【透析患者とみかん】カリウム怖い!?賢い食べ方と安心のヒントを伝授

PR

【透析患者とみかん】カリウム怖い!?賢い食べ方と安心のヒントを伝授

あの甘酸っぱい香り、家族と食べる温かい時間…みかんって、なんだか特別な果物ですよね。私も大好きなんです。でも、透析をしていると「カリウムが高いからダメ!」なんて言われて、寂しい思いをしている方も多いんじゃないでしょうか。食べたい気持ちと、制限しなきゃいけない現実。そのジレンマ、透析歴20年超の私も、痛いほど、本当に痛いほど分かります。

「みかん、本当に一口も食べちゃいけないの?」「少しでも安全に食べる方法はないの?」そんなあなたの切実な声に応えたい。

この記事では、みかんと上手に付き合うための具体的なヒントや、カリウム制限があっても食生活を楽しむための考え方をお伝えしていきます。諦めてしまう前に、ちょっとだけ私の話し、聞いていってください。きっと、あなたのお悩みを軽くするお手伝いができますよ。

目次

なぜ透析患者は「みかん注意報」が出るの?

まず、基本の「き」からおさらいしましょうか。なんで透析をしていると、みかん(というかカリウム)に気をつけなきゃいけないんでしょうね。健康な人の体では、腎臓っていう働き者の臓器が、血液の中から余分なカリウムをフィルターみたいに濾し取って、おしっこと一緒に体の外に出してくれます。カリウム自体は、筋肉を動かしたり、心臓が規則正しくドキドキしたりするのに欠かせない、とっても大事なミネラルなんですけどね。

ところが、腎臓の機能が低下してしまうと、このカリウムを体の外に出す力が弱まっちゃうんですよ。そうすると、血液の中にカリウムがどんどん溜まってきてしまう。これが「高カリウム血症」っていう状態。これがまた厄介で、ひどくなると手足がしびれたり、気持ち悪くなったり、最悪の場合は心臓が止まってしまう危険もあるんです。…ちょっと怖い話になっちゃいましたが、「透析患者はカリウムの摂取量に気をつける必要がある」、というわけです。

みかんは、果物の中でも比較的カリウムが多く含まれている部類に入ります。だから、「透析患者さんはみかんを避けた方が良い」って、よく言われるんですね。病院の栄養指導なんかでも、真っ先に注意される食品の一つかもしれません。私も透析導入当初は、もう「みかん=毒」くらいの勢いで思い込んでましたから、ハイ(苦笑)。

「絶対ダメ」じゃない!みかんとの賢い付き合い方

ここからが本題です。「みかんはカリウムが高いほうであるから注意」というのは事実。でも、だからといって「みかんは生涯一口も食べられない!」と絶望する必要は、無いです!大事なのは、「量」と「頻度」、そして「食べ方」を工夫すること。ゼロか百かじゃないんですよ。

量と頻度をコントロールする勇気

じゃあ、具体的にどれくらいなら大丈夫なの?って思いますよね。正直に言いいますと、「人による」としか言えないのが現状です。あなたの体の状態、透析の条件(時間や頻度、ダイアライザーの種類とか)、他の食事内容によって、カリウムの上がりやすさは全然違うからです。

一般的な目安として、よく「1日に小さいみかん半分〜1個まで」なんて言われたりしますけど、鵜呑みにするのは危険です。あくまで一般的な話。

私の場合は、透析のある日は検査結果を見ながら「今日はちょっと余裕ありそうだから、小さいの1個いっちゃおうかな」とか、逆に「うーん、先週ちょっと高かったから、今日は半分にしておこう」とか、そんな感じで調整しています。透析のない日は、もっと控えるようにしていますね。まあ、これは私の20年超の試行錯誤の結果、たどり着いたマイルールみたいなものです。

一番大事なのは、必ず主治医の先生や管理栄養士さんに相談すること。「みかん、少し食べたいんですけど、私の場合どれくらいなら大丈夫そうですか?」って、勇気を出して聞いてみてください。きっと、あなたの血液検査の結果や体の状態に合わせて、具体的なアドバイスをくれるはずです。「こんなこと聞いてもいいのかな…」なんて遠慮は無用ですよ!自分の体ですから、ちゃんと知りたいじゃないですか。

みかんを食べるタイミングもちょっとしたコツがあるかもしれません。私は、透析でしっかりカリウムを除去してもらった直後、つまり透析が終わった後に少しだけ食べるようにしています。なんとなくですが、「気分的に安心かな」と。

