透析者の食事/ペットボトルは【軟水】を選んで!硬水は危険です

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ペットボトル水は【軟水】選んで

 

今回は透析者の食事療法のうち、水分摂取の制限に関連するものとして「透析者のペットボトル水の選び方や飲み方」について取り上げています。

水分といっても水はもとより、お茶、コーヒー、紅茶、味噌汁・・・いろいろとあるのですが、ペットボトル水でも「ミネラルウォーター」についてです。

 

・水分制限あっても、どうせなら美味しいミネラルウオーターを飲もう
・ミネラルウオーターは【軟水】を選ぼう
・軟水は口当たりが軽い、まろやか、さっぱりとした味わいといった日本人向け
・最近は地震や台風が大規模化。防災備蓄用としても超長期保存可能な【軟水】を 
・ミネラルウォーター【硬水】が危険なのを知っておこう
・水分摂取の制限・水分補給にドライウエイト(DW)管理も大事! 
目次

透析者のペットボトル水を購入する目的は?

ミネラルウォーターはもっともお店や自販機、ネットでも単品でもまとめ買いでも、お手軽に購入できるようになりました。

お茶と同様に、水の購入に抵抗感のあった時代から瞬く間に普及しました。今や自分の好きなもの、ブランドで買う時代です!

 

透析者も一消費者である以上、「自分に合ったミネラルウォーターって何?」「どうせ水を摂るなら安くて良質な水が欲しい!」など、ミネラルウォーターの購入、飲み方には健康な人と同じく、共通に関心事であったり、健康維持したいといった思いがあると思うのです。

 

・生活のなかでのふだん買いで購入
・ミネラル分豊富な水が欲しい!
・旅行や出張先で飲める飲用水として
・大きな災害や断水の際の備蓄(飲用水としての確保)・・・。

 

いろいろあるでしょう。

私もそうですが透析者にはさらに、

 

「水分の摂取制限もある。」
「1日で飲める水分量もほぼ決まっているから同じ水を飲むのなら水道水だけではない。」
「一層美味しい、栄養のあるミネラルウォーターを飲みたい!」


とそう思い、ミネラルウォーターを選ぶと思うのです。

 

ただ、透析者はペットボトル水のミネラルウォーターの選び方、飲み方には注意が必要です。

ポイントは

「透析者のペットボトル水は軟水を選んで、硬水は避けましょう」ということです。

加えて、

「1日あたりの飲む量を設ける」という事。

 

なぜ、ミネラルウォーターの選び方に注意しなければならないのでしょうか?

ミネラルウォーターの定義を確認しよう!

「クリスタルガイザー」「エビアン」「六甲のおいしい水」・・・、ミネラルウォーターには様々なブランドがありますね。

透析者のなかにも「無意識」に、自分の好きな口当たり、飲みやすさ、ブランド名、ミネラル含有量などから飲み比べて購入し、飲用しているのではないかと思います。

 

そもそもミネラルウォーターとは何でしょう?定義があります、確認していきます。

ミネラルウォーターとは

私たちが飲んでいるミネラルウォーターは、農林水産省の「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」に定められていて、市場で流通しています。

このミネラルウォーターは4種類に分けることができます。

 

「ナチュラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ボトルウオーター」です。

①ミネラルウォーター・・・
複数の原水をブレンドしていたりミネラルを添加していたり、過熱殺菌以外の殺菌方法を使っていたりする水のこと。

 

②ナチュラルミネラルウォーター・・・
ナチュラルウォーターのなかで、自然状態のミネラルが溶け込んでおり加熱処理を行っていないもの。

 

③ナチュラルウォーター・・・
特定の水源から採水された地下水で濾過・沈殿・過熱で殺菌のみで処理しているもの。

 

④ボトルウオーター・・・
上記3ウオーター以外のもので、食品衛生法に基づき殺菌処理がなされた水。
例:水道水・蒸留水・純水(スーパーで水生成の機械が設置されており専用の容器を購入すれば、水を持って帰れる)・RO水(ROシステム(逆浸透膜)によって作られた水)。

 

【引用】 ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン|農林水産省
     をもとに加筆

軟水と硬水との違い

ミネラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターは、「ミネラル」が文字中ある通り、カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)などといったミネラルが含まれています。

 

このミネラルの含有量によって、口当たりや飲みやすさなどを決める「軟水」と「硬水」に分けることができます

 

日本人が長年慣れ親しんできたのは「軟水」のほうです。



特徴としては、お茶や粉ミルクに最適であり、口当たりが軽い、まろやか、さっぱりとした味わいがします。

「軟水」か「硬水」どうかについては、具体的な数値というのがあって、WHO(世界保健機関)が以下のように分類しています。

 

