透析患者は緑茶を飲んでも大丈夫?カリウム・リンの落とし穴と賢い選び方

2025年5月13日

透析患者は緑茶を飲んでも大丈夫?カリウム・リンの落とし穴と賢い選び方
【PR】

更新日: 2026年7月26日

透析患者は緑茶を飲んでも大丈夫?20年超の経験者が語る意外な落とし穴

緑茶にはカテキンなど健康に良い成分も含まれていますが、透析患者の場合は注意が必要です。最後まで読めば、緑茶との上手な付き合い方が見つかるはずです!

透析患者と緑茶 カリウムとリンの落とし穴

緑茶には、カリウムとリンが比較的多く含まれています。透析患者にとって、この2つのミネラルは例えれば“要注意人物”なんです。なぜなら、腎臓機能が低下している私たち透析患者は、カリウムやリンを体外に排泄する能力が弱まっているからです。

カリウムが体内に溜まりすぎると、高カリウム血症を引き起こし、不整脈や心停止のリスクが高まります。一方、リンが過剰になると高リン血症となり、血管や組織にリン酸カルシウムが沈着し、動脈硬化や骨の異常を引き起こす可能性があります。

⚠️ 透析患者の1日のカリウム目安:2,000mg以下(日本透析医学会「慢性透析患者の食事療法基準」)
お茶1杯で気づかないうちにカリウムを消費してしまうことも。特に「種類」と「濃さ」の選択が重要です。

緑茶100mlあたりのカリウムとリン含有量【最新データで修正】

参考までに、緑茶100mlあたりのカリウムとリンの含有量を見てみましょう。ここでは文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の最新データをもとに、透析患者が特に注意すべき飲み物を幅広く比較しています。

▼ お茶・飲料 100mlあたりのカリウム・リン含有量(八訂成分表より)

種類カリウム(mg)リン(mg)透析患者おすすめ度
玉露(浸出液)34030🚫 要注意
抹茶(粉末2.5g/100ml)689⚠️ 控えめに
煎茶(浸出液)272△ 少量なら可
番茶(浸出液)322△ 少量なら可
ほうじ茶(浸出液)241◎ 比較的安心
玄米茶(浸出液)71◎ 比較的安心
ウーロン茶(浸出液)131◎ 比較的安心
麦茶(浸出液)61◎ 最もおすすめ
紅茶(浸出液)82◎ 比較的安心
コーヒー(浸出液)657⚠️ 控えめに

このように、お茶の種類によってカリウムとリンの含有量には大きな差があります。最大の注意点は玉露です。100mlでカリウム340mgというのは、バナナ1本分のカリウム量とほぼ同等。透析患者の1日の摂取目安2,000mgのうちの6分の1近くを、コップ1杯で消費してしまう計算になります。これは見落としがちな、本当に意外な落とし穴です。

また特に抹茶は、茶葉をそのまま飲む形になるため、カリウム・リンともに浸出液タイプより多くなりやすい傾向があります。抹茶ラテや抹茶スイーツも要注意ですね。

ペットボトルのお茶は成分表示に「落とし穴」がある

ちなみに、日常でペットボトルのお茶を購入することもあるでしょう。意外や意外、ミネラルの記載がない!に等しいものが多いのが実態です。

▼ 主要ペットボトル緑茶の成分表示(各メーカー公式情報より)

ブランド名メーカー食塩相当量(g)カリウム(mg)カルシウム(mg)マグネシウム(mg)
綾鷹 濃い緑茶コカ・コーラ0.2記載なし記載なし記載なし
伊右衛門サントリー約0.02約10記載なし記載なし
お~いお茶伊藤園記載なし記載なし記載なし記載なし
生茶キリン記載なし記載なし記載なし記載なし
颯(そう)アサヒ飲料記載なし記載なし記載なし記載なし

ひとこと:
「記載なし=ゼロではない」という点が大事。表示義務がないだけで、微量ながらカリウムやリンは含まれています。またペットボトルのお茶には保存料や乳化剤などの添加物が入っている場合があり、無機リンが含まれる可能性も。自宅で淹れた麦茶や玄米茶の方が成分が把握しやすくて安心です。

