透析患者の駐車禁止除外指定車標章|交付方法と申請手順を解説

2018年4月30日

透析患者の駐車禁止除外指定車標章|交付方法と申請手順を解説
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更新日: 2026年9月22日

透析患者の駐車禁止除外指定車標章

「駐車禁止除外指定車標章」—何となくピンと来た方もいるのではないでしょうか。
ときどき、その取り扱いやマナー・ルールをめぐってニュースになることもある、あの標章のことです。

私は20年超透析を行っている透析患者ですが、透析を導入した際にこの「駐車禁止除外指定車標章(以下、駐禁除外標章)」の交付を受けました。その後は有効期限が来るたびに更新手続きを行っています。

 

・「駐禁除外標章」の交付には申請手続きが必要
・標章を掲示することで、駐車禁止区域(法定禁止区域を除く)に駐車できる
・更新せずに使い続けると「駐車違反」として取り締まりを受ける
・2025年7月1日から申請書の様式が全国統一された)
・標章があっても違反になる場所は必ず存在する。正しい場所を理解して使うことが大前提!

 

透析患者も駐禁除外標章の交付は受けられます!

透析患者(腎臓機能障害による内部障害者)が駐禁除外標章の交付を受けるためには、まず「身体障害者手帳を所持していること」が大前提です。
交付を受けた標章は、車の運転席・助手席のダッシュボードの上など、外から確実に見える位置に提示して使います。

なお、道路交通法上の「駐める(駐車)」と「停める(停車)」は意味が違います。この記事では「駐車(駐める)」を前提に話を進めます。

用語意味主な例
駐車(駐める)車が継続的に停止する状態客待ち・荷待ち、5分超の荷物積みおろし、運転者が離れていてすぐ動かせない状態
停車(停める)駐車にあたらない車の停止5分以内の短時間の荷物積みおろし、人の乗り降りのための停止

 

周りから見えにくい透析患者だからこそ、この標章が必要です

透析患者は「内部障害者」です。外見からは障害があるとは気づかれにくく、一見すると健康な方と変わらないように見えます。

しかし腎臓はほとんど、あるいはまったく機能していないため、透析を受けなければ生命に関わる深刻な状況にあります。週3回・1回4〜5時間の治療を欠かすことはできないのです。

 

地方の都市部にある透析病院へ車で通院している透析患者も少なくありません。そこには現実的な問題がいくつかあります。

問題内容
① 病院に駐車場があるとは限らない都市部の透析病院には専用駐車場がない、または台数が少ないケースがある。東日本大震災後、被災地の透析患者が都市部へ集中した際に駐車場が一時的にひっ迫した事例もある。
② 公共交通機関が不便地方では電車・バスの本数が少なく、夜間の運行も限られる。病院がアクセスしやすい場所にあるとも限らない。
③ 透析は長時間かかる移動・着替え・待機時間を含めると、1回の通院で4〜5時間以上を要する。
④ 月に12回以上の通院が必要週3回・月12回以上が最低ライン。有料駐車場を毎回使えば経済的負担も大きくなる。

こうした事情を踏まえると、車での通院が現実的な選択肢となる透析患者にとって、駐禁除外標章は通院の助けになる制度と言えます。

 

【重要】標章があっても駐車できない場所がある!

「標章を掲示していれば、どこでも駐車できる」と思っている方は要注意です。これは大きな誤解です。

駐禁除外標章が使えるのは、「公安委員会が道路標識等で指定した駐車禁止区間」および「時間制限駐車区間(パーキングメーター・パーキングチケット設置場所)」に限られます。

以下の場所は、標章を持っていても絶対に駐車できません。違反となります。

法定の駐停車禁止場所

Places Where Parking Is Prohibited by Law

違反となる場所の区分具体的な場所の例
法定の駐停車禁止場所
(道路交通法第44条)
・交差点およびその側端から5m以内
・横断歩道・自転車横断帯およびその前後5m以内
・バス停の標示柱から10m以内(バスの運行時間中)
・踏切およびその前後10m以内
・安全地帯の左側およびその前後10m以内
・トンネル内・坂の頂上付近・急な坂道
法定の駐車禁止場所
(道路交通法第45条)
・消火栓・指定消防水利の標識から5m以内
・消防用機械器具の置場・防火水槽の側端から5m以内
・火災報知機から1m以内
・車庫・修理工場などの自動車用出入口から3m以内
・道路工事区域の側端から5m以内
・右側に3.5m以上の余地がなくなる場所(無余地場所)
バス専用レーン歩行困難者等の標章の場合、バス専用レーンの指定時間帯には駐車できない
車庫代わり・長時間駐車自宅や事務所の前に毎日駐めるなど、保管場所として継続使用することは法律違反(車庫法違反)

