ばれる携帯電話が主流でしたが、今のスマホはその情報量が比べ物にならないほど豊かです。

ふと「透析患者向けのアプリってあるのだろうか?」と疑問が沸いてきたので、実際に探してみました。血圧やドライウェイト管理、食事管理のアプリがあるかと期待していたのですが……現実は想像以上に厳しかったです。

透析患者向けのアプリとして開発した形跡はあるものの、開発・維持にかかるコストに対してユーザー数が限られているためか、更新が止まっているものが目立ちます。現在でも、残念ながらあまり変わっていません。

 

透析患者向けの専用アプリは2026年現在も少ない——これが正直な現実
・臨時透析・透析中の時間つぶし・災害・防災用のアプリは一通り入れておこう
・血圧アプリ×透析患者には「シャント」という重大な注意点がある
アプリは「自分に必要」「使いやすい」ものを選ぶのが正解

 

透析患者向けアプリを探してみた——正直な感想

透析に関わるアプリをいくつか探して感じたのは、一言で言えば”撃沈”です。ほとんど無いに等しい。

看護師さん向けや海外製のものは見つかりましたが、PC・スマートフォンのブラウザ版も含めて、透析患者が日常的に使えそうなアプリは数えるほどでした。もちろんターゲットが透析患者に限定されるため、市場規模が小さいのは仕方がないことでしょう。

「紙に書いて記録する」「エクセルやスプレッドシートで管理する」という従来のやり方のほうが、まだしっくり来ているという印象があります。

一方で明るい変化もあります。2024年以降、透析患者が自分のデータをスマホで確認できる「PHR(パーソナルヘルスレコード)サービス」が、一部の透析施設で本格的に導入されはじめました。病院のシステムと患者のスマホが連携する流れは、ゆっくりとですが確実に進んでいます。

なおアプリの性質上、ここでは紹介に留めています。良いアプリが見つかれば随時更新していきます。

透析患者が使える管理系アプリ・ツール一覧(2026年版)

アプリ名OS/形態用途備考
とうせきくんブラウザ検査データ管理。血圧や体重も記録可能。検査日データを入力して管理する。腎ラボにて会員登録要
カルテコブラウザ/アプリ透析前後の体重・血圧・透析条件(ダイアライザ名・ドライウェイト・血液流量・抗凝固剤など)をスマホでいつでも確認できるPHRサービス。2024年から透析患者向け機能が拡充。対応施設に通院していることが前提。災害時・旅行透析時の他施設受診にも役立つ。能登半島地震後に注目が高まった。
透析手帳Android災害時などかかりつけ病院での透析が困難になったときに使用。透析時間・透析後体重・ダイアライザー・内服薬等の治療条件を記録して他院に提示できる。北陸大学監修。Android向け。
透析管理iOSのみSpKt/V、BUN除去率、クリアペース率などを計算透析スタッフ・透析患者向け
栄養計算(ブラウザ版)ブラウザ日々の食事管理と栄養価計算(たんぱく質・エネルギーなど)ヘルシーネットワークナビにて登録要。慢性腎臓病治療者向けだが透析患者も参考にできる。
塩分とりすぎ計算機iOSのみ塩分管理(ナトリウム量を入力すれば塩分量に換算)。1日の摂取量の何%かを円グラフで表示。慢性腎臓病治療者・透析患者向け
日薬eお薬手帳iOS/Androidお薬管理(アレルギー・副作用歴なども)、既往歴等疾患に関する記録他院受診時に提示すると便利。日本薬剤師会監修で信頼性が高い。
EPARKお薬手帳iOS/Androidお薬管理&薬局予約透析患者は薬が変わっていくため、お薬事典として活用。災害などの非常時でもお薬データを閲覧可能。
腎臓ノートiOSのみeGFR(推算糸球体濾過量)数値・診察予定管理など鈴鹿回生病院・腎臓内科の村先生監修
DialysisDiaryiOSのみシャント・フットケア管理、合併症管理iPadのみダウンロード可。透析病院向け。

 

