スマートウォッチで血圧測定できる原理!仕組み・精度は?【透析】

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スマートウォッチで血圧測定できる原理。仕組み・精度は?

 

史上初ともいえる血圧を正確に測れるスマートウォッチが発売されました。

この度、アメリカで先行販売されていたオムロン製のスマートウオッチ「オムロン ウェアラブル血圧計 HCR-6900Tシリーズ」というものです。(以下、Heart Guideと言います。)

私ながら、透析導入するためにシャントを作った以降は、腕時計を買った試しがありませんでした。
ガラケ-、スマホで確認すれば済んでしまう、そんな時代になってしまったからですね。

ここ数年、AppleやSAMSUNGをはじめスマートウオッチが販売されていますが、動向は気になっていました。
歩数とか脈拍とか心電図とか・・・。

腕時計のように「ウェアラブルデバイス(※)は、血圧を測れるのってふつうのことじゃないの?」って、そう思っていました。

※ウェアラブルデバイス・・・主に服や腕など身に着けたまま使える端末のこと。腕時計はまさしくこれにあたる。

ずっと血圧計を持ち歩いていたといっても以外と嵩張るものです。そのように感じていました。
けれども、スマートウオッチに血圧計って、非常に難しい技術であることを、知りました。

 

参照:「【透析】高血圧の状態が続いています。大丈夫ですか?【経過観察】
参照:「透析で怖い事。低血圧でシャントが閉塞!狭窄も知ってほしい。

 

・HCR-6900TことHeart Guideは史上初、血圧を正確に測れるスマートウォッチ
・医療機器として薬機法の認証を取得した腕時計である
・Active2やVivo Watch BP、Apple Watchと比較すると機能は限定的
・Heart Guideはオムロン ヘルスケアのオンラインストアで購入できる 

目次

スマートウォッチで血圧測定できる原理とは?

透析者にとって、血圧測定することは習慣化になっているもので、毎日の日課でもあり続けるものです。

正確な血圧が知りたいわけで、「おおまかに」「大体」というデータというのは避けたいものです。

というのも、血圧の数値は大事なのですが、その血圧変動や経過そのものが、後々の心筋梗塞や脳卒中などの、脳・心血管疾患の発症リスクに深く繋がっているからですね。

 

今回販売されたHeart Guideの最大の特徴は、これまで私たちが使ってきた血圧計のように、空気を膨らませてカフ(腕帯)を巻きつける「オシロメトリック法」を用いた方法を採用していて、ほかのスマートウオッチとは違う点です。

“史上初”のスマートウオッチと言えるのは、確かにこれまでにも血圧を測れるスマートウオッチは出ていました。しかし、それらは正確な血圧ではなくて、あくまで”目安”でしかない(なかった)からです。

誤差が多かったりもしたのです。

血圧測定機能を搭載するスマートウォッチを分類すると、今回Heart Guideの登場で、大きく2種類に分かれることになります。

①カフ(腕帯)を備えたもの②センサーで読み取ったデータをもとに血圧を推定したものになります。

カフ(腕帯)を備えたもの

 

 

オムロンのHeart Guideは、こちらのほうに該当します。

「上腕式血圧計」「手首式血圧計」などがあり、従来からある病院の自動血圧計や家庭用血圧計は、皆そうです。なじみがありますよね。血圧測定器で実績ある「オシロメトリック法」に忠実なのです。

シロメトリック法に忠実であるということは、”正確な”血圧を測る・知る・記録する。

肝心な動脈をカフ(腕帯)で、しっかりと圧迫することがとても重要なわけです。

血圧計は時代とともにコンパクト化してきました。私も都度買い替えてきました。

販売する側としては「カフの幅を小さくすると動脈を十分に圧迫できない」「医療機器としての精度を確保できない」といった課題があったのですね。

 

それらを何度も改善・改良を重ねてきて、今の時代にスマートウォッチという形でできるようになったわけですす(Heart Guideは手首式血圧計と比較し50%減、本体容積も同65%減と小型化)。

Heart Guideは、先行して米国で販売されていましたが、FDA(米国食品医薬品局)の承認を得ることができました。そして今回の日本での販売においても、医療機器として薬機法の認証を取得しています。

2019年12月現在、国内販売でカフ(腕帯)を備えたスマートウォッチは、Heart Guideしかありません。

 

センサーで読み取ったデータをもとに血圧を推定したもの

 

 

カフ(腕帯)ではなくセンサー読み取りタイプのものは、直近で販売されたものにSamsungのGalaxy Active2があります。

それより前の2018年には、ASUSがVivo Watch BPを出していました。

現在では他社も追従していて激戦区となっており、機能やデザイン、価格にもかなりばらつきがあります。

①のようにカフ(腕帯)はないので、スマートウォッチのディスプレイ裏側にあるセンサーで血管の振動を測り、血圧を推定するものが主となっています。

その仕組みですが、電気信号に心拍数の測定結果と光学センサー(血流が変化すると光の波長(色)が変化することを利用)を使った血流の測定結果を組みあわせて、血圧を算出しています。

FDAの承認や国内の薬機法認証といったものはありません。

なので、あくまで参考値としての機能でしかなく「大まかな値がわかればOK」といったものです。

「コンパクトで扱いやすい」「簡易である」といったメリットがあることと、価格やお手頃であること、機能やファッションにが多様性であると言えるでしょう。

スマートウォッチで血圧測定

 

