2019年8月4日

更新日: 2026年7月26日

あなたは回転寿司・高級寿司店に月何回、足を運びますか?
私は月1回くらい行きます。私の家族も寿司が好きなので、回転寿司店に負けないくらい美味しいスーパーのお寿司を買ってきては、食べることもありますね。
それだけ、寿司は日本人の身近にある食材であり、生活に浸透しているわけですね。誤解されているところもあるのですが、透析患者だからといって、寿司が食べられないわけではないですよ!
私自身、20年超透析を行っているなかで、寿司との付き合い方を少しずつ工夫しながら、今でも楽しんで食べています。この記事では、腎臓病・透析患者が寿司を安心して楽しむための、カリウムとリンに注目した食べ方のコツをお伝えします。
・正しい寿司の食べ方というか、外食も中食の基本は「調整しながら食べる」
・シャリ(酢飯)はカリウム(≒塩分)が高い。しょうゆのつけすぎにも注意
・汁物は身だけいただくか、避けるべき ・うに・イクラはリンが高いので食べすぎないように
・海鮮丼よりは、にぎり寿司の方が調整しやすい
外食や中食(調理済み食品のこと)を利用する機会が多いと思いますが、「リンや塩分が多い」ことは、よく知られています。
参照:「コンビニ弁当・外食はリンが宝庫?便利だけど【毎日は危険】」
今回は寿司ですので、さらに質問です。「寿司ネタ、何を何皿食べますか?」
寿司9貫入りの場合でみていきましょうか。1貫あたりのシャリ(酢飯)の量を20g・ネタ15gとします。寿司ネタは、トロ、いか、赤貝、たまご、ほたて、サーモン、えび、赤えび、あなご。
9貫あたりの、エネルギー428kcal、たんぱく質20g、リン260mg、カリウム348mgとなります。
単純にシャリというのは酢の入っているご飯だし、魚だから体にも良いし、透析にもあまり影響もないっていう、勝手な先入観を持ってしまうことってあるんですよね。
なぜなら、腎臓病治療中のときは、たんぱく質のことが気になっていました。低たんぱくを維持しつつも高カロリーのものを摂る、という発想だったんです。まずはお寿司の盛り合わせの魚類を減らし、海鮮丼などは食べないようにしていたのを記憶しています。
そして、かっぱ巻やかんぴょう巻きを多めにし、ゴマや具材の風味で味調整をしたちらし寿司をよく食べていました。
今回の9貫のネタは、スーパーのお寿司コーナーにあるスタンダードなものばかりです。
しかし、透析患者にとって腎臓病治療ではあまり気にしなかった「カリウム(K)」や「リン(P)」も、これからは気にしなければなりません。
寿司ネタにうにやイクラ、赤身となってくると、必然的にリン値が高くなってしまいます。場合によっては、リンに偏ってしまうこともあります。今回のリン260mgは許容範囲と言えるでしょう。
ちなみに、同じ寿司店に行けば、にぎり寿司と海鮮丼どちらにしようか迷うこともありますよね。海鮮丼はうにやイクラがどっさり乗っていて、極端にリンが高くなってしまいます。調整しやすさからすれば、にぎり寿司がおすすめです。
それから今回はカリウムが348mg(塩分2.4g相当)です。寿司で塩分がどうしても多くなってしまうのですが、理由は分かりますか?
これは、シャリには塩分や砂糖が多く含まれているからなんですね。
本来なら塩分のないお酢は、疲労回復や食欲増進効果、減塩対策にもってこいなのですが、寿司の場合は注意すべきポイントです。
つまり、「寿司を食べる→塩分・砂糖を摂る→喉が渇く→お茶(水)が欲しくなる→体重が増える」という循環になってしまいがちです。
私は魚のネタで寿司を食べたいので、肉とかちょっと派生した寿司に手を出すことはありません。ハムやベーコン、味付けされた肉といった加工品が寿司ネタにあるわけですが、やはりそれらもカリウムやリンには気をつけないといけませんね。
正しい寿司の食べ方といいますか、外食にしろ中食にしろ「調整しながら食べる」というのが、腎臓病・透析患者にとっての基本的なスタンスですよね。

