2026年7月19日


「透析と向き合うあなたへ。」お金の不安、少しでも軽くしませんか?
透析導入が決まった時、治療そのものはもちろん、「お金はどうなるんだろう?」——透析患者の障害年金はいくらもらえるのか、ものすごく不安だったのを覚えています。
あなたも今、同じような気持ちを抱えているかもしれませんね。この記事では、私自身の経験も踏まえながら、透析患者さんが受け取れる障害年金の金額の目安・等級の仕組み・申請手続きのリアルについて、できるだけ分かりやすくお伝えします。難しい専門用語はなるべく使わず、私が実際に感じたこと、困ったこと、そしてどう乗り越えてきたか、そんなリアルな声をお届けします。
この記事を読み終える頃には、漠然としたお金への不安が少しでも和らぎ、「よし、こうすればいいのか!」と前向きな気持ちになってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
さて、一番気になるところですよね。障害年金、実際に「いくら」もらえるのか。これは、加入している年金制度(国民年金か厚生年金か)や、これまでの納付状況、そして家族構成によって変わってきます。だから、「ズバリ○○円です!」とは言えないのが正直なところなんです。
ただ、目安として知っておくことは大切ですよね。まず、障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
自営業・フリーランス・専業主婦(夫)の方などが主にもらう国民年金ベースのものです。透析患者さんの場合、多くは「障害等級2級」に認定されます。
| 等級 | 年額 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 1級 | 1,059,125円 | 約88,260円 |
| 2級(透析患者の多くはこちら) | 847,300円 | 約70,608円 |
※年金額は毎年度4月に改定されます。2026年度は前年度から基礎年金+1.9%の引き上げです。
※18歳到達年度末(高校卒業時)までのお子さんがいる場合、子の加算があります(第1・2子:各234,800円/年、第3子以降:各78,300円/年)。
私が最初に自分の年金額を知ったとき(私は初診日が学生のときで、国民年金で計算されます)は、「あ、これだけもらえるんだ…」と、正直ホッとしたのを覚えています。何せ治療費の心配が大きかったですから。
でも、同時に「これだけで生活していくのは厳しいな」とも感じました。だから、年金はあくまで「支え」の一つとして捉えて、どうやって仕事と両立していくか、他の制度も活用できないか、具体的に考えるきっかけになりましたね。
会社員や公務員の方が加入する厚生年金ベースのものです。障害基礎年金に上乗せされる形で支給されます。計算方法がちょっと複雑で、これまでの給料(標準報酬月額)や加入期間によって大きく変動します。
| 年金の種類 | 支給内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 障害厚生年金2級+障害基礎年金2級 | 報酬比例の年金額+847,300円(年額)+配偶者加給年金(対象者がいれば234,800円/年) | 年間100万円超になるケースが多い |
| 障害厚生年金3級のみ | 報酬比例の年金額のみ(最低保障635,500円/年) | 基礎年金の上乗せはなし |
障害基礎年金と合わせると、年間で100万円を超えるケースが多いですが、数百万円になる方もいれば、そこまで多くない方もいます。加入期間や収入によって本当に人それぞれです。配偶者(65歳未満)がいる場合の加給年金加算もあります。
正確な金額を知りたい場合は、年金事務所に相談するのが一番です。「ねんきん定期便」などでも、ある程度の試算はできます。
参照:透析にかかる障害年金は収入補填が目的。受給には納付【3要件】が必須!
参照:透析にかかわる障害年金制度。申請し【請求】しなければもらえない!