Heart Guideを究極にいえば、

・カフを備えた”正確な”血圧が計測できるスマートウォッチ(FDA承認・薬機法の認証済)

・今あるのはMサイズ(S、LサイズはFDA認可待ち状態)

・歩数や距離、消費カロリー、睡眠といったデータ計測ができる

・2-3日程度使用できるバッテリーを搭載

・機能△ファッション性△なので、今後の改善・進化に期待したい

 

すでにGalaxy Active2やVivo Watch BPのように、スマートウォッチは出ています。機能としては不足気味なのだと思います。

Heart Advisorというのが、唯一オムロンのアプリです(iOS版とAndroid版)。

Heart Guideと連動して計測データや体重を管理したり、日々の行動がどう健康に影響を与えるかといったことを示してくれます。

歩数や移動距離、消費カロリー、睡眠パターンなどといった計測ものは、(精度にもよりますが、)すでに技術はあって搭載されているものばかりです。電話着信やメール受信の「通知」レベルではふつうにあるものばかりです。

 

透析者でいうと、病院によって血圧管理の用紙をもらって記入したり、血圧に関連するアプリやソフトで、手書きで記録するとか、アプリやエクセルの管理表にまとめるといったことを行っています。

いずれにしても連携やら互換性というものは、まったくありません。

医師・看護師さんからしてみれば、透析者の書いた用紙や管理表でしかできません。

現段階で、「Heart Guideで記録した血圧推移を医師に見せて・・・」といっても良いと思ったのですが、残念ながら、治療判断の材料には採用されないようですね。

今回のHeart Guide一統とは言いませんが、時間が必要なようですね。

 

Heart Guide

 

まとめにかえて

HCR-6900ことHeart Guideを紹介しました。

私たちはふだんの血圧測定、血圧管理がとても重要なことを認識しています。
通勤で使うカバンのなかに血圧計を入れている人だっています。でも「持ち運ぶのが面倒」という人もいます。私もそう感じている一人です。

スマートウォッチ。
身に着けるものとすれば、かなり良さそうなデバイス(端末)ではないでしょうか?

ただ、私は手首式血圧計を利用していており、機材はまだまだ現役です。メモリ機能は少ないし、乾電池は交換しないといけませんが・・・(充電池使えるから良いのだけど)。

オムロンにとってHeart Guideは、スマートウォッチとして、おそらく初代の位置づけだと思います。
価格はお高いです。日本で人気のApple Watch Series 5そしてSamsung Galaxy Active2。

共通しているのはどちらも時計に健康・運動面に着目して「付加価値」をつけていますし、機能も半端ないスマートウォッチになっています。

「着信が分かる」「Twitterが読める」と、どんどんスマホに近づいている感じを受けます。

それを踏まえると、Heart Guideが「じいじ、ばあばに贈りたいスマートウォッチNo.1。」なんて揶揄しているのを見ましたし、デザインを重視したものではないとも言っているようで「まあ仕方ないかな」と。

どうしても機能不足感が気になりますね。
治療中でも、何かを刺激的なもの受け容れていないと、かえって疲れてしまう、ストレスを溜めこみそうな私になりそうなので、スマートウォッチ経由で音楽でも、ラジオでも聞きたいくらいです。

勝手ながらあれもこれもつけて、みたいなこと言って恐縮ですが・・・。

Heart Guidも然り、次の商品を出すまでには一層の機能性の充実、ファッション性をも追及して欲しいですね。

それからスマートウォッチ全般に言えますが、バッテリー持ちの問題。
セイコー、カシオ、シチズンといったら、ソーラー電波時計。日本が誇る3ブランドですよね。

ソーラー時計の仕組みとは、光エネルギーを電気エネルギーに換えて動く時計ですが、太陽の当たるような明るいとこであれば、放置していても充電できてしまいます。

 

一方のスマートウォッチはどうでしょう。2、3日ごとにUSB接続して充電。良いのか悪いのか、使い勝手でいうと、どうなのでしょうか。

昔のようなネジ式時計ならまだしも・・・。一応、省電力モードとかありますが、結局のところスマートフォンと一緒に充電中・・・というのが、現実なのでしょう。

ソーラー時計とスマートウォッチでは仕組みは違いますし、「できること」「求めること」って違うのは、十分に理解しています。スマートウォッチにはスマートウォッチとして使えないと意味をなさないです。

あとは運命的なことになるのですが、デジタル・IT系は肝心のウオッチ使えない、アプリが使えないということは出てくるのでしょうね。このことは繰り返し行われていて、避けられそうにありませんね。

透析をしている私の考えるスマートウォッチの今後の展望、私からの要望です。

 

・バッテリー問題。稼働時間を長く!
・血圧データを病院へ送信機能、自動的にスプレッドシートに同期しグラフ化機能できる?
・緊急・災害時など。透析カード的、ヘルプカード的な機能あればいいな!
・高カリウム血症を知る方法とか確立できる!?

などです。

少なくとも稼働時間がもっと長くなることが、一番理想的なスマートウォッチ(≒時計)であってほしいです。

今後のスマートウォッチの進化に、期待します。

参照:「【透析】高血圧の状態が続いています。大丈夫ですか?【経過観察】
参照:「透析で怖い事。低血圧でシャントが閉塞!狭窄も知ってほしい。

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