連日感染者の数が増え続けています。
これまでの感染経緯と様相が違うのは、各国からの帰国者が戻ってきて海外感染者になっていたり、どこで感染したかわからない感染者の数が割合が、多いということ。
そして、若年者層にもその範囲が拡がってきているということ。
今は「小爆発的な感染」が起きている時期なのでしょうか。
しかし、今後もっとも懸念されているのは「感染爆発(オーバーシュート)」というもの。
「緊急事態宣言」が出されるのかどうかは、時間の問題です。
そうなれば、透析者にとっても気がかりな点があります。
透析だけではなく、仕事や子どもの幼稚園・学校のこと、生活全般などがそうです。
2020年・新型コロナ第1波
4/7【緊急事態宣言】を発令(国内初)。
┗7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)が対象。
4/16 全国に【緊急事態宣言】が発令されました。
┗上記7都府県と6道府県(北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都)を併せて「特定警戒都道府県」に指定しました。
┗残りの34県は「特定都道府県」に分類されます。
5/4【緊急事態宣言】の延長を発表⇒5/31まで
5/14【緊急事態宣言】39県で解除
┗東京、大阪など8つの都道府県は継続
5/25【緊急事態宣言】全面解除
これ以降、第2波、第3波・・・と続いています。
以下の記事は、2020年4月~5月に出された【緊急事態宣言】の備忘録として、残しております。
(そのため、現在の法令には即しません。)
「緊急事態宣言」が発令された・・・【備忘録】
【速報】全国に緊急事態宣言を発令 安倍首相https://t.co/NbvxE3yAiO
新たに40道府県に対して緊急事態宣言を発令した。期間は5月6日まで。さらに、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都と7都府県を「特定警戒都道府県」に指定。 pic.twitter.com/eBoeSrvna9
— ライブドアニュース (@livedoornews) April 16, 2020
新型インフルエンザ等対策特別措置法に「緊急事態宣言」が規定されました。
東京都が「特定区域」に指定されれば、以下のような流れになっていきます(4/7発令されました。4/16に全国規模で発令されました。)
<東京都が特定区域に指定された場合~流れ~>
諮問委員会(※)が緊急事態宣言を出す要件を提言→首相が「緊急事態宣言」をする→知事をトップとする対策で「要請」「指示」を出す→学校や商業施設などの使用制限を(要請or指示)、催しもの開催制限の(要請or指示)など。
(※)2020年4月1日現在
感染拡大状況などに応じて(1)感染拡大警戒地域(2)感染確認地域(3)感染未確認地域の3つに分類すると発表。
諮問委員会委員日本医師会・釜萢敏常任理事:「爆発的な感染の拡大が起こってから緊急事態宣言を出してももう手遅れであるということから、宣言をして頂いた方が良いのではないかという意見がほとんどです」
(そのうえで、)日本医師会が1日に会見を開き、横倉義武会長は新型コロナウイルスに関連する国の緊急事態宣言について「感染爆発が起きてからでは遅い」と苦言を呈すると、日本医師会として現在の状況に対して「医療危機的状況宣言」を打ち出した。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に「緊急事態宣言」が規定
緊急事態宣言をするには「法律の根拠」が必要です。
現在「緊急事態宣言」のあるのは、①災害対策基本法の災害緊急事態の布告②災害対策基本法の緊急事態の布告、③新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言があり、いずれも内閣総理大臣が発することになってます。
透析者が病院や在宅で透析をする場合で、直接影響を受けるのは①災害緊急事態や③新型インフルエンザ等になった際の「緊急事態宣言」が考えられます。
(今回の場合は、③の新型インフルエンザ等にあたります・・・。)
これまでにも、東日本大震災や西日本大豪雨、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMARS、新型インフルエンザといった天災地変や感染症に遭遇してきましたが、国レベルでの緊急事態宣言というのはありません。
都道府県レベルにはなりますが、直近では2020年2月28日の新型コロナウイルス肺炎に対して、鈴木直道・北海道知事が緊急事態宣言を行いました。
このとき、不要不急の外出を避けるなどして道内は閑散し、特に観光や宿泊業、飲食業等に売上げい多大な影響を与えました。
新型インフルエンザ等の「緊急事態宣言」がなされる前提条件
特措法は「緊急事態宣言」の要件を2つ定めています。
1つめは「国民の生命や健康に著しく重大な被害を与えるおそれ」があること
2つめは「全国的かつ急速なまん延により、国民生活と経済に甚大な影響を及ぼすおそれ」があること
たまには真面目なお話。
緊急事態宣言っていうパワーワードだけどできることは画像の通り(yahooニュースより)。要は「指定地域の知事の権限を上げますよ」ってことで、言葉の響きは重いけども重さにそんなにビビらなくていい。(続く) pic.twitter.com/jIGPQ5fFVn
— なおた (@uranana2010) April 6, 2020
1)不要不急の外出の自粛(要請) 4)鉄道や物流を担う会社に治療薬などの輸送するよう(要請)(指示) 6)病院が満杯となってしまうような事態に備えて必要な土地や建物の使用が場合によっては「強制」 |
私たちの身近かな事例では、1)~3)になります。
特に、1)や3)は透析者にとって感染予防のうえでは求められるものであり、大事なことです。
国民の皆さまにはご負担をお掛けしますが、「爆発的な感染拡大」を可能な限り抑え込むためにも、外出時には下記「『3つの密』が同時に重なる場を避ける」行動を、強く、そして切にお願い申し上げます。(3/3)
1. 換気の悪い「密閉」空間
2. 多数が「密集」する場所
3. 近距離で会話をする「密接」場面 pic.twitter.com/7s6NxV4dT0— 厚生労働省 (@MHLWitter) March 25, 2020
なぜなら、不要不急の外出を行い、大勢の人が集まる催しに参加すれば、たちまち新型コロナウイルスの感染者になる可能性になることは否定できず、目に見えています。
ただでさえ免疫力が弱っているのですから。
当初は自覚症状はなくとも、潜在期間を経て感染していたが後で分かれば、潜在期間を通じてほかの透析者や医療スタッフさんも巻き込んで、彼らも濃厚接触者になっている可能性が高くなります。
これだけに留まりません。
病院での院内感染のほかに、他透析者をどこの病院などで治療を受けさせるのかという問題も出てきます。
隔離して透析と人工呼吸器の併設している病床など、数えるほどしか無いのですから!
