スポンサーリンク

透析導入者は【不均衡症候群】を乗り越えなければならない。

透析者の不均衡症候群とは 透析による慢性合併症

この記事は約 13 分で読めます。

透析者の不均衡症候群とは

 

今回は特に透析導入時に多いとされる「不均衡症候群」について取り上げていきます。

私が透析しはじめたのは20代後半でしたが、不均衡症候群について看護師さんから説明を受けました。

 

末期の腎不全で尿毒症がひどくなり、もう目先、すぐにでも始まるだろう血液透析に対して、不安感や緊張感、透析に対する疑義などいろいろものが、自分のなかに積み重なっていました。

腎不全に至るまでの腎臓病の治療は、食事療法が基本中の基本でしたが、なおさら「運動も控えるように!」となると、運動もできないでいることもストレスになりました。

 

当時は「腎臓に負担をかけさせないためにも、運動は避けるべき」というのが当たり前で、ふつうだったわけです。

現在では、派手な運動こそ避けるべきですが、「適宜な運動ならしたほうが良い」となり、条件は緩めになっています。

 

腎不全末期から透析導入へ。

血液透析導入と同時に、今度は不均衡症候群に。

 

「正直若くても老いても関係ない!具合が悪いものは悪い!」

 

不均衡症候群になってはじめてわかる、この症状。

ことばの表現が見当たらなくて例えが宜しくないですが・・・。

透析導入者(透析初めて間も無い、まだ透析に慣れてない人)にとって「不均衡症候群」とは、はじめての合併症であり、血液透析の登竜門なのかな、と私なりに感じました。

 

・不均衡症候群は透析者導入者にとって最初の登竜門。はじめてかかる合併症の症状に。
・頭痛や吐き気、脱力感といった諸症状が出てくる。
・不均衡症候群はいつ消失するかは、医師もわからないし予測もできない。透析に慣れていけば自然と消えていく。
 
スポンサーリンク
スポンサーリンク

不均衡症候群は、大抵透析初めて間もないに多い!?

血液透析に特有の合併症でもあるのが不均衡症候群なのですが、特に透析導入者に起こりやすい、かかりやすいことは、一般的によく知られています。

なぜ不均衡症候群に起こりやすいのか?かかりやすいのか?

 

仕組みとしては、こうです。

透析前の体内というのは、尿毒症に近い状態です。

血液透析が始まると、まず身体にある血液の老廃物から「急速に取れて」きれいになり、そのあとで細胞の中に入っている老廃物が血液中から出てきて、浄化されていくという経過をたどります。

一方で血液の老廃物と違って、脳内にある老廃物のほうはすぐには取れず、抜けきれません。

 

とりわけ後者(脳内)の方。

この老廃物が取れにくい脳内との間で濃度差が発生してしまい、濃度の高い脳内へ周りから水分を吸い取ってしまいます(イメージとしては脳内では野菜を塩もみすると野菜から水分が抜けて萎れたように柔らかくなる。まさしく「青菜に塩」の状態)。

そのため脳内の圧力が上がってしまい、脳内は浮腫んだ(むくんだ)状態になってしまうのです。

当然ですが、


今まで血液透析を経験もしたことがない人が、はじめて透析導入することとなり、透析中や透析後に頭痛や吐き気等を感じてしまうのは、透析によって老廃物が「急速にとれて」「脳圧が高くなり脳が浮腫んで」しまうからなのです。

つまり、「不均衡症候群」とは脳のなかで生じる副作用だと言えるわけです。

 

不均衡症候群の症状とは?

脳内はむくんだ状態に

では「不均衡症候群」にはどのような症状があるのでしょうか?

透析を始めてから2~3時間経過すると、頭痛や吐き気、脱力感といった諸症状がでてきます。

もっとも反応が早い人ですと、30分~1時間で症状が出る場合もあります。

また、透析を終った後であれば12時間以内に、同じような症状が現れることがあります。

 

具体的な症状ですが、当然ながら透析者によってその出方や程度等は異なります(個人差あり)。

 

・症状と所見(まとめ)

・頭痛、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、痙攣(けいれん)、視力障害などがあり、
全身症状としては、血圧低下、筋けいれん、全身倦怠感などがあります。

 

それらの症状が出そうだ、出た時は決して無理はせず、我慢はしないでください。医師、看護師さんに知らせて対処してもらってください。

 

参照:「血液透析(HD)の手順・流れは確認しておいた方がよいわけ

 

 

「不均衡症候群」は透析導入者に多いとは言うものの、実は慣れた透析者であっても起こりうるものです。

特に血圧低下の傾向にあることは普通にありますし、「頭痛」「悪心・嘔吐(おうと)」などになることもあります。安定していれば良いのですが・・・。

 

 

・頭痛

→透析中、脳内の圧力(脳圧)が上がってしまう結果、頭痛が起こります。

 

・血圧低下

→透析中は血圧が下がり気味になります。透析は老廃物の濾過と除水を行っています。
心身(心臓や血管)に「大きな負荷」をかけていますし、体にある電解質を「急激に改善」することでも血圧低下を招きます。

→透析前から体調が優れない、全身症状が良くない時でも血圧に影響します。

→血圧低下によって、あくび、眠気、顔面蒼白、吐き気、心臓がドキドキする、冷や汗、息切れ、目がかすむ・・・最悪、意識低下などが出てきます。

 

