2018年6月7日

更新日: 2026年7月17日

自動車は決して安い買い物ではありませんよね。
「いつ、どのタイミングで、どんな車を買うのが一番お得か!」——車が欲しくなれば、カタログをめくったり、ディーラーに足を運んだり、試乗したりと、なにかと気持ちが高ぶるものです。
3月や9月は「決算フェア」として車の購入がお得な時期として有名ですね。私もこの時期を狙って車の購入を検討してきました。
地方に住んでいる私にとって、自動車は仕事にも透析の通院にも欠かせない生活必需品です。20年超透析を行っている間に、2回買い替えをしてきました。
車を持つということは、購入費用だけでなく維持費も馬鹿になりません。毎年かかる税金、車検、ガソリン代……。「税金が高い!維持するだけでも大変だ!」と感じているドライバーは多いと思います。
そこで知っておいてほしいのが、透析患者のように身体に障害がある方が使用する自動車については、一定の要件を満たせば申請によって自動車税の減免が受けられるということです。
この減免制度は地方税法に基づく各地方公共団体の「条例」で定められています。そのため、対象となる障害の範囲や対象自動車の要件が、自治体によって微妙に異なることがあります。
・透析患者でも自動車税の減免申請ができる
・自動車税(種別割)の申請期限は原則「5月31日」——期限厳守!
・自動車取得税は2019年10月に廃止。現在は「自動車税(環境性能割)」に移行しているが、2026年3月31日をもって廃止済み
・細かい要件・書類・期限は各都道府県窓口で必ず確認すること

ここでは「透析患者が自動車税の減免を受けるにはどうすればいいか」を、よくある疑問に沿って解説します。
A1
自動車税(種別割)の大前提は、4月1日現在に自動車を所有している者に対し課税される、ということです。
減免を受けるうえで大事なポイントが2つあります。「自動車の登録に関すること」と「透析患者と納税義務者等の関係について」です。
◆自動車の登録に関すること
| 個人名義の自家用自動車(車検証に「自家用」と記載されているもの) |
| 減免が受けられる台数は、透析患者1人につき1台に限定 |
| 減免が受ける自動車には使用目的がある ・本人が運転する場合:日常生活(通勤、週3回の通院など) ・家族や介護者が運転する場合:透析患者の通院・通学・通所・生業のための使用 |
◆透析患者本人と納税義務者等との関係について
「納税義務者(=自動車の所有者)が誰か」と「自動車の運転者は誰か」の組み合わせによって、減免の可否が決まります。
| 納税義務者(所有者) | 運転者 | 減免 |
|---|---|---|
| 1. 透析患者本人 | 透析患者本人 | ◎ 減免 |
| 生計を一にする家族 | ○ 減免 | |
| 常時介護者※ | ▲(要確認) | |
| 2. 透析患者と同一生計の家族 | 透析患者本人 | ○ 減免 |
| 生計を一にする家族 | ○ 減免 | |
| 常時介護者 | × 減免不可 | |
| 3. 透析患者の常時介護者 | いずれの場合も | × 減免不可 |
※「常時介護者」とは、障害者のみで構成される世帯の透析患者のために日常的に継続して運転する方で、福祉事務所長(町村長)の確認を受けた方をいいます【要確認】。透析患者の高齢化が進む中、本人が運転できない場合に設けられた区分です。
A2
自動車税(種別割)には減免上限額があり、それを超える分は納税が必要です。
総排気量2.5リットル以下の自家用乗用車の年税額(45,000円以下)が、減免限度額の目安です。
また、グリーン化税制(重課)として、新車の新規登録から13年(ディーゼル車は11年)を経過した自動車には概ね15%増の重課が適用されます。一方、電気自動車・ハイブリッド自動車など環境負荷の低い自動車は税率が軽減(軽課)されます。
以下、具体的な計算例で確認しましょう。
| 車種(例) | 排気量 | 通常年税額 | 重課後税額(+15%) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|---|
| ホンダ フィット(例) | 1.5L以下 | 34,500円 | 39,600円 | 0円(全額減免) |
| トヨタ クラウン(例) | 2.0L超 | 45,500円 | 51,700円 | 6,700円 (51,700円-45,000円) |
※自動車税(種別割)は年税額で納めるものです。年度途中に新規登録した場合は「月割」で課税・減免されます。
※年度途中で名義変更した場合は当該年度の減免申請はできず、翌年度からの受付となります。
2019年10月に自動車取得税が廃止され、代わりに「自動車税(環境性能割)」が導入されていましたが、2026年(令和8年)3月31日をもって廃止となっています。
廃止前の制度では、障害者の方が自動車を取得する際に環境性能割の減免を受けることができました。現在(2026年4月以降)は自動車取得時の環境性能割は存在しませんが、一部の自治体では「登録(取得)の日から1か月以内」であれば申請を受け付けているケースもあります。詳細はお住まいの都道府県の窓口へ直接確認してください。
A3
1. 減免対象者(障害の区分と等級)
身体障害者手帳の障害区分「じん臓機能障害」の場合、対象等級は1級・3級(自治体によっては4級を含む場合もあり)です。
透析患者はじん臓機能障害に該当します。なお、じん臓機能障害には2級はありません。
参照:「透析前後でも身体障害者手帳は申請できます。窓口で確認を!」
2. 申請窓口
自動車税事務所または都道府県税事務所
3. 申請に必要な書類等
「自動車税・自動車取得税減免申請書(現在は自動車税(種別割)減免申請書)」に以下の書類を添付します。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 減免申請書 | 窓口またはウェブからダウンロード可 |
| 印鑑 | 納税義務者(自動車所有者)のもの |
| 身体障害者手帳 | 実物を持参 |
| 運転免許証 | 実物または表裏両面コピー(自治体により異なる) |
| 自動車検査証(車検証) | 車検有効期限内のもの(実物またはコピー可の場合あり) |
| (必要に応じ)生計同一証明書・常時介護証明書など | 家族・常時介護者が運転する場合 |
| (必要に応じ)通院証明書・通学証明書など | 透析患者のために使用することの証明 |
【事例(ア)透析患者本人が納税義務者かつ運転者の場合(最も多いケース)】
現役の会社員・自営業などをしている透析患者が自分名義の車を自分で運転する場合、概ね以下の書類が必要です。
| ① 自動車税(種別割)減免申請書(窓口またはウェブで入手) |
| ② 納税義務者(自動車所有者)の印鑑 |
| ③ 身体障害者手帳(実物) |
| ④ 運転免許証(実物または表裏コピー) |
| ⑤ 自動車検査証(車検有効期限内のもの) ※新車購入の場合は登録書類で事前審査→登録後に車検証を確認 |
| ⑥-1【4月1日現在で所有している車の場合のみ】 自動車税納税通知書(申請時に届いている場合) |
| ⑥-2【年度途中で車を取得した場合のみ】 自動車税申告(報告)書のコピー |
| ⑦【以前減免を受けていた車がある場合のみ】 旧車の処分が確認できる書類(例:一時抹消登録通知書、名義変更後の車検証コピー) |
A4-1 減免申請には申請期限が定められています。期限を過ぎると減免が受けられなくなる場合があるため、速やかに手続きしましょう。
| ケース | 自動車税(種別割)の申請期限 |
|---|---|
| A-① 4月1日現在で車を所有し、すでに減免要件に該当している | 納期限(5月31日)まで (毎年この申請が必要。買い替えがない場合も同様) |
| A-② 4月1日以降に障害を取得するなど年度途中で減免要件に該当した | 概ね「翌年度4月1日〜納期限(5月31日)」まで ※自治体によって異なる(例:京都府は「要件該当年度の2月末日」など) |
| B-① 新たに車を購入し、初めて減免を受ける | 登録日から1か月以内 (期限を過ぎると申請日の翌月以降から月割で減免) ※自治体によって「登録日当日」の場合も |
| B-② 減免を受けていた車からの乗り換え | 新車の登録日または旧車の抹消登録日のうち遅い方から1か月以内 (期限を過ぎると月割減免) |
| C 同じ車で内容変更なく継続して減免を受ける | 納期限(5月31日)までに照会文書(減免申出書等)を返送 |