「気になる寿司ネタのカリウム、リンはどれくらいあるのか?」気になりますよね。以下の表では、シャリ20g・ネタ15gで計算しています(1貫あたり)。
| まぐろ | トロ | イクラ | うに | うなぎ | |
| エネルギー | 53 | 84 | 74 | 53 | 77 |
| たんぱく質 | 4.4 | 3.6 | 5.3 | 2.8 | 3.9 |
| カリウム | 62 | 42 | 38 | 58 | 51 |
| リン | 49 | 36 | 86 | 67 | 50 |
| サーモン | たまご | いか | たこ | えび | |
| エネルギー | 54 | 55 | 47 | 45 | 49 |
| たんぱく質 | 4 | 2.1 | 5.3 | 2.7 | 3.6 |
| カリウム | 62 | 25 | 57 | 35 | 73 |
| リン | 39 | 33 | 47.5 | 36 | 53 |
ウニやいくらなどの卵ものはリンが高め。まぐろやトロの赤身ものはカリウムが高めです。ふだんの生活のなかでも魚や刺身を購入することもあるでしょう。ざっくばらんで良いですから、こんなふうに覚えておけば良いでしょう。
回転寿司や持ち帰り寿司を利用する際は、上の表を参考に「リンが高いネタ(うに・イクラ)」と「カリウムが高いネタ(まぐろ・トロ・えび)」を1皿ずつに抑え、たまご・いか・たこ・サーモンなど比較的バランスの良いネタを中心に選ぶのがおすすめです。
1回の食事でうにやイクラを2皿以上続けて食べると、リンの摂取量が一気に増えてしまうので注意しましょう。私は「好きなネタは1皿だけ、あとはバランス重視」というルールを自分の中で決めています。
茶碗蒸しや味噌汁などのサイドメニューは、カリウムや塩分が意外と多く含まれています。可能であれば汁物は避けるか、具だけをいただくようにしましょう。デザートの果物や杏仁豆腐なども、カリウムを含むことがあるため、食べる量には気をつけたいところです。
寿司屋では緑茶が定番ですが、緑茶にもカリウムが含まれているため、水分制限がある方は飲む量に注意が必要です。特に濃く出した緑茶や粉茶は、カリウムが高くなる傾向があります。喉が渇きやすい寿司のあとは、飲み過ぎないよう意識することが、体重管理にもつながります。
【表:腎臓病・透析患者が寿司を食べるときのチェックポイント】
| 項目 | 工夫のポイント |
|---|---|
| ネタの選び方 | うに・イクラは1皿まで、赤身も食べすぎない |
| 丼か握りか | 海鮮丼よりにぎり寿司の方が調整しやすい |
| 調味料 | しょうゆのつけすぎ・ガリの食べ過ぎに注意 |
| 汁物・飲み物 | 汁物は身だけ、緑茶は飲みすぎない |
| 栄養バランス | 野菜のおひたしやサラダも一緒に摂る |
寿司は日本人の誰もが好きだと思います。祝い事や各行事、おもてなしで・・・何かと欠かせないものです。寿司にも今回の握り寿司や押し寿司、ちらし寿司、巻き寿司、蒸し寿司と様々です。そこに生魚や味付魚、具材などが乗ってくるのですから、奥深い料理だと、つくづく感じます。
山形県庄内方面(酒田・鶴岡)へ旅行で行ってきました。ふだんの生活はというと、100円の回転寿司店に行くことが多いわけですが、さすがに日本海側ということもあって、シャリといい、ネタといい、新鮮で切り身も大きくて、食べ応えがありました。
「1貫にあと20~30円を上乗せすれば、こんなネタで食べることができるんだ!」
最近の回転寿司業界は、「回転寿司」そのものが消えていく運命なのかも!?ということ。『特急レーン』や『ストレートレーン』といったもので、新幹線や特急列車を見立てたものでお客様のところまで寿司を届ける。「回転寿司」の歴史も四半世紀以上が経過していますが、今原点に戻りつつあるのかなという感じがしてなりません。
食べたい寿司はタッチパネルで注文!何よりもネタが新鮮ですから。子どもたちには、新幹線や特急列車で興味や好奇心も引き立てますしね。
とかく、腎臓病・透析患者は外食や中食の食べ方には工夫、調整が欠かせません!寿司も正しい知識さえあれば、無理に避けることなく、上手に付き合っていける食事の一つです。