障害年金の話でよく出てくるのが「障害等級」です。透析患者さんは「原則として2級」と認定されることが多い、と聞いたことがあるかもしれません。これは、ある意味本当です。でも、「原則」ってところがミソなんですよね。
なんで透析をしていると多くの場合「2級」になるんでしょうか。これは、国の定めた「障害認定基準」というルールに基づいています。簡単に言うと、「日常生活や仕事にどれくらい支障が出ているか」がポイントになります。
人工透析療法(血液透析や腹膜透析)を受けている場合、腎臓がほとんど機能していない状態——つまり生命維持のために不可欠な治療を受けている状態とみなされます。
| 障害等級 | 状態の目安 | 透析患者の場合 |
|---|---|---|
| 1級 | 日常生活が著しく制限され、ほぼ常に介助が必要 | 透析+重篤な合併症がある場合など |
| 2級(原則) | 日常生活が著しく制限される状態 | 透析患者の多くはここに該当 |
| 3級 | 労働に著しい制限がある状態 | 障害厚生年金のみ対象(稀なケース) |
週に数回、数時間の治療に拘束され、食事制限や水分制限もあり、合併症のリスクも常に抱えている。疲れやすさや体調の波もある。こうした状況は、障害等級2級に相当すると判断されます。
私自身、透析導入当初は「なんで自分がこんな目に…」という気持ちばかりが出るとともに、「でも、これで少しは経済的な不安が減るのかも」という複雑な思いがありました。体がしんどいのは事実ですし、以前のように現場でバリバリ働くのは難しい。その状況を国が「障害」として認めてくれるというのは、ある意味、”救い”でもありました。
ただ、「原則」とついているように、必ずしも全員が2級とは限りません。他の重い病気も合併していて、日常生活がさらに困難な場合は1級になる可能性もありますし、逆に、透析導入後も比較的状態が安定していて就労状況なども考慮された結果、3級や不支給となるケースも、ゼロではないようです。
障害等級2級と認定されることは、経済的な「支え」になることは間違いありません。治療費や生活費の足しになり、精神的な安心感にもつながります。これは本当に大きいです。
でも、忘れてはいけないのは、それが「障害の状態にある」という公的な認定でもあるということです。それだけ身体に負担がかかっている、という証明でもあるわけです。年金がもらえるからラッキー、なんて単純な話では決してない。私も時々、この「2級」という認定の重みを感じることがあります。元気な日もあれば、どうしようもなく体がだるい日もある。その波と付き合いながら生きていくことの証でもあるんですよね。
だから、年金はありがたく受け取りつつも、それに頼りきるのではなく、自分の体調と相談しながら、できる範囲で社会と関わり続けたい、そう思っています。年金はあくまで生活を支える「土台」の一つ。その上に、自分らしい人生をどう築いていくか——それが大切なんだと、20年超透析を行っているなかで感じています。
障害年金がもらえること、等級のことが分かっても、自動的に振り込まれるわけではありません。自分で「申請」というアクションを起こさないといけないんです。これがまた、なかなか骨の折れる作業でして…。私も経験しましたが、ちょっとした「壁」に感じる人もいるかもしれません。
「よし、申請しよう!」と思ったら、まずお近くの年金事務所か年金相談センターに相談に行くのがスタートラインです。予約が必要な場合が多いので、事前に電話で確認するのがおすすめです。
そこで「透析になったので障害年金を申請したい」と伝えると、必要な書類一式をもらえたり、手続きの流れを教えてくれたりします。
初診の病院がなくなっていたり、昔すぎて記録が見つからなかったりすると証明が大変になることも。申請を考え始めたら、まず「初診日がいつで、証明できるか」を確認しておくことが重要です。
主な必要書類は以下の通りです。
| 書類名 | 内容・ポイント |
|---|---|
| 年金請求書 | 年金事務所でもらえる所定の様式 |
| 戸籍謄本・住民票 | 本人確認と家族構成の証明 |
| 診断書 | 最重要書類!主治医に作成をお願いする。早めの依頼が鉄則 |
| 受診状況等証明書 | 初診日を証明するもの。初診の病院に作成依頼 |
| 病歴・就労状況等申立書 | 自分で書く唯一の書類。ここが勝負!(後述) |
特に「診断書」は、透析を受けている病院の主治医に作成をお願いすることになります。医師も忙しいので、早めにお願いして余裕をもって準備することが大切です。私の時は、診断書の内容について先生と何度かやり取りしました。自分の状態を正確に伝えて、適切な内容で書いてもらうことが重要ですからね。
必要書類の中でも、特に自分で書き上げる「病歴・就労状況等申立書」、これが実はめちゃくちゃ重要なんです! なぜかっていうと、診断書だけでは伝わらない、あなたの日常生活のリアルな状況や、仕事でどれだけ困っているかを、審査する人に伝えるための唯一の手段だからです。
ある意味、あなたの状況を伝える「プレゼン資料」みたいなもの。それくらいの気持ちで取り組む価値があります。
私もこれを書くのは結構大変でした。自分の弱さを改めて見つめ直す作業でもありますしね…。でも、「ここでしっかり書かないと、自分の大変さが伝わらないかもしれない」と思って、当時の状況を思い出しながら一生懸命書いた記憶があります。
全ての書類を揃えて年金事務所に提出したら、あとは審査結果を待つだけ…なんですが、この待つ期間がまた、長いんです!