バス停を塞ぐ銀色の車

標章を持っていても「バス停付近」の違反は起きやすい—実例で考える

特に注意が必要なのが「バス停の標示柱から10m以内(バスの運行時間中)」です。

例えば、透析病院の近くに路線バスのバス停があって、そのすぐ脇に車を停めてしまった場合、たとえ駐禁除外標章を掲示していても駐車違反となります。

さらに、路線バスが停車できなくなることで、多くの乗客に迷惑をかけることになります。「自分は障害者だから」という意識で法定禁止区域を占有することは、制度の趣旨からも大きく外れた行為です。

 

標章は「どこでも駐めていい許可証」ではなく、「公安委員会が指定した駐車禁止区域においてのみ、例外的に駐車が認められる標章」です。この違いを必ず理解して使いましょう。

 

また、たとえ標章の使用が適法な場所であっても、以下の点には常に注意が必要です。

  • 歩行者・自転車の通行の妨げにならないこと
  • 対面通行ができなくなる場所には駐めないこと
  • 監視員の巡回やレッカー移動の対象になることもある
  • 警察官・交通巡視員の指示があった場合は必ず従うこと

 

【2026年最新】2025年7月から申請書式が全国統一されました

ここで大事な最新情報をお伝えします。2025年7月1日から、駐禁除外標章および警察署長の駐車許可の制度が一部見直され、申請書などが全国統一の様式になりました。

これまでは都道府県によって申請書の書式やフォーマットが微妙に異なっており、「引越し先ではどんな書類が必要なんだろう」と戸惑う場面もありました。今回の統一化によって、その手間が軽減されることになります。

 

改正項目改正内容
申請書等の様式全国統一の様式に変更(除外標章交付申請書:別記様式第1の6)
複数警察署の管轄駐車しようとする場所が複数の警察署にまたがる場合、いずれか1つの警察署への申請でよくなった
記載事項変更届・再交付申請「除外標章記載事項変更届(別記様式第1の8)」など統一様式が新設された
除外対象車両の追加保健師・看護師・准看護師が医師の指示を受け緊急訪問を行うために使用する車両、および助産師が緊急訪問を行うために使用する車両が追加

 

透析患者にとって特に影響が大きいのは、申請書式の統一化と、複数の警察署管轄にまたがる場合の手続き簡素化です。

他県への転居や、通院先が警察署の管轄をまたぐケースでも、以前より手続きがスムーズになりました。

なお、透析患者(じん臓機能障害1級・3級)が交付対象であることに変更はありません。安心して、これまで通り申請を進めていただいて大丈夫です。

 

駐禁除外標章の交付手続き—概要・対象者・有効期限

駐禁除外標章の交付手続き

駐禁除外標章は、各都道府県の公安委員会から交付される標章です。これを掲示することで、公安委員会が道路標識等で指定した駐車禁止区間(法定禁止区域は除く)に駐車することができます。

 

項目内容
申請者透析患者本人(原則)、または代理人(委任状が必要)
交付窓口市区町村福祉係・警察署等(住所地を管轄する警察署の交通課など)
対象者「身体障害者手帳」の交付を受けており、内部障害者(個別等級1〜3級)の使用する車、または障害者の生計を支える方が運転する車
じん臓機能障害の等級身体障害者手帳1級および3級の所持者(2級は存在しない)
有効期限3年以内(期限が来たら改めて交付申請が必要)
申請窓口の開設時間概ね月曜〜金曜(祝日を除く)午前9時〜午後5時

 

申請に必要な書類

申請の際は、以下の書類を準備して窓口へ持参してください。地域によって必要書類が異なる場合があるため、事前に市区町村福祉係や警察署等に確認することをおすすめします。

 