透析は集団治療です。上の『3つの密』に近い状況にあると言えます。
・透析室は定期的に換気を行っていますか?(スタッフは意識していますか。声をかけましたか。)
・マスクしていますか?(マスクは常備していますか。無くなった際の策はありますか。)
・不必要な会話ができる状況ないですか?(おしゃべりな人、構って欲しい人)
4)、5)は(緊急事態宣言ではなく)間接的に行われました。
新型コロナウイルスの国内での拡大化を受けて、マスクや消毒液などの買い占め・売り惜しみといった状況を目の当たりにしました。
ネット上ではマスクなどが高額転売され、私たちは透析以外の残された時間のなかで、マスクや消毒薬などを探し歩きました。それでもなかなか購入できない状況にあります。
そのため、改正国民生活安定緊急措置法施行令を発令し、マスクの高額転売をできなくしました。
4)や5)はこのような事態発生に備えて、医療介護など優先的にマスクや消毒液などを必要とする業界への、最終的には国民のために備える策となります。
医療物資不足が深刻化<リスト> | 医療設備の不足が深刻化<リスト> |
・マスク(使い捨てマスク) ・消毒液・消毒ジェル・手指消毒用アルコール ・衛生材料(アルコール綿) ・医療物資(マスク、ゴーグル、ガウン等の感染防護具) |
・病床数(軽度~重度) ・集中治療室 ・人工呼吸器などの医療設備 |
上記の通り、医療物資や医療設備の不足だけでなく、医療スタッフの確保も深刻化しています。
まずは、マスクやを消毒液や消毒ジェル・手指消毒用アルコールなどを整えていけないですね!
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【緊急事態宣言】が発令で何ができる・できない?
2020年・新型コロナ第1波
4/7【緊急事態宣言】を発令(国内初)。
┗7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)が対象。
4/16 全国に【緊急事態宣言】が発令されました。
┗上記7都府県と6道府県(北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都)を併せて「特定警戒都道府県」に指定しました。
┗残りの34県は「特定都道府県」に分類されます。
5/4【緊急事態宣言】の延長を発表⇒5/31まで
5/14【緊急事態宣言】39県で解除
┗東京、大阪など8つの都道府県は継続
5/25【緊急事態宣言】全面解除
【速報】
緊急事態宣言❗ 東京など7都府県が
明日から1ヵ月をめどに実施されます。 pic.twitter.com/qZp5l7EXQD— ⚾かなもり いちろー⚾⚾ (@chiimaru416) April 6, 2020
まとめると、
使用制限⇒学校、保育所、通所型の福祉施設、劇場、映画 館、演芸場、展示場、小売店、ホテル、旅館、 体育館、ボーリング場、博物館、美術館、図書 館、キャバレー、ナイトクラブ、理髪店、質 屋、自動車教習所、学習塾など
使用継続 ⇒通所型でない福祉施設、薬局、燃料店、スー パーマーケットの食品・衛生用品売り場など
透析者にとって、透析のため通院することは社会生活上、必要なことです。類する、スー パーマーケットの食品を購入したり、薬局に行くこともできます。
生活上、仕事や透析はもちろんなのですが、スー パーマーケットの食品を購入の際の「3密」状態も避けたいところです。マスク着用は必須です!
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参考:「新型コロナウィルスCOVID-19とは?透析者ができること。」
参考:「医療危機的状況宣言とは何?透析者の患者選別トリアージあるから!」
「要請」「指示」に違いって何?
