「世界は誰かの仕事でできている。」
某飲料メーカーのコーヒーのCMですね。う~ん、的を得ていると思いませんか。
「あなたにとって仕事とは何ですか」
「何のために仕事をしていますか」
家族を養うため、生活のため、やりがいを見い出したい、溜めたお給料でマイホーム・車を購入したい、社会に貢献したい・・・。
人それぞれ目的や理由がありますし、捉え方も様々あります。
・これから透析をしなければならない人へ。
・会社員、自営業しながらも透析を導入しなければならない人へ。
・透析しながら転職活動を行っている人へ。
そんなあなたに・・・。
「透析しながらでも仕事できます、両立はできます!」
<<仕事・転職の場合>>
・透析しながらでも仕事はできる、両立することもできる
・透析していてもベストな状態で仕事に臨むこと(透析者の”責務”)
・多少の無理な仕事はしていても、無茶な働き方はしない(体調や透析に影響を与えてしまう)
・人生の一大イベント、ライフイベントであっても、疑義・問題点は洗い出しておいたほうがいい
透析と仕事は両立できる!~透析導入してから今日までの私~
私は現在は会社員をしており、前職は介護職でした。
事務職と透析歴との間はほぼ等しくて、いま20年目へ向かっているところです。
透析のある日は会社を早退し、家路の途中にある病院で血液透析を行い、深夜に帰宅する。
これが今日まで変わっていない夜間透析の生活スタイルになります。
私は田舎住まいで、今ある会社は地方都市の中心部にあります。
地方にお住まいの透析者ならおわかりいただけると思いますが、まあ通勤は良いとしても、通院するには車でないと厳しいものがあります。自宅や会社の近くに透析できる病院があれば理想で良いのですが、現実はなかなかそうとはいきません。
透析導入した直後に事務職として就いたあとで、(今のところ)最初で最後に転職をしたのは「1回」だけです。
転職することも「人生の一大イベント」と言えますよね?
人生の一大イベントってなんでしょうか!?
入学、就職や転職、起業、定年退職、結婚、出産・育児、介護、住宅購入・・・。
ここに挙げた以外にも、いろいろとありますよね。
「透析しはじめて年数が経ち、仕事を変えようと思う。」
透析者にとっての仕事探し、仕事選びをするにしても、ほかの業種、職種に転職するにしても、一般の健常者とは違った「重み」だったり「手間」「面倒くささ」「しんどさ」などといったものがあります。
わかりますよ、私も経験しましたから!
透析者にとって、就職や転職といった一大のイベントを考えるのなら、常に透析もセットにして考えていかなければならないのです。
準備という準備を重ね、新旧の会社に病院との間で話しあいをしながら、やっと新たな会社に事務職として就くことができました。
私は、仕事をやめて新しい会社を探すということはしませんでした。
「仕事をしながら次の新しい会社を見つける」「給料をもらいながらも次の仕事を見つける」のが、もっとも理想的な形と考えていたからです。ただそこには・・・。
準備だとか話し合いと一言や二言で片付けられているように思えますが、実際にそうではありません。
実際に転職活動すると分かりますが、透析のことが重しで乗っかってくる感じを受けるのです、プレッシャーというものです。
「重み」「手間」「面倒くささ」「しんどさ」「活動の長期化」「仕事探しているのに透析も」など・・・。
仕事が決まる、転職が成功できるだけでは足りず、同時に透析、通う病院のことも同時進行で考え、通える状態にしておかなければならないのです。
加えるなら、もし賃貸住まいならばアパートやマンションの確保、電車・バスなどの交通機関などの手続きも必要ですし・・・。
私は転職するにあたっては前の会社と同じように、「なるべく自宅から通えるような病院で透析を受けたい!」と自分のなかにある「条件」をつけていました。
・かかりつけの病院が近くにあること
・(土日祝日で会社もないときに、自宅から遠い)会社近くの透析できる病院へ通うのは避けたい・・・
前職と比較して、病院へ移動するための通院時間が若干増え、仕事を切上げ時間を30分ほど早くしたので、、その累積時間の給料分が減ってしまいましたが(泣)。
給料については「下げたくない」「1円でも10円でも上げたい」と、そうあきらめたくないのが透析者の本心だと思います。悔しいですよね。
「もっと都市部に自分の条件の良い会社あったのかもしれない・・・」
「ほんとうにこの会社に勤めることができるだろうか?」
「会社近くで透析できる病院も検討をしてみた。空きもなかなか出てこない」
「転院。病院までを変えるまでの面倒さ、リスクのほうが大きいかな!?」
