透析中の透析低血圧、ツラいですよね。私はもともと血圧が低いほうで、特に透析導入当初は毎回のように血圧が下がって、冷や汗ダラダラ、目の前が真っ暗になるような感覚に悩まされました。「またか…」と透析が憂鬱になる気持ち、本当によく分かります。
なぜ透析で血圧が下がってしまうのか、その原因を知るだけでも、少し不安が和らぐかもしれません。この記事では、私自身の経験も踏まえながら、透析低血圧の原因とその対処法について、できるだけ分かりやすくお伝えします。一緒にこの悩みを乗り越えていきましょう!
なぜ透析中に血圧が下がるの? 体の中で起こっていること
透析中に血圧が下がる、いわゆる透析低血圧。これ、本当にイヤな症状ですよね。なんでこんなことが起きるのか、まずはその仕組み、つまり原因を、私なりにかみ砕いて説明してみたいと思います。専門的な話は少しだけにして、できるだけイメージしやすいように話しますよ!
水分と血液量のバランスが崩れるってどういうこと?
「水分と血液量のバランスが崩れる!?」これが一番大きな原因と言われています。透析って、体に溜まった余分な水分や老廃物を血液から取り除く治療です。短時間で、ググっと水分を抜くわけです。体から水分が減るということは、血管の中を流れる血液の全体量も減る、ということです。
想像してみてください。パンパンに水が入ったホースから、急に水を抜いたらどうなりますか? ホースの中の水の勢い(水圧)は弱くなりますよね。それと同じようなことが、私たちの血管の中でも起こっているんです。血液量が急に減ることで、血管の壁にかかる圧力、つまり血圧が下がってしまう。これが基本的なメカニズムです。特に、体の水分調整能力が落ちている私たち透析患者にとっては、この急激な変化に対応するのが難しいんですね。
「じゃあ、ゆっくり抜けばいいじゃん」って思うかもしれませんが、4~5時間という透析時間には限りがありますし、体に溜まった水分をしっかり抜かないと、今度は心臓に負担がかかったり、むくみの原因になったりする。まあ、このバランスが本当に難しい!毎回「今日の除水量はどれくらいかな…」って、ちょっとドキドキしますよね。
「ほぉ~、透析膜との相性?」 アレルギーみたいな反応も
次はあまり知られていないかもしれませんが、透析に使うダイアライザー(透析膜)と血液の相性、みたいなものも原因になることがあるようです。血液が人工の膜に触れることで、体の中でちょっとした炎症反応のようなものが起きたり、血管を広げる物質が出たりすることがあるらしいんですね。
血管が広がると、血液が流れるスペースが広くなるわけですから、結果的に血圧は下がります。風船を大きく膨らませると、中の空気の圧力が下がるイメージでしょうか。全員に起こるわけではないですが、特定のダイアライザーを使うと血圧が下がりやすい、という人もいるみたいです。
もし、ダイアライザーを変更してから低血圧が頻繁に起こるようになった、なんてことがあれば、スタッフさんに相談してみるのもいいかもしれません。「この膜、なんか合わない気がするんですけど…」って。言い出しにくいかもしれないけど、これも大事なことです!
自律神経の働きがちょっと追いつかない?
私たちの体って、血圧を一定に保つために自律神経っていうシステムが頑張ってくれています。例えば、急に立ち上がった時に”クラっ”としないのは、自律神経が素早く血管をキュッと締め付けて、血圧が下がりすぎるのを防いでくれるからです。
でも、透析中は短時間で水分が抜かれて血液量が減っていく。この急激な変化に対して、自律神経の調整が追いつかなくなることがあるのです。特に、糖尿病が原因で透析になった方や、ご高齢の方は、この自律神経の働きが少し弱くなっている場合があると言われています。血管を締め付ける反応が鈍くなると、血液量が減った時に血圧を維持できず、ストンと下がってしまう。これも透析低血圧の原因の一つと考えられています。
私自身はもともと血圧が低いと言いつつも、やっぱり年月、年齢とともに透析中の血圧の変動が大きくなってきたような気もしています。これも自律神経の働きと関係があるのかなあ、なんて思ったりもしますね。
透析低血圧、こんな時になりやすい! 私の体験談
透析低血圧が起きる原因はいくつかあるって話しました。では、具体的にどんな時に起こりやすいのか? これ、結構個人差もあるんですが、私の20年超の経験から「こういう時、危ないな」と感じるパターンをいくつかお話しします。私なりにこれでも2度ほどは大変な目にあってます。あなたにとっても「あるある!」が見つかるかもしれません。
ドライウェイトの設定、本当に合ってる?