慢性腎臓病治療者向けのアプリも一部紹介しましたが、栄養計算・塩分とりすぎ計算機・EPARKお薬手帳は透析患者にとっても参考になります。日薬eお薬手帳は日本薬剤師会監修という点で信頼性が高く、ひとまず入れておいて損はないでしょう。

【重要】血圧アプリは透析患者に使えるのか?——シャント問題という現実

「血圧管理のアプリって、透析患者にも役立つの?」という疑問を持った方も多いと思います。ここは20年超透析を行っている私として、正直にお伝えしなければなりません。

結論から言うと——血圧アプリ自体は役立つが、透析患者には「シャント」という絶対に外せない注意点がある、ということです。

血圧計×シャント腕は禁止——これは常識です

血液透析の患者さんのほとんどは、腕に「シャント(動静脈瘻)」を持っています。シャントとは、透析に必要な大量の血液を確保するために動脈と静脈をつないだもので、透析患者にとっての”命綱”です。

このシャントのある腕には、血圧計のカフ(腕を締め付けるバンド)を巻いてはいけません。圧迫によって血流が止まり、シャントが閉塞するリスクがあるからです。これは透析医療の基本中の基本であり、全腎協(一般社団法人 全国腎臓病協議会)や各透析施設でも繰り返し指導されています。

具体的な禁止事項として、以下が挙げられます。

⚠️シャント側の腕で血圧測定をしない
⚠️シャント側の腕に腕時計・スマートウォッチをしない
⚠️シャント側の腕をサポーターや包帯などで締め付けない
⚠️シャント側の腕で重いものを持ったり、ぶら下げたりしない

 

スマートウォッチの血圧測定機能も、シャント腕には使えない

近年、HUAWEI WATCH D2(2025年2月国内発売)やオムロン HeartGuideなど、日本の管理医療機器認証を取得したカフ式の血圧測定スマートウォッチが登場し注目を集めています。またApple Watch(2025年モデル)にも「高血圧パターンの通知」機能が追加されました。

しかし透析患者がこれらのスマートウォッチを使う場合、シャントのない側の腕(または手首)に装着する必要があります。

さらに、スマートウォッチ型の血圧計は参考値であり、医療用の上腕式血圧計に比べて精度に差があります。管理医療機器認証を取得したカフ式モデル(HUAWEI WATCH D2、オムロン HeartGuide など)は精度が高いとされていますが、光学式(PPGセンサー)のモデルは推定値に過ぎず、治療判断には使えません。

透析患者の血圧管理は、医療的に非常に重要です。自己判断でアプリや機器の数値だけを信じるのは危険です。必ずかかりつけの透析病院での測定値を基準にしてください。

血圧アプリとしておすすめできるもの

上腕式血圧計(シャントのない側の腕で使用)と連携する形であれば、血圧アプリは透析患者にとっても有用です。特に以下が実用的です。

アプリ名特徴
OMRON connect(オムロンコネクト)
iOS/Android・無料
オムロンの通信機能付き血圧計と連携し、測定値をBluetoothで自動転送。グラフ化・カレンダー管理・「らくらく血圧手帳(PDF)」の出力まで可能。診察時に医師へ見せやすい形で記録を管理できる点が実用的。「血圧お知らせ定期便」で家族への共有も可能。
Apple ヘルスケア(iPhone標準)
iOS・無料
OMRON connectや各種血圧計アプリと連携して血圧データを一元管理できる。iPhoneユーザーなら別途アプリを入れなくても利用可能。

 

重要なのは「記録する習慣をつける」こと。透析患者は透析前後で血圧が大きく変動します。朝・夜の家庭血圧を記録し続けることで、主治医との対話が深まり、透析条件の最適化にもつながります。アプリはその「記録の継続」を助けるツールとして使うのが正解です。

臨時透析(旅行透析)に役立つアプリを入れてみよう

透析中・旅行透析の時間を充実させるアプリ

基本的には「無料」のものにこだわっています。

『TVer(ティーバー)』『ABEMA』——透析中にドラマやバラエティを楽しむ

TVerは民放各局の見逃し配信が無料で楽しめます。大概1週間程度まで視聴でき、まとめて観るのに最適です。ABEMAはニュース・アニメ・スポーツなど独自コンテンツも豊富で、無料でも十分楽しめます。