みかんの種類や食べ方、ちょっとした工夫

「みかん」と一口に言っても、いろんな種類がありますよね。温州みかん、伊予柑、ポンカン、デコポン…それぞれ、大きさも違えば、含まれるカリウムの量も微妙に違ったりします。一般的には、やっぱり温州みかんが比較的手頃でカリウム量も把握しやすいかもしれません。ただ、これも品種改良とかで変わってくる可能性もあるので、「この種類なら絶対大丈夫!」とは言い切れないのが難しいところ。

主要柑橘類のうまみ・産地・カリウム含有量一覧

柑橘名 うまみ・特徴 主な産地 カリウム含有量
(mg/100g)
温州みかん 甘みと酸味のバランスが良く、ジューシー。袋ごと食べやすい。 和歌山県、愛媛県、静岡県 130-150
伊予柑 爽やかな香りと甘酸っぱさ、多汁でジューシー。 愛媛県(全国生産の約9割)、山口県、和歌山県 180-210
ポンカン 香り高く甘みが強い。皮がむきやすく袋ごと食べやすい。 愛媛県、高知県、鹿児島県 160-190
デコポン
(不知火)
濃厚な甘みとほどよい酸味、果肉がやわらかくジューシー。 熊本県、愛媛県、和歌山県 180-200
グレープフルーツ 爽やかな苦味と酸味、果汁が多い。 アメリカ、南アフリカ、イスラエル(日本国内では主に輸入) 140-160
オレンジ 甘みと酸味が強く、果汁が多い。香りも良い。 アメリカ、オーストラリア、和歌山県(ネーブル・バレンシア) 180-200
※カリウム含有量は日本食品標準成分表2020年版を参考にした一般的な値。
※産地・特徴は主に国内流通・旬の情報をもとに記載。

 

食べる時の工夫としては、薄皮や白い筋の部分は、実の部分よりもカリウムが多いと言われています。なので、面倒でも、できるだけ取り除いてから食べる、というのも一つの手かもしれません。まあ、私は結構面倒くさがりなので、そこまで徹底はできてないですけど(笑)

 

主な柑橘類のカリウム含有量(可食部100gあたり目安)
種類 カリウム量 (mg) 体感コメント(あくまで個人の感想です!)
温州みかん 130-150 一番身近か。小さいものを選んで、量を調整しやすいかな。
伊予柑 180-210 大きくて食べ応えあるけど、その分カリウムも多めな印象。半分でも結構な量。
ポンカン 160-190 甘くて好きだけど、これも注意が必要。皮が剥きやすいのは嬉しい。
はっさく 180-200 独特の苦みが好き。でもカリウムは油断できないレベル。
オレンジ(ネーブル) 180-200 ジュースのイメージ強いけど、生も美味しい。やっぱり量は控えめに。
グレープフルーツ 140-160 薬との飲み合わせ注意!なイメージが先行。カリウム自体は温州みかんと近い?でも薬の影響考えると避けるのが無難かも。※要確認!

※注意:これらの数値はあくまで目安です。品種、栽培条件、個体差によって変動します。また、体感コメントは透析患者である私個人の感想であり、医学的な根拠に基づくものではありません。必ず主治医や管理栄養士にご相談ください。

この柑橘類のカリウム含有量の表を見てどう思います?やっぱり種類によって結構違うんですよね。でも、結局は「食べる量」が一番大事だってことが分かると思います。100gあたりの量が少し少なくても、大きなものを丸々1個食べちゃったら、結局たくさんのカリウムを摂ることになっちゃいますからね。

それから、注意したいのが「加工品」であるみかんの缶詰とか、100%みかん、オレンジジュースとか。

透析患者にとってはみかんの缶詰が手柄で購入しやすいのです。が、「シロップを捨てれば大丈夫?」と思いきや、果肉自体に糖分と一緒にカリウムも染み込んでいる可能性があるので、注意が必要ですね。

一方でみかんやオレンジといったジュースは、ゴクゴク飲めてしまうので、思った以上にカリウムを過剰に摂取してしまう危険性が高いです。手軽だからって安易に手を出すのは、ちょっと待った!です。次に、みかんやオレンジといったジュースについても見てみます。

