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透析前後でも身体障害者手帳は申請できます。窓口で確認を!

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身体障害者手帳は取得したほうがいい

 

「身体障害者手帳」を目にしたことはありますか?

身体障害者手帳は身体障害者福祉法に基づき、身体に障害のある方の自立や社会活動の参加を促し、支援することを目的として交付されるものです。

 

障害にもさまざまありますが、手帳は身体障害者福祉法等をはじめとする福祉サービスの利用資格があることを示す証明書ということができます。

なお当サイトでは、主として血液透析をしている透析者を対象として取り扱っています。

 

 

・身体障害者手帳を取得するには認定基準に満たしていることが大前提
・申請時に必要な「身体障害者診断書・意見書」は「都道府県知事の定めた医師」が作成したもの
・自立支援医療(更生医療)や障害者医療費助成制度で活用できる
・民間サービスでも福祉サービスの一貫として、身体障害者手帳を使えることがある

 

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透析前後でも身体障害者手帳は申請できます。窓口で確認を!

透析療法(血液透析や腹膜透析)を行うことになった場合は、種別:腎機能障害(腎不全)で「身体障害者手帳」の申請を行うことができます。

申請は各自治体の福祉担当の窓口で行うことになりますが、

 

ここで注意しなければならないのは、身体障害者手帳は認定基準に該当する(した)としても、自動的に交付される(もらえる)わけではない、という点です。

 

身体障害者手帳を取得するためには「申請」が必要なのです。

 

「身体障害者手帳」の申請はいつから、どこで、どの段階でできるのか?

種別:腎機能障害を踏まえての「身体障害者手帳」の申請方法について説明していきます。

身体障害者手帳の障害等級・認定基準
→根拠規定は身体障害者福祉法。

 

《申請の手続き》


窓口:住民票のある各自治体(※)の福祉担当の窓口(福祉事務所や福祉担当課など)

(※)住民票のある各自治体は、市町村と特別区で作成される住民に関する記録のことを言います。
⇒例:住民票が熊本市にあるのであれば、熊本市へ申請することになります。

 

取得方法:

1.福祉担当の窓口で交付申請書のほか「身体障害者診断書・意見書」の用紙を入手してください。

⇒窓口だけではなく、書式のダウンロードができる場合があります。

 

2.「指定医」の診断を受け「身体障害者診断書・意見書」を作成してもらってください。

⇒ここで言う指定医とは、都道府県知事の定めた医師※※です。
透析療法(血液透析や腹膜透析)に関わるのですから、腎機能障害の指定医となります。

 

※※厚生労働大臣が定める認定機関の専門医の資格とされているので「日本腎臓学会の腎臓専門医」とか「日本専門医機構の腎臓専門医」ということになります。

 

⇒注:)指定医なので、すべての医師が指定でないことにも注意が必要です。
指定医のみが、医療費助成の新規・更新の申請に必要な診断書を作成することができるのです。

 

指定医の詳細は、都道府県のウエブページや福祉担当窓口で確認をしてください。

 

3.「身体障害者診断書・意見書」+写真+印鑑+マイナンバーが分かるものを福祉担当窓口に提出してください。

 

⇒「身体障害者診断書・意見書」は、申請書提出日から3か月~1年以内の日付で提出しましょう。

⇒本人写真(2枚←手帳・書類で必要。サイズ縦4cm×横3cm。上半身正面・脱帽)、印鑑(認印は可だがシャチハタ不可。自署の場合もあり)。

 

⇒マイナンバーが分かるものとは、個人番号カードまたは通知カード※です。
※通知カードの場合には、本人確認が必要なため、併せて運転免許証や保険証等も持参してください。

⇒代理人による申請もできます(代理権確認書類として委任状、身元確認書類として、運転免許証など)。

 

4.障害の程度が法に定める程度かどうか判定されます(障害等級の決定)。

⇒国が定めている身体障害者福祉法に身体障害者手帳の障害等級や認定基準があります。
障害の程度が法に定める程度かどうかについては「腎臓機能障害認定基準」に依ります。

 

⇒この「腎臓機能障害認定基準」はガイドライン扱いとされていますが、このことは各自治体で独自の基準を設けることができることにもなります。

 

Lそのため障害の程度が法の基準では「1級に不該当」だったとしても、各自治体の独自の基準で1級になる事も十分にありえます。

L「シャントを作った時点」で申請が出来、現に透析療法を行っていない慢性腎不全の人でも対象になる可能性はあります。

 