「要請」「指示」には違いがあり、強さでいうと「指示」>「要請」となります。
「要請」は~するように強く求め、くらいのニュアンスです。
これまでに小池都知事や北海道道知事からは「不要不急の外出の自粛を」とか「イベント開催は縮小・中止をご検討ください」という感じで、ちょっと強め「お願い」でした。あくまで「要請」なので強制力はありませんでした。
一方の「指示」は~してくださいのレベルです。
「要請」よりかはまた強めになります(特措法の「緊急事態宣言」にある「指示」は強制力はありますが、罰則は設けられていません。)
透析者にとって、ふだん4~5時間の治療を行っており、それが生活の一部になっている以上、「生活上に制限にあること」には良かれ悪しかれ、慣れてしまっています。
ただでさえ、透析時間が嫌だという声があることも事実、半ば強制なのですから。でも、自分を守るため、すべては存命維持のためです。
緊急事態宣言が日本で出たら!仕事は?
働き方改革が叫ばれて1年余。
透析者とは言え、会社員、自営業、フルーランスなど、様々な働き方をしていることと思います。
「緊急事態宣言」が発令された場合は、(透析はしなくてはならないが)仕事は休みになることが、考えられます。
会社員の場合ですと、現状、国の要請を受けて在宅勤務日数を増やす企業も増えてきています。
「在宅勤務」とは会社に出社せず、自宅やレンタルオフィスなど、会社から離れた場所で業務を行う在宅勤務(リモートワーク)のことを言います。
概ねパソコンがあり、ネット環境が整っていることが大前提ですね。
とはいえ、これらができるのは大企業であったりします。中・小企業はなかなかそうはいきません。
会社員といっても、私たちが透析で通院している医療業、昼食や夕食を取っているのなら飲食業や製造業がありますが、それらはそもそも在宅勤務(リモートワーク)対応のできる業種にはあてはまりません。医療や電気・ガスなどライフラインに関わる業種も然りです。
在宅勤務(リモートワーク)とは言いますが、↑ここ抜け落ちています!
一方で、自営業やフルーランスの方々に、会社員のような「休業」や「補償」の概念というものはありません。
そのため「安定収入」が得られないと言う問題が、現実味を帯びてきています。
その為、国や都道府県からは「休業対応助成金」とか「無利子無担保の10万円融資」などの援助策は打ち出されています。
しかし、例え緊急事態の終息宣言が出されたとしても、すぐに収入が確保できるかというと、そうとはいきません。不安定化・長期化が懸念されます。
私は事務職をしています。会社からはパソコン貸与支給され、メールやSkypeなどで業務をしています。
ですが、業務上在宅勤務(リモートワーク)できるものではありません。隣接するチームで在宅勤務できそうなものがあるのか、といったらこちらもありません。
現状、もし緊急事態宣言が出た場合でも、会社へ出勤し時間まで仕事をこなし、透析に向かう形は変わらないと見込んでいます。
子どもの幼稚園・学校はどうなる?生活は?
透析者のなかには、家族のなかに園児や児童・生徒を持つ方々もいることでしょう。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、全国的に臨時休校等の措置が取られました。
「緊急事態宣言」が発令された場合、学校や福祉施設、興行場(映画館や音楽、スポーツ施設など)は使用制限の要請、指示を受けることになります。
急な臨時休校等の措置で、仕事に加えて透析もあり、時間的なやりくりに苦しめられ、パニックに陥った方も多かったのではないでしょうか。
透析していて勤務時間も少なく給料も少ないのに、臨時休校等の措置の影響で仕事を休まざる負えない。「その給料分の補償はどのように行われるのか?」
(自営業やフルーランスなら、お客さんが来ない、仕事が来なくて収入が上がってこない・・・)
国や都道府県では、生活費を無利子で貸し付ける制度があります。今後もさまざまな施策は打ち出されていくことでしょう。
「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた休業や失業等による緊急小口資金、総合支援資金(特例貸付)」 東京都 生活福祉部 地域福祉課
生活福祉資金の特例貸付が本日から開始ー状況次第で10〜80万円がもらえる償還免除もありー(藤田孝典) – Y!ニュース https://t.co/FVHQEklqNG
東京都の方はこの制度を積極的に活用してください。
場合によっては返済免除されます。— フローシャイム (@froushime) March 26, 2020
まとめにかえて
「仕事には行けなくなる」「買い物に行けない」「自由に出かけられない」「保育園や学校に行かせられない」・・・。
緊急事態宣言が出れば、このような事態になるのでしょう、不安・心配ばかりが募っていきます。
自分の透析のこともあります。ふだんから「生活上の制限」があることは良い意味で慣れてはいますが、もし緊急事態宣言が出てしまうとなると、現状では分かりかねます。
国内、海外の食品などの買い占めなどのニュースなどを見てきました。
思うに、私がこれまで経験した東日本大震災のような生活になるのではないかと予見しています。
災害ではないですが、透析に必要な電気・水のインフラが整い透析ができたとしてもです。
透析は誰にも代替できませんから!自分だけが頼りです。怖いのは、新型コロナウイルスの感染者になってしまうことです。
追記:4/1 日本医師会「医療危機的状況宣言」を打ち出した。⇒透析も危うい状況になってきました。
新型コロナウイルスの動きは未知です。
生活の場はもちろんのこと透析をしている以上、マスク着用は必須です!
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参考:「新型コロナウィルスCOVID-19とは?透析者ができること。」
参考:「医療危機的状況宣言とは何?透析者の患者選別トリアージあるから!」