| 段階 | 目安・ポイント |
|---|---|
| 書類提出〜審査結果通知 | 数ヶ月かかるのが一般的。私の時は約3ヶ月。もっとかかる場合も |
| 「年金証書」が届いたら | 受給決定!ホッとする瞬間です |
| 「不支給決定通知書」が届いたら | 諦めるのは早い。審査請求(不服申し立て)ができる。社会保険労務士さんへの相談も有効 |
とにかく、申請手続きは時間も労力もかかりますが、もらえる権利があるものですから、諦めずにチャレンジしてほしいと思います。
参照:透析にかかわる障害年金制度。申請し【請求】しなければもらえない!
障害年金は大きな支えですが、透析患者さんが利用できるお金に関する制度は、それだけではありません。むしろ、これらを知っておかないと大変なことになりかねません。特に医療費に関する制度は、絶対に押さえておきたいポイントです。
まず、透析治療を受ける上で絶対に必要になるのが「特定疾病療養受療証」です。透析治療は毎月何十万円とかかる、高額な治療です。もしこれを3割負担で払っていたら、あっという間に生活が成り立ちません…。
| 対象 | 月額上限 |
|---|---|
| 一般的な所得の透析患者(70歳未満) | 1万円 |
| 高所得者(国保:基礎控除後の総所得600万円超 / 健保:標準報酬月額53万円以上)70歳未満 | 2万円 |
申請先:加入している健康保険(国民健康保険なら市区町村窓口、協会けんぽ・組合健保なら各保険者)
この「特定疾病療養受療証」を医療機関の窓口に提示するだけで、1ヶ月の自己負担額の上限がこの金額に収まります。毎月の透析治療費が、この制度のおかげでなんとか支払い可能な範囲に収まっているわけです。透析導入が決まったら、病院のソーシャルワーカーさんなどが手続きをサポートしてくれることが多いと思いますが、自分でも必ず確認しておきましょう。
次に「身体障害者手帳」です。人工透析を受けている場合、多くは「腎臓機能障害」として身体障害者手帳の交付対象となります(多くは1級。障害年金の等級とは別物なので注意してください)。
| メリットの種類 | 内容 |
|---|---|
| 税金の優遇 | 所得税・住民税の障害者控除、自動車税などの減免 |
| 交通費の割引 | JR・バス・タクシー・高速道路料金の割引 |
| 公共施設 | 美術館・博物館・動物園などの入場料割引または免除 |
| 通信費 | 携帯電話料金の割引、NHK受信料の減免 |
| 自治体独自サービス | 福祉タクシー券の支給など(自治体によって異なる) |
私ももちろん持っていますが、特に税金の控除や交通費の割引は、地味に助かっています。塵も積もれば、ですからね。申請は、お住まいの市区町村の福祉担当窓口で行います。
参照:透析前後でも身体障害者手帳は申請できます。窓口で確認して!