A4-2
はい、前年度と同じ車・同じ状況で減免を受ける場合でも、毎年度手続きが必要です。
毎年4月下旬頃に「自動車税の減免について(=減免申出書)」という照会文書が送られてきます。「車を買い替えたか」「障害の程度が変わったか」などの確認事項に回答し、必ず納期限(5月31日)までに郵送または持参で提出してください。
| 回答内容 | 対応 |
|---|---|
| 「変更なし」 | 減免継続 |
| 「変更あり」 | 課税、または改めて申請手続きが必要 |
| 回答なし | 翌年度から課税(減免なし) |
※照会文書の様式(ハガキ・書類など)や提出期限は自治体によって異なります。例えば秋田県では3月25日までの提出が求められるケースもあります。早めの確認・提出を心がけましょう。
A4-3
| ケース | 自動車税(種別割)の適用開始時期 |
|---|---|
| A-① 4月1日に減免要件該当 | 申請年度から(減免上限額あり) |
| A-② 年度途中で要件該当 | 申請月の翌月から月割計算(減免上限額あり) |
| B-① 新規取得・初めての減免 | 申請月の翌月から月割計算(減免上限額あり) |
| B-② 減免車からの乗り換え | 申請月の翌月から月割計算(減免上限額あり) |
| C 継続して減免を受ける(最も多いケース) | 回答「変更なし」→減免継続 回答「変更あり」→課税または再申請 回答なし→課税 |
今回は透析患者(腎機能障害)でも申請できる【自動車税(種別割)の減免制度】について解説してきました。
車に乗るには日々のガソリン代、定期的な車検、そして税金——実に9種類もの税金の名目がのしかかってくると言われています。「複雑な自動車税制!日本のドライバーの9割が”負担”だと感じている」というデータもあるほどです。透析をしながら仕事を続けている私も、まったく同感です。
これまでの経験上、リーマンショックや東日本大震災の影響でガソリンが高騰し、通勤するだけで交通費が赤字になったこともありました。ガソリン代の高騰に車検が重なった時期は、本当に家計が痛かったです(泣)。
最後に、自動車税減免のポイントを整理します。
| 1. | 腎臓機能障害(透析患者)でも自動車税(種別割)の減免制度がある。 |
| 2. | 減免には一定の要件・申請期限がある。 ・個人名義の自家用車(車検証に「自家用」と記載)に限る ・透析患者1人につき1台のみ ・使用目的(通院・通勤など)が確認される場合がある |
| 3. | 減免額には上限がある。上限を超える税額分は納付が必要。 |
| 4. | 【自動車税(種別割)】 「4月1日現在で車を持っている」→「納期限(5月31日)」が申請期限 「減免申出書」は必ず回答・提出すること |
| 5. | 【自動車税(環境性能割)・旧自動車取得税】 自動車取得税は2019年10月廃止。環境性能割も2026年3月31日廃止。 最新の取得時税制については各都道府県窓口に確認を。 |