書類備考
① 身体障害者手帳とその写し(1部)氏名・障害名・等級が記載されている部分の写しが必要
② 駐車禁止除外車両指定申請書
(除外標章交付申請書:別記様式第1の6)
2025年7月1日から全国統一の様式に変更。市区町村・警察署窓口で入手可。各都道府県公安委員会のHP上でダウンロードできる場合もある。
③ 運転免許証本人確認のため
④ 自動車検査証(車検証)車庫証明書が必要な場合もあるため、事前確認を
⑤ 住民票障害者本人が記載されており、3か月以内に交付されたもの。マイナンバーの記載がないものでも可(条件は自治体により異なる)
⑥ 印鑑認印可(シャチハタ不可)の場合が多い。要確認。
⑦ 委任状・代理人の身分証明書代理申請の場合のみ必要

 

申請後、標章はその場で交付される場合もありますが、概ね14日程度で後日郵送される場合もあります。余裕を持って手続きするようにしましょう。

変更手続きのポイント

 

転居・結婚・車の買い替えのとき—変更手続きのポイント

有効期限の3年が来る前に、生活の変化が起きることもあります。透析患者として働きながら通院している方であれば、転勤・転居・結婚などで住所が変わることも十分あり得ます。

こうした場合は、駐禁除外標章の変更手続きが必要です。車の買い替えでも登録車両が変わるため、同様に手続きを行いましょう。

 

なお、2025年7月からは「除外標章記載事項変更届(別記様式第1の8)」という全国統一の様式が新設されました。記入項目がわかりやすくなり、以前より手続きがスムーズになっています。

 

以下に転居の事例を使って、手続きの流れを整理します。

(事例)A:熊本県阿蘇市 → B:北海道札幌市へ転居した場合

手続きの順番内容窓口・備考
① 住所変更の届出(最優先)住民票の異動転居先の市区町村役場
② 身体障害者手帳の住所変更新しい住所地の市区町村で手帳の記載変更(または再申請)転居先の市区町村福祉係
③ 特定疾病療養受療証の手続き透析患者であることを証明する受療証の住所変更・再発行加入している医療保険の窓口
④ 運転免許証・車検証の住所変更免許証は警察署または運転免許センターで。車検証は陸運局等で変更。車庫証明の取得も必要な場合あり管轄の警察署・陸運局
⑤ 駐禁除外標章の再申請(最後)以前の標章を返却し、新しい住所地を管轄する警察署で再申請転居先の管轄警察署(交通課)

 

手続きの順番が大切です。①〜④を完了させてから、最後に⑤の駐禁除外標章の再申請を行ってください。順序が逆になると、書類が不足して申請できないケースがあります。

北海道札幌市の例では、新住所地を管轄する警察署(交通課)が申請・受付窓口となります。転居先ごとに窓口が異なるため、必ず転居先の市区町村や警察署に事前確認を行いましょう。

 

まとめ—標章を正しく使って、通院をスムーズに

まとめ

駐禁除外標章の申請から活用まで、改めて重要ポイントをまとめます。

1.駐禁除外標章は公安委員会が発行するもの。身体障害者手帳(じん臓機能障害1級・3級)の所持者が申請できる。
2.2025年7月1日から申請書類が全国統一の様式に変更。最新の書式を確認してから申請すること。
3.有効期限は3年以内。期限を過ぎたまま使い続けると駐車違反になる。
4.標章を持っていても、法定禁止区域(交差点5m以内・バス停10m以内など)への駐車は絶対に違反。標章は「免罪符」ではない。
5.転居・車の買い替えなどの変更が生じた場合は、住所変更等の手続きをすべて先に終わらせてから、駐禁除外標章の再申請を行う。
6.都道府県によって申請窓口や詳細が異なる場合があるため、市区町村福祉係または最寄りの警察署(交通課)に必ず事前確認を。

20年超透析を行っている透析患者として、この駐禁除外標章には長年助けられてきました。通院中に病院近くのスペースを探して、グルグルすることも減りましたし、急な体調変化で早めに病院へ向かわなければならない場面でも心強い存在です。

ただし、その使い方には常に周囲への配慮と正しい知識が求められます。この記事が、駐禁除外標章を正しく活用するうえでの参考になれば幸いです。

最後に—交差点近く・バス停の脇・消火栓の前など、法定禁止区域への駐車は障害者であっても絶対に行ってはなりません。周りへの気遣いを忘れず、他の自動車や歩行者・バス利用者の迷惑にならない使い方を心がけましょう。