5.判定の結果認められると、申請してから通常は1~2か月で「身体障害者手帳」が交付されます。

⇒通常は1~2か月ですが、最近は他種別障害の拡大(※1)やより慎重な判定のため指定医への照会日数を増大させるといった方向性により、交付(※2)までに日数がかかる傾向にあります。

 

(※1)他種別障害の拡大
腎臓にも指定難病(IgA腎症など)があり、難病医療費の助成対象となります(平成25年4月に施行された「障害者総合支援法」で障害者の範囲に「難病等の方々」が加わっています。)

但し、必要と認められた障害福祉サービス等を受給することはできますが、「身体障害者手帳」で受けられる福祉サービス等とは全く異なるものとなります。

 

(※2)交付
基本的には対象者の居住地の「都道府県知事」が交付者になります。
但し、居住地が政令指定都市や中核市である場合は、その「政令指定都市・中核市」が交付者になります(身体障害者福祉法第15条、同条但書き)

→例:居住地が山形県大蔵村や山形市であれば、山形県知事が交付者になります。
→例:居住地が政令指定都市であるさいたま市であれば、さいたま市が交付します。
→例:居住地が中核市である那覇市であれば、那覇市が交付します。

 

⇒注:)上記の例で挙げたように、申請先と交付元は必ずしも一致しません。

 

たとえば、長崎県平戸市に住民票がある場合は、
平戸市の福祉担当の窓口(市民福祉部 福祉課 障害福祉班)に申請手続きを行い、長崎知事が身体障害者手帳の交付者となります。

障害者手帳は取得したほうがいい

医療費助成制度からみた「身体障害者手帳」の取得で得られる助成とは?

「身体障害者手帳」の取得をすることで、次の1、2で心身の障害を対象とした医療費について、自己負担額が軽減できるようになります(公費負担ありの医療制度)。

 

1.自立支援医療(更生医療)

→根拠規定は障害者総合支援法(旧:障害者自立支援法)です。

「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理表」を取得することにより、原則として自己負担額は「医療費の1割に相当する額」となります。

 

なお、所得区分に応じて自己負担限度額があります。

※なお、入院時の食費や生活に関わる費用(標準負担額相当)については、原則自己負担となります。但し自治体によっては負担補助がある場合があります。

 

対象者は、
・「18歳以上で身体障害者手帳を所持する人(等級問わず)」

・「高額治療継続者(※=旧:障害者自立支援法でいうところの「重度かつ継続」の範囲をいい、健康保険制度上の高額療養費で多数該当(過去1年間に高額療養費の支払いを4回以上受けている人を言います。そのため透析者のほか、腹膜透析や腎移植術にかかわる医療が含まれます。」

 

上記2点のほかにも、所得制限があります。

 

・「世帯」の市町村民税額(所得割)が235,000円以上の場合は、自立支援医療(更生医療)は対象外とされます(注:但し、平成30年3月31日までの経過措置で対象とされているので確認は必要です)。

因みに「18歳未満」の場合は、自立支援医療(育成医療)があります。

 

2.障害者医療費助成制度


各自治体(都道府県や市町村)が心身に重度の障害がある人に対して行う医療費を助成をする制度です。



優先順位は先の1.自立支援医療(更生医療)の次になります。

対象者は「身体障害者手帳」の取得者になりますが、障害者医療費助成制度の名称や対象となる障害、障害の程度、年齢または所得制限など、各自治体によってまちまちのため、確認が必要です。

 

以上、医療費助成制度からみた助成について見てきました。

 

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腎臓機能障害認定基準について

「障害の程度が法に定める程度かどうか」は、腎臓機能障害認定基準によります。

1.永続性の認定(腎臓機能障害が将来とも回復する可能性が極めて少ないもの)
2.等級の判定時期(慢性透析療法実施前の状態で判定)
3.程度等級の判定

 

以下、等級1級、3級、4級と腎臓機能障害認定基準(「腎機能検査」「生活活動能力」「その他の所見」の各々)を挙げます。

⇒「腎機能検査」は数値データーです。これも3区分(血清クレアチニン値※=Cr値ないしクレアチニン・クリアランスのいずれかの範囲)によって区分されています。

 

※血清クレアチニン値=Cr値。
クレアチニンは筋肉に含まれているタンパク質で老廃物です。

腎臓の機能の低下とともに、血清クレアチニンの値※※は高くなっていきますが、値が8.0mg/dl以上となると透析導入の検討時期と言われています。

※※血清クレアチニン値の範囲は、1級(Cr8mg/dl以上)、 3級(Cr5~8mg/dl)、 4級(Cr3~5mg/dl)です。

 

【1級】


腎機能障害:

・血清クレアチニン値(=Cr)8mg/dl以上

あるいは

・クレアチニン・クリアランス 10ml/分未満

 