⇒「血圧低下」を予防するためには、食事療法(ふだんから、塩分・水分の取り過ぎにならないよう、体重増にならないように注意が必要です。

なぜなら、体重を増やしすぎると多量の除水が必要となるため、血圧低下を招きやすくなるからです。

※もし、血圧低下を感じたら枕を外して頭を低くしてください。また吐きそうなとき、顔は横に向けて下さい。

 

・筋けいれん

→除水量が適切でない場合、急激な除水を行った時、血液中の電解質バランスが崩れた時に起こりやすいです。
特に足の筋肉に見られ、足や腕の筋肉にこわばりや痛み、突っ張り感を感じることがあります。

 

⇒「筋けいれん」を予防するためには、筋けいれんも同様で、食事療法(食事・水分制限を守ること)が大事です。

※けいれんが起きたら、マッサージをしたり、温めたりしてみてください。

 

そもそも不均衡症候群の予防はできるのか?

不均衡症候群に予防のために、何か解決策はあるのでしょうか?

先ほど症状を挙げました。

「血圧低下」や「筋けいれん」など、透析導入者、透析者で予防!?できることは、結局のところ食事療法(食事・水分制限を守ること)を行うことに、ほかなりません。

 

腎臓病に比べたら、いっそうの水分制限やリン・カルシウムの調整などが増えて自己管理が大変なのですが、食事療法をすることで「体内に多量の老廃物を溜めないようにすること」が大切だ、というこが言えます。

食事療法を継続しなければ「体重増で除水量が増えて、その結果、心臓や血管に負担が増える」。
そして血圧低下や筋けいれんなど、どこかで自分に跳ね返ってきますから・・・。

 

 

透析していても「食事療法は基本中の基本」です!

 

それから回診中に医師からは「不均衡症候群の症状もしばらくすると慣れますよ!」と説明を受けるでしょう。

何となく意味のない無責任な言い方のように感じてしまうかもしれませんね。

実は、そういうふうに説明せざる負えないのです。

なぜなら、

不均衡症候群の症状には個人差があって「いつまで続くのか」「いつなったら消えるか」は全くもって分かりませんし、予測することもできません。

 

ただ時間が経って透析に慣れてくれば・・・という「一過性」のものである、のです。

 

一方で、透析導入者・透析者自身だけでは予防できないこともあります。

参考までにはなりますが、透析中に行う医療的処置・予防について挙げておきます。

 

・透析導入者の場合、透析に慣れていないので「緩やかな透析条件※」で行っていきます。つまり、徐々に体を慣れさせていく、覚えさせていくことで不均衡症候群を予防します。

⇒※緩やかな透析条件・・・短時間透析のこと(通常4~5時間透析→最初のうちは2~3時間内の透析を行うことで症状が出る前に透析を終えるようにします)

 

⇒透析効率も緩めに設定(小膜膜面積のダイアライザーの使用することで、尿毒素の量を抑えて体液の性状変化※※を少なくし、不均衡症状を予防します。)

※体液の性状変化・・・体重増加や浮腫(むくみ)の増強、血圧の上昇などをいいます。低血圧やDW(基礎体重)が低すぎるなどがそうです。

 

⇒除水量の抑制(除水量を抑えることで、血管内の脱水をできるだけ回避し、血圧低下も予防します。)

⇒頭痛薬等の使用(頭痛には鎮痛薬 脳圧を下げる薬(点滴)。けいれんには抗けいれん薬、悪心・嘔吐には制吐薬。)

 

このようにして、不均衡症状が出ないように、当初は透析効率(透析時間、ダイアライザーの大きさ、血液流量など)を落としながらも、次第にあげていきます。

 

□まとめにかえて

不均衡症候群は時間の経過とともに消えていく

不均衡症候群は徐々に消えていくと言いますが、透析導入者である本人でないと分からないものがあります。

まず透析中にその症状が出てくると、ベッドで起きていようが横たわっていようが、カテーテルにもつながっている状態ですので、全くもって身動きができません。

 

何とかしたいと思いにからわれますし、じっとしていられなくなります。

それだけではなく、4時間もの長い透析時間、写ってる周りの透析者、仕事や家庭のこと・・・。
透析への緊張感や不安感、ストレスも一層、不均衡症候群の症状を助長させてしまいますね。

私の場合ですと、不均衡症候群の期間は短かったように記憶しています。

当時の私は「時間を有意義に使いたい」ちう気持ちの一心で、TVを見たり読書をしようとしたりして、何とか不均衡症候群に陥らないようには、何かと意識していたものです。

 

「病は気から!」というのなら、気を紛らわせれば少しは楽になるかなと。

でもさすがに、頭の脳のほうからそして身体へも反応してきましたね。

 

透析しはじめてから2、3時間となって低血圧や頭痛といった症状が起きてしまいました。

看護師さんを呼んだところで「その時の処置」はしていただきましたが、すぐに良くなるものではありません。透析終わりの時間までの、残り2時間、あと1時間・・・。

時計を見るたびに、辛かったです。

「不均衡症候群はいろいろと症状出てくるから、嫌なんだよなあ~。TVも読書も集中できないよ・・・。」

そうなるでしょうね。もう、こればかしはどうしようもありません。

 

透析導入者は「不均衡症候群」を乗り越えなければならない。

 

透析者である私ですが、透析を導入された方は「不均衡症候群」という最初に経験するであろう、この合併症の時期をなんとしても乗り越えて欲しいと思います。

 

タイトルとURLをコピーしました