ドライウェイト(DW)、つまり透析後の目標体重ですね。これが透析低血圧の大きなカギを握っています。医師・看護師さんから日々言われるのも、調整したほうが良いんじゃないといわれるのも、このドライウェイトですよね。
ドライウェイトが実際の体の「ちょうどいい水分量」よりも低く設定されすぎていると、毎回、必要以上に水分を抜くことになります。当然、血液量が減りすぎて血圧は下がりやすくなります。
「え、ドライウェイトって病院が決めるものでしょ?」って思うかもしれませんが、私たちの体調は日々変化します。夏場で汗をたくさんかいた後とか、逆にあまり動かなくて水分が溜まり気味の時とか。筋肉量が変わったり、食事内容が変わったりしても、適切なドライウェイトは変動するはずなんです。
(はっきり言って、ここ数年の夏の暑さ変わってしまいましたね。)
私も昔、ドライウェイトが合っていなかった時期があって、透析のたびに血圧が下がって本当にしんどかった経験があります。「毎回こんなに下がるのはおかしいな」と思って、先生や看護師さんに相談したら、「少しドライウェイトを見直してみましょうか」ということになって。そしたら、だいぶ楽になったんです。
だから、「最近、低血圧が続くんだよな…」と感じたら、ドライウェイト設定が今の自分に合っているか、一度スタッフさんに相談してみることを強くお勧めします。「ちょっと体重増やしてみませんか?」とか「心胸比を見て調整しましょう」とか、色々提案してくれるはずです。遠慮はいらないですよ、自分の体ですから!
ちなみに、最近のことですが異常気象の影響のせいか、「暑い」「寒い」期間が長すぎませんか!?ドライウェイト設定の時期が微妙にズレてきていることを感じています。
参照:ドライウエイトって何?ズバリ【透析後の基礎体重】のこと
参照:ドライウエイトがあわない?こんな症状・兆候あるなら見直しを!
食事のタイミングや内容も影響する?「あるある」話
「食事のタイミングや内容も影響する?」これも意外と見落としがちなんですけど、透析前の食事も影響することがあります。特に、透析直前にガッツリ食事をとると、消化のために血液が胃腸に集まってしまうんですね。そうすると、他の部分、特に脳への血流が少し減ってしまって、血圧が下がりやすくなることがあります。
かといって、空腹で透析を受けるのも、それはそれで血糖値が下がりすぎてフラフラしたり、気分が悪くなったりすることもあるからこれまた難しい…。
私は夜間透析していますが、入室して1~2時間前後もすれば間食は摂ります。こっそりアメを舐めたり(糖分補給!)、申請はしますけど、菓子パンや軽いお菓子をつまんだりすることもあります。もちろん、水分制限やカリウム・リン制限は守りつつ、ですけども。
これは私の個人的な感覚ですけど、炭水化物中心の食事をドカ食いした後は、なんとなく血圧が不安定になりやすいような気がします。気のせいかな? でも、バランスの取れた食事を心がけるのは、低血圧対策だけでなく、透析生活全体にとって大切ですよね。
その日の体調、メンタルも無視できないんです
「今日はなんだか体がだるいな」「寝不足だな」「ちょっと風邪気味かも」…こういう体調がすぐれない日は、やっぱり血圧も不安定になりやすいです。体が弱っていると、透析という負荷に耐える力が落ちているんでしょうね。
それから、メンタル面。これも結構大きいと感じています。仕事ですごくストレスが溜まった日とか、何か心配事がある時とか、そういう精神的な負荷がかかっている時も、なぜか血圧が下がりやすい気がします。自律神経って、ストレスの影響をすごく受けやすいです。
だから、「今日はちょっと調子悪いかも」と感じたら、透析前にスタッフさんに一言伝えておくのがおすすめです。「今日はちょっと体調が…」「寝不足気味で…」みたいに。そうすれば、スタッフさんもいつも以上に注意して見てくれますし、場合によっては除水ペースを少し緩めてくれたり、早めに対処してくれたりすることもあります。我慢しないで、自分の状態を伝えること。これも大事な自己管理の一つだと思います。
ツラい低血圧を少しでも楽にするために 私が試してきたこと
透析低血圧の原因が分かっても、実際に症状が出るとツラいものはツラい。「じゃあ、どうすれば少しでも楽になるのか?」 私がこれまでの長い透析生活の中で試してきたこと、効果があったと感じていることをいくつかご紹介します。もちろん、これが全ての人に当てはまるわけではないですが、何かヒントになれば!の視点でお願いします。
まずはスタッフに相談! コミュニケーションが第一歩
何度も言いますが、これが一番大事! 透析中に血圧が下がってツラい時、我慢しないで、すぐにナースコールを押してスタッフさんに伝えましょう。「ちょっと気分が悪いです」「血圧下がってる感じがします」って。
医師・看護士さんら医療従事者はプロです!血圧を測ってくれたり、ベッドの足側を少し上げてくれたり(足を高くすると、心臓に血液が戻りやすくなるんです)、生理食塩水などを少し補充して血液量を増やしてくれたり、除水ペースを調整してくれたり…と、状況に応じた適切な対応をしてくれます。早めに対処すれば、ひどい症状になる前に回復することも多いです。
それに、普段から「私は血圧が下がりやすいんです」とか「こういう時に下がりやすいみたいです」みたいに、自分の体の特徴を伝えておくことも大切です。さっき話したドライウェイトの相談もそうですが、日頃からのコミュニケーションが、いざという時の安心につながります。「またか、って思われないかな…」なんて心配は無用ですよ。スタッフさんは、私たちが安全に透析を受けられるように、常に気を配ってくれていますから。
参照:透析スタッフの役割とは┃コミュニケーションはとても大事!