国の制度だけでなく、都道府県や市区町村が独自に行っている医療費助成制度がある場合もあります。「重度心身障害者医療費助成制度」などがその例で、一定の条件を満たすと医療費の自己負担分をさらに助成してくれます。
ただし、自治体によって制度の有無や内容が大きく異なります。所得制限がある場合も多いです。「特定疾病療養受療証」で自己負担は1万円(または2万円)になっているので、実質的な負担軽減はそれほど大きくないケースもありますが、それでも対象になるなら申請しておくに越したことはありません。
どんな制度があるかは、お住まいの市区町村のホームページを見たり、福祉課や障害福祉課に直接問い合わせてみるのが一番確実です。私も引っ越した時に「透析患者向けの助成って何かありますか?」って聞いてみて、利用できる制度を教えてもらった経験があります。情報収集は大事ですよ!
参照:【透析の保険適用はどうなってる?】医療費不安を解消する公的支援【完全ガイド】
障害年金を受給できるとなった場合、次に気になるのが「働きながらでももらえるのか?」ということですよね。特に私のような現役世代(氷河期世代ですが…)にとっては、死活問題です。
結論から言うと、障害年金をもらいながら働くことは、原則として可能です。
| 年金の種類 | 働きながらの受給 | 注意点 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 基本的に所得制限なし(受給可能) | 20歳前に初診日がある場合を除く |
| 障害厚生年金(2級) | よほど高額な収入がない限り支給停止は稀 | 働き方・収入によっては一部停止の可能性あり |
とはいえ、「働く」と言っても、透析導入前と同じようにバリバリ働くのは、正直、難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。私自身もそうです。
透析治療には時間も体力も使います。週3回、病院に通って4〜5時間。その前後の準備や移動時間も含めると、半日仕事です。透析のない日も疲れやすかったり、体調が不安定だったりすることは少なくありません。
私の場合は、転職時にきちんと会社に、チームの上司や同僚に理解を得たうえで仕事をしていますし、少なくともコロナ禍のときは在宅勤務もしたことがありました。20年超透析を行っているなかで、職場の同僚や上司の理解と配慮は、本当にありがたいです。これがなかったら、今の仕事を続けるのは難しかったかもしれません。
障害年金があるからといって、完全に仕事から離れてしまうのではなく、自分の体調と相談しながら、できる範囲で社会とのつながりを持ち続けること。それが、経済的な面だけでなく、精神的なハリや社会的な役割を保つ上でも大切なんじゃないかな、と私は考えています。もちろん、無理は禁物ですよ!
「正直、楽じゃないですよ!」毎日が試行錯誤です。でも、工夫次第で道は開ける、そう信じてやっています。
透析治療と向き合う中で、「お金」の不安はどうしてもついて回ります。その不安を少しでも和らげるために、障害年金という制度があること、そしてその金額の目安や申請方法について、私なりの経験を交えながらお伝えしてきました。
| この記事のポイントまとめ | |
|---|---|
| いくらもらえる?(2026年度) | 障害基礎年金2級:年847,300円(月約70,608円)。障害厚生年金は上乗せあり、年間100万円超が多い |
| 障害等級 | 透析患者は原則2級。重篤な合併症があれば1級の可能性も |
| 申請の注意点 | 初診日の証明が最重要。診断書は早めに依頼。病歴・就労申立書は具体的に書く |
| セットで使える制度 | 特定疾病療養受療証(月1万円上限)・身体障害者手帳・自治体独自の助成 |
| 働きながら受給 | 原則可能。障害基礎年金は所得制限なし。体調に合わせた働き方を探す |
障害年金は、透析患者にとって間違いなく大きな経済的な支えとなります。申請手続きは少し大変かもしれませんが、もらえる権利があるものですから、ぜひ諦めずに情報を集め、行動に移してみてください。
お金の心配が少しでも軽くなれば、治療に専念しやすくなりますし、前向きな気持ちで日々の生活を送ることにもつながるはずです。透析をしていても、仕事や趣味、旅行など、諦めずに自分らしい人生を送ることは可能です。
一番大切なのは、一人で抱え込まないこと。分からないこと、不安なことは、遠慮なく病院のソーシャルワーカーさんや、年金事務所、役所の窓口、あるいは私のような経験者に相談してみてください。情報を集め、制度を理解し、そして行動する。それが、透析と上手に付き合いながら、より良い生活を送るための鍵だと、私は信じています。