透析患者にとってのみかん・オレンジジュースのメリット・デメリット

ストレート・濃縮還元ジュースの違い

種類 特徴 カリウム含有量(100mlあたり)
ストレートジュース 果実を搾ってそのままパックしたもの。香りや風味が新鮮で、栄養成分も果実に近い。 130mg(みかん)
194mg(オレンジ)
濃縮還元ジュース 果汁を一度濃縮し、再び水分を加えて戻したもの。保存性が高く、味はややマイルド。 110mg(みかん)
194mg(オレンジ)
※カリウム含有量は商品や果実の種類によって変動。

メリット・デメリット一覧

メリット デメリット
みかん・オレンジジュース全般
  • 飲みやすく、ビタミンCやクエン酸などの栄養素を手軽に摂取できる
  • 水分補給や食欲不振時にも利用しやすい
  • カリウム含有量が高く、500ml飲むと550~950mgと1日の制限量の1/3~1/2近くを占める
  • ゴクゴク飲めてしまうため、飲みすぎによるカリウム過剰摂取や水分過剰の危険が高い
  • リンや糖分も含み、血糖・リンコントロールにも注意が必要
ストレートジュース
  • 果実本来の風味・香りが楽しめる
  • 添加物が少ない傾向
  • カリウム量は濃縮還元よりやや高い場合がある
  • 価格が高めで日持ちしにくい
濃縮還元ジュース
  • 保存性が高く、入手しやすい
  • 味がマイルドで飲みやすい
  • 果実本来の風味はやや劣る
  • カリウム量はやや低いが、飲みすぎれば危険性は同等

透析患者がみかん・オレンジジュースを飲む際の注意点

  • カリウム摂取量(1日2,000mg以下)を必ず守り、飲み物からの摂取は500ml以下に制限する
  • ゴクゴク飲みやすいため、思った以上にカリウム・水分・糖分・リンを摂取しやすい
  • 果汁100%ジュースは特にカリウムが多いので、できるだけ控える
  • 飲む場合は量を決めて、他のカリウム摂取量とバランスをとる
  • 十分な透析(Kt/V 1.4以上)が前提(※※)
※ストレート・濃縮還元ともに、飲みすぎは高カリウム血症や体重増加のリスクとなるため、必ず主治医・管理栄養士と相談を。

※※Kt/V(ケイティーオーバーブイ)は、透析治療でどれだけ体内の老廃物(主に尿素)が除去されたかを示す指標です。

・K:1分間あたりの血液から老廃物を除去できる量(クリアランス)
・t:透析時間(分)
・V:体内の総体液量

この値が大きいほど、体内の老廃物がしっかり除去されていることを意味します。

なぜKt/Vが「1.4以上」が必要なのか?というと、

・日本透析医学会のガイドラインでは、Kt/Vは最低でも1.2、目標は1.4以上が望ましいとされています。

・Kt/Vが1.4未満だと、老廃物の蓄積による合併症や死亡リスクが高まることが分かっています。1.4以上であれば、合併症や死亡リスクが低下し、より良い生活・人生の質(QOL)が期待できます。

なので、透析患者がカリウムを多く含むジュースなどを摂取する場合は、体内のカリウムや老廃物をしっかり除去できている(=十分な透析ができている)状態、つまりKt/V 1.4以上が保たれていることが前提となります。これを下回ると、カリウムや老廃物が体に残りやすくなり、高カリウム血症などのリスクが高まります。

「十分な透析(Kt/V 1.4以上)が前提」とは、体内の老廃物やカリウムなどがしっかり除去できている状態であり、これを満たしていない場合は、特にカリウムを多く含むジュースなどの摂取は控えるべき、という意味になります。

みかんだけじゃない!透析してでも楽しめるフルーツの世界

「みかんがダメなら、もう果物は諦めるしかないの…?」なんて思わないでください。世の中には、みかん以外にも美味しい果物はたくさんあります!そして、中には比較的カリウムが少なめで、透析患者でも量を工夫すれば楽しめるものもあるんですよ。

例えば、よく言われるのが「りんご」や「梨」。これらは、みかんに比べるとカリウム含有量が少なめです。シャキシャキした食感も良いですよね。ただし、これもやっぱり「食べ過ぎは禁物」。りんごなら1日に1/4〜半分くらい、梨も同じくらいが目安でしょうか。

皮の部分にカリウムが多め、なんて話も聞くので、気になる方は皮をむいて食べるのが良いかもしれません。あ、でも皮の近くには栄養も多いっていうし…悩ましいところですよね(笑)これも先生に相談してみるのが一番です。