日常生活でできること 食事・水分管理の工夫
透析と透析の間の期間(中一日とか中二日)の過ごし方も、透析低血圧の予防に関係してきます。特に大事なのが、体重管理、つまり水分管理です。
体重が増えすぎると、その分、透析でたくさん水分を抜かなければならなくなります。一度に抜く水分量が多ければ多いほど、血圧が下がるリスクは高まります。だから、日頃から塩分を控えて、水分の摂りすぎに注意することが基本中の基本です。
これが「言うは易し、行うは難し」なんですけどね…。「喉渇いたー!」ってなるし、美味しいものは塩分高めだったりするし。私も年齢を重ねて若いころほど食は落ちたとは言いつつも、たまに飲み過ぎたり、食べ過ぎたりしちゃうことあります。
でも、体重が増えすぎた次の透析はやっぱりしんどいことが多い。しんどいこととわかっているから、ある種自制は効くんですけどね。だから、「体重計に毎日乗ってチェックする」「塩分控えめのレシピを試してみる」とか、自分なりに無理なく続けられる工夫を見つけるようにはしているのですけども。最近は減塩の調味料とか、美味しい宅配弁当とかも色々出てきていますよ!
あ、さっき自制なんて言いましたが、「しっかり食べることは大事」ですよ。栄養不足も低血圧の原因になることがあるみたいなので。特にタンパク質はしっかり摂るようにと言われますよ。この辺のバランス感覚が、透析患者の腕の見せ所、っていうか、永遠の課題みたいなものかもしれません(笑)。
透析中の過ごし方 ちょっとしたコツで変わるかも
透析中の4~5時間前後は「ただ寝ているだけ」という人も多いかもしれません。過ごし方は人それぞれなので一概に言えませんが、ちょっとした工夫で低血圧を防げるよ、っていう話しです。
例えば、透析の後半、除水が進んできたタイミングで、ベッドの足側を少し上げてもらう。これはスタッフさんにお願いすればやってもらえます。さっきも言いましたが、足を高くすることで心臓に血液が戻りやすくなり、血圧の低下を防ぐ効果が期待できます。
あとは、急に起き上がらないこと。透析終了間際に血圧が下がる人もいます。透析が終わって針を抜いてもらったら、すぐに起き上がらずに、少しベッドで休んでからゆっくり起き上がるようにすると、立ちくらみを防げます。(私はこの傾向あり。)
それから、体を冷やさないこと。体が冷えると血管が収縮して血圧が上がりそうなイメージがありますが、逆に血行が悪くなって低血圧につながることもあるようです。透析室は空調が効いていて寒いこともあるので、靴下を履いたり、ひざ掛けを使ったりして、保温を心がけるのも地味に効果がある気がします。私はいつもマイひざ掛け持参です。
軽い運動、続けてますか? 血圧安定への道
「透析患者は運動しちゃいけない」なんて思っていませんか? とんでもない! むしろ、適度な運動は血圧の安定にもつながると言われています。
運動をすることで、心臓や血管の機能が改善したり、自律神経のバランスが整ったりする効果が期待できます。特に、足の筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれていて、血液を心臓に送り返すポンプの役割をしています。足の筋力がつけば、透析中に足先に溜まりがちな血液を効率よく循環させることができ、低血圧の予防につながる可能性があります。
もちろん、激しい運動は禁物です。透析のない日に、ウォーキングをするとか、家でできる軽いスクワットやストレッチをするとか、それくらいで十分。最近は、透析施設によってはリハビリテーションに力を入れているところもありますよね。理学療法士さんに相談して、自分に合った運動メニューを教えてもらうのも良いと思います。
私は車通勤しているので、会社内ではなるべくエレベーターを使わずに階段を使うとかしていますし、日常生活の中でちょこちょこ体を動かすようにしています。正直、疲れている時はサボりたくなりますけど。でも、続けた方が体調がいいのは確かなので、頑張っています。運動習慣は、低血圧対策だけでなく、体力維持や気分転換にもなって、QOL(生活・人生の質)を上げてくれる、まさに一石二鳥、いや三鳥くらいの価値があるんじゃないでしょうか。
参照:非透析日の運動療法【OFF HD エクササイズ】を紹介!