「硬度120mg/L」を基準として、硬度が120mg/Lを超えるのが「硬水(硬そうな水)」、硬度が120mg/L未満は「軟水(柔らかな水)」としています。

 

・軟水⇒0~60mg未満/L
・中程度の軟水(中硬水)⇒60~120mg未満/L
・硬水⇒120~180mg未満/L
・非常な硬水⇒180mg以上/L

私たちがミネラルウォーターを購入する際、このような数値をふだん意識することはありませんが、「硬度」を出す計算式がありますので紹介しておきまよう。

 

以下のように求めることができます。

硬度の計算式={カルシウム(mg/L)×2.5}+{マグネシウム(mg/L)×4.1}

 

和式になっていますが、簡単にまとめると、

ミネラルであるカルシウム(Ca)値やマグネシウム(Mg)の値が高くなればなるほど「硬水」に近づくわけです。

引用
Hardness in Drinking-water|WHO
硬度とはどのような概念なのですか。|日本ミネラルウォーター協会

軟水と硬水の特徴

では、「軟水」「硬水」の特徴を見ていきます。

◆軟水


・ほとんど味がしない(無味無臭)

・栄養的には成分がない
・日本人の持つ水のイメージ(口当たりが軽い、まろやか、さっぱりとした味わい)

・お茶の味が挽き出せる
・赤ちゃんの粉ミルクに最適
・日本の水道水は軟水
・吸収されやすい
・クリスタルガイザーや六甲のおいしい水、ボルヴィックは硬度100以下。

【参考:ネラルウォーターの成分表】
ブランド【軟水or硬水】
⇒Na(ナトリウム)/Ca(カルシウム)/Mg(マグネシウム)の順で表示。

 

・クリスタルガイザー【軟水】
⇒1.13mg/L 0.64mg/L 0.54mg/L

・六甲のおいしい水【軟水】
⇒2.95mg/L 0.65mg/L 0.37mg/L

 

・南アルプス天然水【軟水】
⇒0.4~1.0mg/L 0.6~1.5mg/L 0.1~0.3mg/L

・ボルヴィック【中程度の軟水(中硬水)】
⇒1.16mg/L 1.15mg/L 0.8mg/L

 

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◆硬水

・ミネラルが豊富(具体的には、カルシウム、マンガン、コバルト、塩素、銅、亜鉛、マグネシウム、ナトリウムなど・・・)



⇒少し癖があり、人によっては飲みづらいと感じる(「重い」「口当たりが重い」「苦み」「どっしりとしている」)
⇒運動やダイエット時のミネラル補給に適している
⇒胃腸に負担をかけることも
⇒大量に飲んだり、一気に飲むとお腹を下す場合も

・珈琲の味が挽き出せる
・煮込み料理、パスタの茹でに適している。

・輸入ミネラルウォーターに多い(エビアン、ヴィッテルなど、100~300)

・コントレックスのような硬度1000を超える水、硬水(非常な硬水)はなるべく飲まないほうがよい



⇒透析者は、日々ドライウエイト(DW)の調整をしているので、ダイエット目的に!というのにはそもそも適しません。

⇒硬水中でも「非常な硬水」であり、強力なカルシウム(Ca)含有量が特徴で、飲み続ければ二次性副甲状腺機能亢進症の影響が出てくるでしょう。

 

【参考:ミネラルウォーターの成分表】

ブランド【軟水or硬水】
⇒Na(ナトリウム)/Ca(カルシウム)/Mg(マグネシウム)の順で表示。

・エビアン【硬水】
⇒0.7mg/8.0mg/2.6mg
・コントレックス【硬水(非常な硬水)】
⇒0.94mg/46.8mg/7.45mg

最近は東日本大震災や熊本地震、大阪府北部地震・西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)などの災害が頻発しています。

そのためにも、

防災備蓄用としても、超長期保存可能なミネラルウオーター【軟水】が必要だと言えます。
500ml*24本入りは、ふだん持ちにも最適なのでおすすめです。

参照:「【透析者の災害対策】豪雨・台風多発中。氾濫や洪水の大水害も!
参照:「【透析者の災害対策とは?】自宅・会社で起きたら!備えは!

 

【要注意!】透析者にミネラルウォーター【硬水】が危険なわけ

透析者のなかには「水自体、安全性さえ担保されていれば良い!」「軟水でも硬水でもどちらでも良い!」という風に、安易にミネラルウォーターを選んでしまい、飲んでしまっている方がいるかもしれません。

でも、これは要注意です!