あとは、「ぶどう」なんかも比較的カリウムは控えめ。デラウェアみたいな小さい粒のものなら、数粒だけ…なんて楽しみ方もできますね。ただし、巨峰みたいに粒が大きいものは、やっぱり1粒あたりのカリウムも多くなるので注意が必要です。

個人的には、「パイナップル」も少量ならいけるかな?と思っています。缶詰じゃなくて、生のパイナップル。酸味もあって、食後のデザートに少しだけ食べるとスッキリします。これも食べ過ぎは禁物。

果物じゃないけど、デザートつながりで言うと、「ゼリー」なんかは比較的カリウムを気にせず食べられるものが多いかもしれません。もちろん、果肉入りのものはその果物のカリウム量を考慮する必要がありますけどね。シンプルなコーヒーゼリーとか、寒天を使ったものとか。

大事なのは、「あれもダメ、これもダメ」って我慢ばかりするんじゃなくて、「これなら少し食べられるかな?」「どう工夫すれば楽しめるかな?」って、前向きに考えることだと思うのです。

私も最初は果物コーナーを見るのも辛かった時期がありましたが、今は「今日は梨を少しだけ食べようかな」とか「ぶどう、数粒だけ買っていこうかな」とか、小さな楽しみを見つけられるようになりました。これがまた、日々のちょっとした彩りになるんですよ。

ストレスを溜めない!食事制限と上手に付き合うヒント

透析生活と食事制限は、切っても切れない関係。カリウムだけじゃなく、リンや塩分、水分…気にしなきゃいけないことがたくさんあって、正直、疲れてしまうこともありますよね。「もう何を食べたらいいのか分からない!」って、叫びたくなる日も、私にもありました。今でもあります(笑)。でも、少しでもストレスを減らして、上手に付き合っていくためのヒントはいくつかあると思っています。

情報は「量より質」信頼できる情報を見極める目

今の時代、インターネットで検索すれば、透析食に関する情報はいくらでも出てきます。レシピサイト、ブログ、SNS…。便利な反面、中には医学的に不確かな情報や、極端な意見、古い情報も混じっているのが現実です。魅力的な言葉には特に注意が必要ですね。

じゃあ、何を信じればいいの?って話ですが、やっぱり一番信頼できるのは、あなたの主治医の先生、管理栄養士さん、看護師さんといった、あなたの体のことを直接診てくれている医療スタッフの方々です。あとは、日本腎臓学会とか、日本透析医学会みたいな、公的な学会が出している情報やガイドライン。病院で配布されるパンフレットなんかも、ちゃんと監修されているものが多いので安心です。

一人で悩まない!仲間との繋がりが力になる

透析って、まあ孤独を感じやすい治療ではありますね。週に3回に、何時間もベッドの上で過ごして、食事制限もあって…。周りの健康な人には、なかなか理解してもらえない辛さありますよね。

そんな時、同じ透析をしている仲間との繋がりが、ものすごく大きな支えになることがあります。病院の待合室でちょっと話すだけでも、「あ、同じことで悩んでるんだ」って安心したり、自分では思いつかなかった食事の工夫を教えてもらったり。患者会に参加してみるのも良いかもしれません。最近は、オンラインのコミュニティやSNSで繋がることもできますね。

もちろん、人付き合いが苦手な方もいると思いますし、無理に交流する必要はありません。でも、「自分だけじゃないんだ」って思えるだけで、気持ちが少し楽になることもある。そういう選択肢もあるんだって、頭の片隅に置いておくだけでも違うかもしれません。

専門家はあなたの味方!遠慮なく頼ろう

先述しましたが、一番頼りになるのはあなたの主治医や管理栄養士さん、看護師さん、臨床工学技士さんといった、日々の治療に関わってくれている医療従事者の方々です。透析医療のプロフェッショナルであると同時に、あなたの体の状態を一番よく理解してくれている存在です。

食事のこと、体調のこと、日常生活での不安なこと…どんな些細なことでも、遠慮せずに質問したり、相談したりしてみてください。「こんなこと聞いたら迷惑かな…」「忙しそうだから…」なんて思う必要は全くありません。むしろ、あなたが積極的に質問してくれる方が、医療者側もあなたのことをより深く理解できて、より良い治療やアドバイスにつながるはずです。

特に食事に関しては、管理栄養士さんは知識の宝庫!「最近、カリウムが高めなんですけど、何が原因だと思いますか?」「こういう食材を使って、何か美味しいレシピありませんか?」なんて、具体的に聞いてみると、目からウロコの情報を教えてくれるかもしれませんよ。毎日の食事のこと、少しでも美味しく、楽しくしたいじゃないですか!