低血圧と上手に付き合うために 知っておきたいこと
透析低血圧は、多くの透析患者さんが経験する、ある意味「つきもの」のような症状かもしれません。完全に無くすことは難しいかもしれませんが、原因を知り、対処法を試しながら、上手に付き合っていくことは可能です。最後に、低血圧と向き合う上で、心に留めておきたいことをいくつかお話しさせてください。
薬に頼る選択肢もあるけれど・・・
色々な対策をしても、どうしても透析中の血圧が安定しない場合、血圧を上げるお薬(昇圧剤)を使うこともあります。これは、透析中に血圧が下がり始めた時に点滴から入れたり、場合によっては透析前に予防的に使ったりすることもあります。
もちろん、薬には副作用のリスクもありますし、根本的な解決策ではないかもしれません。でも、毎回ひどい低血圧症状に苦しむよりは、お薬の力を借りて安全に透析を乗り切る、というのも一つの有効な選択肢だと思います。
(もともと血圧が低いほうの私ですが、血圧を上げるお薬(昇圧剤)を処方されたことは無いですね。様子見を重ねてきて落ち着いてきて…という感じ、でした。)
もし、低血圧が頻繁で本当につらい場合は、先生に相談して、昇圧剤の使用についても検討してみる価値はあると思います。「薬はちょっと…」と抵抗がある方もいるかもしれませんが、選択肢の一つとして知っておくだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれません。
周囲の理解とサポートの大切さ
透析低血圧のツラさって、経験した人にしか分からない部分が大きいですよね。透析が終わった後の、「あの何とも言えないだるさ、倦怠感…」。家族や職場の人に、「透析って大変なんだね」とは言われても、具体的にどんな症状で、どれくらいしんどいのか、なかなか伝わりにくいものです。
だからこそ、できる範囲でいいので、自分の状態を周りの人に伝えておくことが大切だと思います。
午前透析や午後透析の方もおり、透析後に仕事をされている方もいるでしょう。「透析の日は、終わった後ぐったりしちゃうことがあるんだ」とか「血圧が下がると、こういう症状が出るんだ」とか。理解してもらうことで、例えば透析の日は少し早めに帰らせてもらえたり、家事を手伝ってもらえたり、精神的な支えになったりすることもあります。
私は夜間透析していますので、家に帰って夜食をとってすぐに就寝。朝早く起きて入浴済まして会社に向かう。やっぱり、あのだるさ、倦怠感は残っているものです。なので、会社の同僚や上司には、自分の病気のこと、透析のことを話しています。もちろん、プライベートなことなので、どこまで話すかは人それぞれですが、理解を得られると、仕事と治療の両立もしやすくなります。一人で抱え込まないこと。これも、透析生活を長く続けるコツかもしれません。
「自分だけじゃない」 そう思えたら少し楽になる
透析をしていると、どうしても孤独を感じてしまうことがありますよね。「なんで自分だけこんな思いをしなきゃいけないんだ…」って。特に、透析低血圧のようなツラい症状があると、余計にそう感じてしまうかもしれません。
でも、あなたと同じように透析低血圧に悩んでいる透析仲間がほかにもたくさんいます。私もその一人です。透析室を見渡せば、同じように頑張っている仲間たちがいます。
「自分だけじゃないんだ」と思えるだけで、少し気持ちが軽くなりませんか? 大変なのは確かだけど、みんなそれぞれの方法で工夫しながら、透析と付き合って、日々の生活を送っています。
まとめ
今回は、多くの透析患者さんを悩ませる透析低血圧について、その原因から、私の経験に基づいた対処法まで、色々とお話ししてきました。原因としては、急激な除水による血液量の減少、ダイアライザーとの相性、自律神経の働きの問題などが考えられます。そして、ドライウェイトの見直し、食事や水分の管理、透析中の過ごし方の工夫、適度な運動などが、症状を和らげるためのヒントになるかもしれません。
一番大切なのは、我慢せずにスタッフさんに相談すること、そして自分の体調の変化に気づき、周りのサポートも得ながら、自分に合った付き合い方を見つけていくことだと思います。透析低血圧はツラい症状ですが、決して乗り越えられない壁ではありません。
あなたの透析生活を少しでも楽にするために!一緒に、前向きに透析生活を続けていきましょう!