生活活動能力:「自己の身辺の日常生活活動が著しく制限されるか、または血液浄化を目的とした治療を必要とするもの、もしくは極めて近い将来に治療が必要となるもの」

→シャントを作った場合は、1級の生活活動能力「~極めて近い将来に治療が必要となるもの」にあたるわけです。

 

→データー次第では透析療法を行っていない慢性腎不全の人でも、身体障害者手帳申請の対象になる場合があり、「各自治体による」というのはそのためです。

Lよって、必ずしも人工透析=1級でもないということにはなります。

 

【3級】

腎機能障害:
・血清クレアチニン値(=Cr)5.0mg/dl以上8.0未満

あるいは

・クレアチニン・クリアランス 10ml/分以上20ml/分未満

 

生活活動能力:「家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障はないが、それ以上の活動は著しく制限されるか、またはその他の所見(※)のうちいずれか2つ以上の所見があるもの

 

(※)その他の所見
1)腎不全に基づく抹消神経症
2)腎不全に基づく消火器症状
3)水分電解質異常
4)腎不全に基づく精神異常

5)エックス線写真所見における骨異栄養症
6)腎性貧血
7)代謝性アシドーシス
8)重篤な高血圧症
9)腎疾患に直接関連するその他の症状

 

【4級】

腎機能障害:
・血清クレアチニン値(=Cr)3.0mg/dl以上5.0未満

あるいは

・クレアチニン・クリアランス 20ml/分以上30ml/分未満

 

生活活動能力:「家庭内での普通の日常生活活動または社会での極めて温和な日常生活活動のついて支障がないが、それ以上の活動は著しく制限されるか、またはその他の所見(※)うちいずれか2つ以上の所見のあるもの

⇒【3級】【4級】にあっては「その他の所見(※)うちいずれか2つ以上の所見」が付されます。

 

◇まとめにかえて

「身体障害者手帳」の意外な勘違いがお分かりになりましたか?

これまでにも触れてきましたが、まず身体障害者手帳の「申請先」と「交付者」が異なることがあるという点です。福祉制度や医療制度、年金制度ではよくあることなので、注意しましょう。

 

それから、年金との関わりです。

障害年金にも等級(障害基礎年金では1級や2級)はありますが、これは身体障害者手帳の等級や手帳の有無とは何ら関係はなく、全く別のものになります。

 

こちらも障害者手帳をもとにした福祉・医療サービスと障害年金とは混同しがちな部分です。

 

では今一度、腎機能障害の「身体障害者手帳」の申請等に限ったポイントをまとめてみましょう。


1.腎機能障害の「指定医」による診断書・意見書が必須です。

2.腎臓機能障害認定基準はありますが、ガイドラインとされており、各自治体によって障害認定基準が異なる場合があるため、確認が必要です。

3.腎臓機能障害は、重いほうから1級・3級・4級(2級はありません)であり、「身体障害者手帳」の等級に連動します。

 

L等級が1級の場合、血清クレアチニン値(=Cr)は8.0mg/dlを超えるものとされます。

 

4.再交付の手続き(障害の程度を変更した時、または新たな障害が生じた時、手帳を紛失した時も、先の《申請の手続き》に準じて再交付の申請を行います。

Lなお、居住地の変更、氏名変更、所持者が死亡した場合や障害者手帳の基準に非該当になったな場合等でも手続きは必要になります。

 

5.透析療法(血液透析や腹膜透析)から腎臓移植を行うことがあります。

腎臓移植後であっても抗免疫療法を行っている場合は、身体障害者手帳の対象となるため返還は必要はありません(但し、抗免疫療法を要しなくなった後に、改めて認定基準に該当する等級になった場合は、再認定することも考えられます)。


最後に、身体障害者手帳を利用する場面は意外と多いものです。

私が透析を導入した後、ハローワークへ行ったり転職支援セミナーへ参加したときに、はじめて「身体障害者手帳」を提示しました。

 

障害者の求人要件があるかどうか確認のためです。

就職や転職活動で「障害者枠」で応募する際に、また会社と労働契約を結ぶ際に「身体障害者手帳」のコピーは求められることがありますので、必須と考えてもらって構いません。

 

ほかにも税金(所得税・住民税)の減免であったり、民間企業のサービスで身体障害者手帳を提示、書類上の手続きを行うことで、交通運賃の割引や通信料等の割引き等が受けられることもあります。

 

もしあなたが腎臓機能障害認定基準に満たしているのであれば、早めに、身体障害者手帳を取得のためにも申請を行っておいたほうがよいでしょう。