私の「みかん奮闘記」~20年超の試行錯誤~

ちょっと、私の個人的な話をさせてください。透析導入したのは20代後半。まだ気持ちは現場で働く力仕事。まだ若いつもりで、食べたいものもたくさんありました。そんな中で始まった透析と食事制限。特に、大好きだった果物たち。気軽に食べられなくなったのは、結構なショックでした。

ほんとうに最初の数年は、本当に「みかん=敵」と思い込んで、一切口にしなくなりました。冬になってスーパーにみかんが並び始めると、無意識にそのコーナーを避けて歩くくらいになってしまったんですよ。それだけ過剰に意識している証(苦笑)。家族が美味しそうに食べているのを見ると、正直、羨ましくてね。ちょっとだけ恨めしい気持ちになったりもしました。

でもある時、透析室で隣のベッドになったベテランの患者さんが、透析後に小さなみかんを一つ、それはそれは美味しそうに食べていたんです。思わず「えっ、みかん、食べていいんですか!?」って聞いちゃいましたよ。そしたら、その方がニコニコしながら「先生に許可もらって、量とタイミング守れば大丈夫だよ。我慢ばっかりじゃ疲れちゃうでしょ?」って。…そりゃ、衝撃でしたね。あの、過剰意識は何だったの?って感じです。

そこから、私の「みかんとの付き合い方」模索が始まりました。まずは主治医に相談です。「みかんが少し食べたいんです」と正直に伝えました。先生は、私の血液検査データを見ながら、「うーん、今の状態なら、透析した日に小さいの半分くらいから試してみる?次の検査で数値見て、また考えよう」と言ってくれました。

大げさかもしれませんが、みかんを食べるのにも許可!?でも、初めて許可をもらって食べた、みかん半分の味!もう感動。大げさじゃなく、涙が出そうなくらい美味しく感じました。それからは、血液検査の結果とにらめっこしながら、少しずつ、本当に少しずつ、自分の「安全ライン」を探りながら食べてきました。

今では、透析歴も20年を超え、自分の体のクセみたいなものも、だいぶ分かってきました。体調が良い時、ちょっとカリウム値に余裕がありそうな時を見計らって、ご褒美みたいに小さいみかんを1個食べる。そんな「ささやかな贅沢」を楽しめるようになりました。もちろん、今でも毎回、食べる前には「大丈夫かな…」って少しドキドキしますし、食べた後は次の検査結果が気になる。でも、そのドキドキも含めて、私なりの「みかんとの付き合い方」なんだと思っています。

この経験から私が学んだのは、「諦めないこと」そして「自分の体と向き合うこと」の大切さです。制限があるからといって、すべてを諦める必要はない。工夫次第で、楽しみを見つけることはできる。そのためには、自分の体の声に耳を澄ませて、専門家と相談しながら、自分なりの「ちょうどいいバランス」を見つけていくことが大事なんだな、と。

まとめ:透析生活、もっと美味しく、もっと楽しく!

透析患者さんとみかんの関係、そして食事制限との付き合い方について、少しでもヒントになることはありましたでしょうか?

「透析だから、あれもこれも食べられない…」そんな風に、食事が苦痛になってしまうのは、本当にもったいない!もちろん、守るべき制限はあります。カリウム、リン、塩分、水分…これらをコントロールすることは、合併症を防ぎ、元気に長生きするためには、絶対に必要です。それは大前提。

でも、制限がある中でも、「どうすれば美味しく食べられるか?」「どんな工夫ができるか?」と考えて、試行錯誤すること自体が、透析生活を豊かにしてくれる一つの要素だと、私は思うんです。

みかん一つとっても、量や頻度、種類や食べ方を工夫すれば、絶対にゼロにする必要はないかもしれない。他の果物だって、少量なら楽しめるものがあるかもしれない。

大切なのは、正しい情報を得て、自分の体の状態をよく理解し、主治医や管理栄養士さんとしっかり相談しながら、自分に合った食事スタイルを見つけていくこと。そして、時には同じ病気を持つ仲間と情報を交換したり、励まし合ったりすること。

食事は、ただ栄養を摂るためだけじゃなく、人生の楽しみの一つです。透析をしていても、その楽しみを完全に諦める必要はありません。工夫と知識があれば、あなたの食生活は、もっと美味しく、もっと楽しくなるはずです。

一緒に、美味しくて楽しい透析ライフ、見つけていきましょうよ!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次