透析患者が緑茶を飲む際の3つの注意点

とは言え、大好きな緑茶を完全に諦める必要はありません。以下の3つの注意点を守れば、緑茶を楽しみながら透析生活を送ることも可能です。

1. 飲む量とタイミングを意識する

まず、飲む量を控えることが大切です。1日にコップ1杯(150〜180ml)程度を目安にし、ガブガブ飲むのは避けましょう。また、透析直後はカリウムが下がりやすい状態にあるので、その時間帯に飲むのは控えた方が良いでしょう。

ちなみに、私は透析のない日に、食事と一緒に少量飲むようにしています。食事と一緒に飲むことで、カリウムの吸収を緩やかにする効果も期待できるからです。まぁ、気持ちの問題かもしれませんが…(笑)

 お茶の「濃さ」にも要注意!
同じ煎茶でも、濃く淹れれば淹れるほどカリウム量は増えます。透析患者はなるべく薄め・短時間蒸らしで淹れることがポイントです。「濃い緑茶」「玉露」「深むし茶」などは特に注意してください。

2. カリウム・リンの少ないお茶を選ぶ

緑茶の中でも、ほうじ茶や玄米茶、麦茶など、カリウムとリンの含有量が少ないお茶を選ぶのが有効な手段です。

私のおすすめは、国産の麦茶です。香ばしい香りが楽しめるだけでなく、カリウムやリンの量が最も少ないお茶のひとつ(カリウム6mg・リン1mg/100ml)なので、安心して飲むことができます。

また、病院の透析センターで出てくるお茶がほうじ茶であることが多いのには理由があります。カフェイン量が少なく体への負担が軽く、かつカリウムが煎茶より少なめで、香ばしい風味が好まれているためです。

▼ 透析患者向け お茶の選び方ランク

ランクお茶の種類カリウム(mg/100ml)おすすめ理由
◎ 最推奨麦茶6カリウム最少・ノンカフェイン
◎ おすすめ玄米茶7ほのかな香り・カリウム少ない
◎ おすすめウーロン茶13飲みやすく食事にも合う
◎ おすすめほうじ茶24病院でも採用・カフェイン少ない
△ 少量可煎茶・番茶27〜321日1杯程度なら許容範囲
⚠️ 控えめに抹茶・コーヒー65〜68量に注意。菓子類との組み合わせも注意
🚫 要注意玉露3401杯でバナナ1本分のカリウム量

3. 医師や管理栄養士に相談する

最も重要なのは、自己判断せずに、必ず医師や管理栄養士に相談することです。個々の患者さんの状態や透析条件によって、緑茶の摂取量や注意点は異なります。専門家のアドバイスを受けることで、安心して緑茶を楽しむことができます。

私も、医師に相談したのですが、「少量なら大丈夫ですよ」と言ってもらえて、本当に安心しました。やっぱり、専門家の言葉は心強いですよね。

透析患者におすすめ!賢い水分補給術

緑茶以外にも、透析患者にとって適切な水分補給の方法はたくさんあります。ここでは、私自身が透析導入時から実践している、賢い水分補給術をご紹介します。

1. 水分摂取量を記録する

まずは、1日の水分摂取量を記録することから始めましょう。ノートやアプリを使って、飲んだ飲み物の種類と量を記録するだけでも、自分の水分摂取量を把握することができます。私は、ノートから移行後、スマホのアプリを使って記録しています。

▼ 透析患者の水分管理 目安(一般的な血液透析の場合)

管理項目目安注意点
1日の水分摂取量尿量+500ml程度尿が出ない場合は500ml以下が目安
透析間の体重増加ドライウェイトの3〜5%以内超えると除水量が増え心臓への負担増
飲み物の温度常温または温かいもの冷たい飲み物は飲み過ぎに注意
氷・アイス類少量なら可(水分換算)溶けた量を水分量に含めて計算

2. こまめに水分補給をする

一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに水分補給をすることが大切です。のどが渇く前に、少しずつ水分を補給することで、体内の水分バランスを保つことができます。私は、デスクにマイボトルを置いて、常に水分補給を心がけています。