なお最近のAmazon Prime Videoは一部コンテンツに広告が挿入される仕様となっており、透析中に静かに楽しみたい方には少々ストレスになっている現状があります。私個人的には、広告除去のための追加課金はおすすめしません。TVerやABEMAで十分に代替できます。

 

『radiko(ラジコ)』『NHKらじる★らじる』——透析中にラジオを楽しむ

居住地域だけでなく、全国のラジオを楽しめるのが最大の魅力です。テレビではなかなか見かけなくなった有名人がMCを担当していることも多く、透析中のいい時間つぶしになります。ただしスマホの電池消耗が激しくなりますので、モバイルバッテリーは必携です。

 

『SmartNews』『NewsDigest』『Yahoo!』——ニュースをチェックする

SmartNewsはカテゴリーが選べるうえクーポンも配信しているので、旅行透析のちょっとしたお出かけのときにも使えます。NewsDigestは国内の大型地震(M6以上)速報・災害速報・気象警報情報がリアルタイムで届く点が優秀で、透析患者として災害情報を早めにキャッチしたい方に特にすすめます。Yahoo!アプリは「天気・災害」「路線情報」「地図」「カーナビ」と総合的に使えます。

 

『YouTube』『ナンプレ』『ソリティア』——定番の時間つぶし

YouTubeは院内のWi-Fi環境がなければ通信料がかさむのがネック。院内でWi-Fiが使えるかは事前に確認しておきましょう。ゲームは通信不要で楽しめる「ナンプレ(数独)」「ソリティア」「Microsoft Solitaire Collection」がおすすめです。

 

参照:「【旅行・出張先で臨時透析】病院を探す方法・段取り教えます!」(旅行透析の実際の段取りはこちらで詳しく解説しています)

災害時に透析患者が入れておくべきアプリ

災害が起きたとき、透析患者にとって最初に必要なのは「病院は今どういう状況か」「透析できるか否か」という情報収集です。また日本透析医会のホームページや透析メール(メーリングリストによる連絡)を確認できると心強いです。

「どんなアプリを入れれば安心できますか?」——正解はありません。あなたにとって必要で、使いやすいものが正解です。ただ以下のアプリを入れておく習慣は、透析患者として最低限の備えになると考えます。

透析患者が入れておきたい防災・災害アプリ

アプリ名特徴・使い方
防災速報
Yahoo!防災速報
地震・津波・豪雨など災害情報をいち早くプッシュ通知。事前に自宅・病院の地点登録をしておくと、その地点の警戒レベル情報も届く。まず入れておくべき防災アプリの筆頭。

NHKニュース・防災
正確性ではNHKが最も信頼できます。避難指示・警戒レベルの正式情報を確認するのに最適。ニュース・天気・災害情報を幅広くカバー。
防災情報_全国避難所ガイド
防災情報 全国避難所ガイド
現在地から最も近い避難所を検索してルート案内。事前にハザードマップも確認しておこう!透析患者は「避難所から透析病院までの距離」もあわせて確認しておくとなお安心。
災害アプリradiko
radiko.jp(ラジコ)
携帯ラジオが理想だが、スマートフォンで代替するならこれ。停電時など手元が使えない場面でも耳から情報を継続してキャッチできる。
災害アプリgoo防災
goo防災アプリ
防災・災害情報提供に特化。気象・地震・津波など幅広い災害情報に対応。
防災ログ
防災ログ(iOS向け)
賞味期限管理のリミッター(Android向け)
防災グッズの管理・賞味期限チェックに。必要な防災グッズは災害が起きてからでは間に合いません。事前に揃えておく習慣づくりに活用を。
キキクル(気象庁公式・ブラウザ版)土砂・浸水・洪水の危険度を地図で色分け表示する気象庁の公式ツール。アプリではなくブラウザからアクセスするが、スマホにブックマーク登録しておけば即座に確認可能。警戒レベルの根拠となる情報源として最重要。

 

参照:「【透析患者の災害対策とは?】自宅・会社で起きたら!備えは!」(地震・停電など災害全般の備えはこちら)
参照:「【透析患者の災害対策】豪雨・台風多発。氾濫や洪水の水害への備えも!」(豪雨・台風に特化した備えはこちら)