 

ミネラルウォーターでも「硬水」のほうを選び、飲む・飲み続けることは避けるべきです。

 

ミネラルウォーター(硬水)の特徴は、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)などといった主ミネラルが豊富というのは述べた通りです。

 

(ここではあまり小難しくは書きませんが、)

主ミラネルは、透析者にとって、ふだんの食事においてもその摂取量に気をつけていかなければならないものです。

 

確かに日本人は、欧米と同じように肉食化してきて海藻類を食べなくなったと久しく言われていてミネラル不足に陥っているのは事実です。

 

そこで透析者が健康な人と同じように、「ミラネル補給のために」「健康のために」「ダイエットのために」という感覚で、主ミラネルの豊富なミネラルウォーター(硬水)を摂ってしまうことで問題が起きてしまいます。

(分からないわけではありませんが、)ミネラルウォーター(硬水)を摂ってしまうこと自体が危険なのであり、むしろ回避すべきです。

 

なぜ危険であり、回避すべきなのでしょうか?

まず尿が出ないので、体内に過剰な水分や老廃物だけが溜まっていきます。

 

摂った主ミネラルはだんだん体内に溜まっていきます。透析をしなければ、ただ溜まっていくだけです。

つまり、健康な人が陥るような「ミネラル不足」ということはなくほとんどなく、むしろ過剰な状態になっていくだけです。

 

主ミラネルが体内に蓄積し、過剰な状態になっていけば、後々になって身体になんらかの影響が出てきます。

 

例えばカルシウム(Ca)であれば、慢性腎臓病の人、透析導入前でも尿路結石になる可能性がありました。透析時には二次性副甲状腺機能亢進症の影響による「高カルシウム血症」などが出てきます。

ナトリウム(Na)やカリウム(K)であれば、「不整脈」や「動脈硬化」などを引き起こしてしまいます(詳細は「透析による慢性合併症」を参照)。

 

このように透析者にとってミネラルウォーター(硬水)を摂ることは、身体にとって良くないわけで、危険であると言えます。

 

ですので、ミネラルウォーターは「軟水」のほうを選びつつ、摂取量に注意しながら水分補給をしていったほうがよいわけです。

◇まとめにかえて

Q:透析者も国内・海外のペットボトルの水をふつうに購入、飲用はできますか?

A:ミネラルウォーターの選び方、飲み方にも十分に気を付けてください。


ペットボトル水選びには【軟水】を選んでください!硬水は避けましょう。

 

⇒ペットボトル水【軟水】:クリスタルガイザーや六甲のおいしい水、南アルプス天然水ボルヴィックなど。
⇒ちなみに日本の水道水は(軟水)です。

 

最後に、

水分摂取の制限・水分補給にあたって日々のドライウエイト(DW)の管理が大事ですので、水分補給の仕方にも工夫をしましょう。

 

《工夫のしかた》

・ペットボトルや目盛りつきのコップで、自分で飲んだ量がわかるように工夫する。
例):ペットボトル350ml×2=700mlで、約1日分飲める水分量

・9時、お昼、15時・・・といったように時間を決めて飲む。

 

・自分のドライウエイト(DW)からみた3%~5%の範囲を予め把握しておき、そのなかで水分の飲める量を計算しておく。

(事例):体重60kg×1.03~1.05=61.8~63Kgの範囲内※で

(※)注:食事を含む1.8~3Kgの範囲内で、1日で飲める水分量も考慮のこと。
⇒例えば体重60kgの人なら、ドライウエイト(DW)+1.8Kg~3.0Kgまでとなります。

 

参照:「ドライウエイトって何?ズバリ「透析後の基礎体重」のこと。

 

 

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なお、Amazonや楽天などではペットボトル水、ミネラルウォーターが販売されています。1セットとか、まとめ買いのほうが圧倒的に安いです。重い物を運ぶのは大変ですし、何せシャントの保護が大事ですし・・・。

 

ほかにもペットボトル・缶がぴったり入るステンレスポット、保冷缶ホルダーが販売されています。常温のほうが身体には良いとも言われていますが、夏場などは冷え冷えのペットボトル水、ミネラルウォーターこだわりたいですね(笑)

 

参照:「小さい水筒・120mlのものが爆発的大ヒット!【透析者に朗報】

 

(追記:)

最近では炭酸水がすっかりと定着化しました。但し、ペットボトルの裏面をよく読んでくださいね!

 

フレーバー入りの炭酸水がそうなのですが、酸味料として食品添加物である「リン酸塩」などが入っているものがあります。ごくわずかなのかもしれませんが、購入の際は注意してくださいね!(表示:原材料名:リン酸K、リン酸Na)。

今回はペットボトル水、ミネラルウォーターを取り上げました。
今後はお茶や珈琲などについても取り上げていきますね。

 

参照:「透析者はお茶のカリウム量を把握しよう。玉露・抹茶は高すぎ!

参照:「【透析者の災害対策】豪雨・台風多発中。氾濫や洪水の大水害も!
参照:「【透析者の災害対策とは?】自宅・会社で起きたら!備えは!

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