「会社近くにアパートでも借りて、透析できたのかもしれない・・・。」
「試用期間に首にでもされたら、また一から会社と病院を探すことになるのか?(かなりの高負担だ!)」。
これだけじゃなく、いろいろと頭の中から出てくるのですよね。
でも、無事に転職することができて、引き続き同じ病院で通院できることに、頑張った自分も褒めてあげました。
そして自分は、「会社に必要な人財(=人材)だと言われるような働き方をしよう!」と、そう思いました。
これが私の今ある状況であり環境であります。
「ノーワークノーペイの原則」から考えれば、給料はどうしても減ってしまう。
やはり悔しいですね、透析者にとってはとても辛い!です(泣)。
どうしても自分のなかで割り切っていかないといけないのかなと・・・。
透析していてもベストな状態で仕事に臨むこと
「透析していてもベストな状態で仕事に臨むこと」
これが透析をしながら仕事をしていくうえでの「透析者の責務」だと言えます。
とは言え、私も透析していて事務職に就いてから今日までに、1週間前後の治療で入院した経験が2度ばかしあります。
けれども「今日は急きょ休みます!」とか、「即、早退させていただきます!」といったことは、ほとんどありません(これからもそうしていきます!)。
夜間透析していているために、翌日の仕事にまで影響を与えそうな透析による疲労感や寝不足感、何となく体調が芳しくないというのは否応でも、何度でも経験しています。
人間ですから、風邪ひきますし、熱出たり、体調悪いときだってあるのです。
仕事はきちんとこなす。ただ、無理はしません。透析するだけでも大変なことですから!
「透析していてもベストな状態で仕事に臨む」ことを意識しています。
「あなたはベストな状態で仕事に臨むように心がけていますか?」
透析をしている。健康な人のような身体でないのは事実。
「ベストな状態を維持」していかないと、仕事はできないものです。
そもそも、ベストな状態を維持できていない原因は、ふだんから行っている食事の摂り方や薬の飲み方、ドライウエイトの管理といったことなど、大概はそれらの「何か」ができていないわけです。
会社へ仕事をして、その価値の対価としてお給料を頂くというのに、「調子が悪いから・・・」「2,3日休ませてください」で自己管理ができないでいて、「仕事ができない」「仕事効率が上がらない」と言われるのは嫌ですよね。
上司や周りのスタッフに迷惑かけるばかりで、褒められたものではありません。
上司や周りのスタッフには「透析について配慮してほしい」ことも説明し、話しておくべきことはありますが、透析者が日々しなければならないのは自己管理です。
私には
「給料についてはあきらめたくない。1円でも10円だって欲しい!」
「仕事を休み、早退したことによって給料が減らされるのはごめん!」
といった負け惜しみや悔しさがあって、上司やスタッフに言わないですけど胸の内に潜めています。
逆に、それが仕事への原動力だったりします。
残業ですが、できる限り応えるようにしています。
体調を悪くなるような時間までであったり、翌日の仕事や透析にまで影響を与えるような働き方はしませんし、望みません。
仕事上での業務効率や時間配分は自分だけではなく、上司やほか周りのスタッフも一緒になって取り組んでいます(働きかた改革もあるが、会社の方向性は残業をしない!)。
多少の無理な仕事はしていても、無茶な働き方はしません!
世の中には様々な業種や職種があり、いろいろな会社が存在しています。
繁閑の時期も違うし、働き方も違っていても当然でしょう。
私も一会社員として仕事をし、社会に貢献しています。
◇まとめにかえて
これから透析を検討しなければならない人、透析導入者でも今仕事をしている人、転職を考えている人へ!
「透析ができて仕事ができる」のであり「仕事ができて透析もできる」ということを、理解していただけたかと思います。
あなたがどのような状況や環境あっても、生きていくためには「仕事」と「透析」との両輪で走らせていく必要があるのです。
繰り返しにはなりますが、私が透析を導入した後で転職したのは1回きりです。これも人生のなかの一大イベントでした。その後、部署異動などもありましたが、透析そのものにはほとんど影響はありません。
ただ、会社員ですからこの先、もしかしたらリストラだって無いとは言えないですし、逆に定年退職まで勤めあげているかもしれませんね、このご時世ですから。
定年後の再雇用あると助かります!
転職、結婚や育児、介護といった人生の一大イベントが起きたり、今後予測できそうなのであれば、透析のことも一緒に含めて、その都度見直しや軌道修正が必要!