病院のデジタル化と透析患者のスマホ活用——これからの話

この度、かかりつけ病院でカルテがデジタル化されました。透析開始から終わりまで、ほぼすべてがデジタル管理されることになったのです。巡回時にもパソコンやiPadが使われています。

どこのシステムを使っているかは分かりませんが、いずれ私たち透析患者が使っているスマートフォンとも連動する日が来るのではないか——そう感じています。前述の「カルテコ」のような動きはまさにその入口です。たとえば朝・夜の血圧データが、測定すれば自動的に病院のシステムへ送られていくような未来も、そう遠くはないはずです。

私は「東日本大震災」や「令和元年東日本台風(台風19号)」を経験しています。病院がデジタル化した場合、災害時に情報システムが使えなくなるとどうなるのか——これは新たな医療機関の危機管理問題でもあります。この点はこれから病院側でも医師・スタッフ間で議論・整備されていくことでしょう。今は、透析患者として、その動向を見守りながら、自分でできる備えを着実に進めていきたいと思っています。

【補足】腹膜透析の患者さんに朗報——MyPD・テルモPDマイケアが登場

ここまで主に血液透析(週3回通院する透析)の患者向けの情報を中心にお伝えしてきましたが、腹膜透析(おうち透析・在宅透析)の患者さんにとっては、2023〜2024年にかけてうれしい動きがありました。

バクスター(現Vantive)が2023年12月より提供を開始した「MyPD」は、腹膜透析患者がスマートフォンやタブレットから毎日の治療データを入力すると、セキュリティ管理されたシステム「シェアソース」を通じて主治医がリモートで確認・処方変更できるというアプリです。これまでAPD(自動腹膜透析)の患者しか利用できなかったリモートモニタリングが、CAPD(手動で行う腹膜透析)の患者にも広がりました。

またテルモも「テルモPDマイケア」という腹膜透析管理アプリをリリースしており、腹膜透析の医療DX化は着実に進んでいます。

血液透析の患者向けにはまだまだ専用アプリが少ない一方で、在宅療養が基本の腹膜透析は「アプリと相性が良い」という側面もあるのでしょう。血液透析患者としては、正直うらやましいと感じています。

ただ、腹膜透析向けのこれらアプリは対応施設・担当医師を通じて利用するものであり、患者が個人的にApp StoreやGoogle Playからダウンロードして使えるものではない点に注意が必要です。興味のある方はかかりつけ医に相談してみてください。

まとめ:「コレ!」という透析アプリは正直まだない——でも備えはできる

現状では「正直、コレ!」といった透析専用アプリはないというのが本音です。

しかし逆に言えば、臨時透析・透析中の過ごし方・防災・災害対策といった目的に絞ってアプリを選んでいけば、スマホは透析患者の強力な味方になります。

目的別おすすめアプリ まとめ表

目的おすすめアプリ・ツール
透析記録・データ管理とうせきくん(ブラウザ)、透析手帳(Android)、カルテコ(対応施設に通院の方)
血圧記録・管理OMRON connect(シャントのない側の腕での測定が前提)、Apple ヘルスケア(iPhone標準)
食事・薬の管理塩分とりすぎ計算機、日薬eお薬手帳、EPARKお薬手帳
透析中の時間つぶしTVer、ABEMA、radiko、YouTube、ナンプレ
旅行透析・移動時の情報収集SmartNews、Yahoo!(カーナビ・地図・路線)、NewsDigest
災害・防災情報の収集Yahoo!防災速報、NHKニュース・防災、キキクル(ブックマーク)、radiko、防災情報 全国避難所ガイド

 

アプリを入れたからといって安心しきるのは禁物です。スマホが壊れたり電池が切れたりすることもあります。携帯ラジオや紙のメモ(病院の連絡先・透析手帳)も合わせて準備しておくことが、透析患者としての現実的な備えになります。

良いアプリが見つかり次第、この記事は随時更新していきます。

 

参照:「【透析患者の災害対策とは?】自宅・会社で起きたら!備えは!
参照:「【透析患者の災害対策】豪雨・台風多発。氾濫や洪水の水害への備えも!