のどの渇きを感じやすい原因として、塩分の摂り過ぎが挙げられます。塩分が多い食事の後は特に水が飲みたくなるもの。緑茶を飲む前に、その日の食事の塩分を振り返ってみるのも良いですよ。

3. 水分量の多い食品を意識する

飲み物だけでなく、水分量の多い食品を意識して摂取するのも効果的です。例えば、野菜や果物、ヨーグルトなどは、水分を豊富に含んでいます。ただし、カリウムやリンの量には注意が必要です。私は、キュウリやレタスなどをサラダにして、よく食べています。

透析生活を豊かに!QOL向上のためのヒント

透析生活は、確かに制限が多いですが、工夫次第でQOL(生活・人生の質)を向上させることは可能です。最後に、私が実践している、QOL向上のためのヒントをご紹介します。

1. 趣味や興味を持つ

透析以外の時間で、趣味や興味を持つことは、精神的な健康を保つ上で非常に重要です。私の趣味は旅行のほか、映画鑑賞や読書。年齢も重ねてきたためかほかに無いか模索中。母親似のガーデニングなんかも良いかなと。でも最近試していたのは動画編集の挑戦ですね。これがまた面白いんですよ!

「飲めないもの」を嘆くより、「飲めるお茶の種類を増やす」発想で楽しむのも、長い透析生活を続けるうえで大切な心の持ち方だと思っています。麦茶ひとつとっても、国産・水出し・ティーバッグタイプなど選び方はさまざまで、意外と奥が深いんです。

2. 軽い運動を習慣にする

適度な運動は、体力の維持だけでなく、精神的な安定にもつながります。私は、ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなどを、無理のない範囲で行っています。特に、透析のない日は、積極的に体を動かすようにしています。

運動後は水分補給が気になりますが、発汗量が増えた日でも、主治医に相談のうえで水分量を調整してください。「汗をかいたから多く飲んでもいい」とはなりませんので注意が必要です。

3. 家族や友人と交流する

私はふだんは仕事を通じて、上司や同僚、部下がいるわけで、仕事がらみでの付き合いはあるわけです。仕事に限らず、家族や友人と交流することも、孤独感を解消し、精神的なサポートを得る上で大切です。私は、週末に家族と食事に出かけたり、友人と電話で話したりしています。

透析患者同士のコミュニティで「飲んでいるお茶を教え合う」なんていう情報交換も、けっこう参考になったりします。同じ境遇の人の実体験は、専門家の話とはまた違う説得力がありますよね。

まとめ 緑茶と賢く付き合い、充実した透析生活を!

透析患者にとって、緑茶は注意が必要な飲み物ですが、飲む量やタイミング、種類などを意識すれば楽しむことができます。大切なのは、自己判断せずに、医師や管理栄養士に相談することです。

  • 玉露は100mlでカリウム340mg——1日摂取目安の6分の1近くを一杯で消費する「最大の落とし穴」
  • 抹茶やコーヒーもカリウムが高め(68mg/65mg)。菓子類との組み合わせにも要注意
  • 煎茶・番茶は1日1杯程度なら許容範囲
  • 一番おすすめは麦茶(カリウム6mg)・玄米茶(7mg)・ウーロン茶(13mg)
  • ペットボトルのお茶は成分表示が不十分なことが多い。自宅で淹れたものが安心
  • 飲む量は1日コップ1杯程度を目安に。「濃い茶」は薄くする工夫を
  • 水分管理・カリウム値・体重増加はセットで意識して管理する
  • 必ず主治医・管理栄養士に自分の状態に合ったアドバイスをもらうこと

20年超透析を行っている私だからこそ言えることは、「制限を楽しみに変える発想」が長く続けるコツ。緑茶への不安も、正しい知識があれば賢い選択に変えられます。透析仲間の皆さんと一緒に、充実した毎日を送りましょう!

※本記事の栄養データは文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」・日本透析医学会「慢性透析患者の食事療法基準」をもとに記載しています。個人の病状・検査値によって制限内容は異なります。必ずかかりつけ医・管理栄養士にご相談ください。